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α化米(アルファ化米)とは?作り方や防災時の備えについてご紹介!

災害時を想定して防災グッズを揃えるとき、非常食というのは迷いどころの1つ。保存期限の長さはもちろん、できる限りスペースを取らず味の良いものが理想的です。
α化米(アルファ化米)は、こうしたニーズを満たす非常食として知られており、一度の食事で補給できるエネルギーの多さも優れています。

今回は、災害時の非常食として活躍するα化米の概要、および使い方やおすすめ商品をご紹介します。

α化米(アルファ化米)はどのような米?

α化米(アルファ化米)は、炊き上げた米を乾燥させて、水分を飛ばした状態のものを指します。

通常、炊き上げた米を放置すると、乾燥して固くなり食味が損なわれてしまいます。これは、デンプンの構造が変化して「生デンプン」と呼ばれる、食用に不向きな状態になってしまうからです。

皆さんもご存知の通り、生デンプンの状態に戻った固い米は、再び加熱調理しなければ美味しく食べられません。一方、乾燥処理を施したα化米は、以下のような性質を持っていることから、非常食として活用されています。

  • 放置してもα化したまま生デンプンに戻らない
  • 腐りづらいため長期保存が可能
  • お湯・水を加えることで美味しく食べられる

α化米はこうした特徴を持つ、便利な加工食品の一種です。

α化(アルファ化)はどのような状態?

α化は、糊化とも呼ばれており、文字通り糊(のり)のような状態になることを指します。つまり、米を炊飯器で炊き上げて、柔らかくなっている状態がα化です。

ただし、α化しただけの米は、放置すれば生デンプンに戻ってしまいます。そこで、前述したように急速乾燥させることで、α化の状態を保てるように処理したものがα化米なのです。

そのため、α化という状態そのものは、私たちがよく知っている「炊き上げた米」だといえます。

α化米(アルファ化米)の作り方・必要道具について

α化米を作るとき必要となる道具
オーブンレンジ
炊飯器平らな耐熱皿
固まった米をほぐす箸ジップロック(保存用容器)

これらを使い、どのような手順でα化米を作るのか解説していきます。

ステップ1:研いだ米を炊く

まず、通常よりも固めに米を炊きます。炊飯器に柔らかめ・固めなどの炊き分け機能があれば、それを利用して炊き上げてください。

ステップ2:炊き上げた米を皿に広げる

つぎに、炊いた米を平らな皿に広げてください。
一食分ずつ乾燥処理を施すのであれば、一膳ごとに小分けした状態が望ましいでしょう。

ステップ3:オーブンで米を乾燥させる

米を小分けにしたあとは、オーブンで米を急速乾燥させていきます。このとき、一度に長時間加熱するのではなく、3~5分間ごとに細かく加熱することが大切です。
加熱したあとは毎回オーブンを開き、こもっている水蒸気を逃がすとともに、皿に広げた米をほぐして均一に乾燥させることを意識しましょう。完全に乾燥するまでの加熱回数は、5回前後が目安です。なお、自然乾燥の場合はα化米にならず、生デンプンに戻ってしまうため、皿に広げたあとは早々にオーブンで乾燥させてください。

ステップ4:冷やしながら乾燥させる

オーブンで加熱し、水分が飛んだことが確認できれば、最後に冷やしながら熱がなくなるまで乾燥させます。かたまりになっている部分は、この時点でほぐしておきましょう。
保存に適したジップロックなどの容器に入れることで、α化米の作成は終わりです。

参考:HONDA Kids「アルファ化米をつくろう」
参考:DIYer(s)「非常時やアウトドアに保存しておくと便利!アルファ米の作り方」
参考:ヤマレコ「レンジで簡単?作成、自家製アルファ米」

α化米(アルファ化米)の使い方・レシピ

α化米の重量に対して1.5~2倍に相当する水を注ぎ、約1時間(熱湯の場合は20分ほど)放置すれば、食用に適した固さに戻ります。

また、ガス等が使える環境下であれば、以下のような方法で調理することも可能です。

  1. 具材を炒める(具材例は後述)
  2. 火を止めて、α化米とα化米の1.5〜2倍の水を加える
  3. 火を付けて、米が吸水するまで混ぜ続ける
  4. 米が重たくなった段階で火を止めて蒸らす

なお、液状の調味料を入れる場合は、その量を差し引いた水量にしてください。

以下、利用する具材の一例をご紹介します。

五目ごはんの具材・分量(g)チキンライスの具材・分量(g)
鶏肉15鶏肉20
ごぼう15人参10
人参10玉ねぎ20
油揚げ2グリーンピース5
干ししいたけ1コンソメ1.5
焼きちくわ5ケチャップ15
醤油6ウスターソース0.5
みりん11
中ざら糖2塩・こしょう適量

なお、これらは「60g程度のα化米に対する具材」である点に留意して調理してください。
参考:大口町「アルファ化米の調理方法」

α化米(アルファ化米)を購入するときの注意点

α化米を災害時の非常食として購入する場合、「味付けが淡白な製品」は避けることをおすすめします。

災害時は常に緊張状態が続き、ストレスは蓄積する一方です。こうして心身ともにダメージを負っているとき、味気のない食べ物ばかり口にすることを想像すれば、さらに疲弊しかねないことは容易にイメージできます。

そのため、α化米は数種類の味が付いたものや、作る手順によって食べ方を変えられるものがおすすめです。

おすすめ商品1:尾西食品 アルファ米12種類全部セット

尾西食品が販売する「尾西食品 アルファ米12種類全部セット」は、バリエーション豊富なα化米のセットです。
保存期限の長い非常食は、つい淡白な味付けのものばかりを想像しますが、尾西食品の製品は12種類の味付けに分かれており、非常食でありながら食味を十分に楽しめます。

災害に遭わないまま保存期限が近付いた際には、旅行やアウトドアのお供として美味しく食べることも可能です。

おすすめ商品2:カゴメ&アルファー食品 リゾット・パエリアがつくれる保存食セット

カゴメ&アルファー食品が販売する「リゾット・パエリアがつくれる保存食セット」は、手軽に本格的なレシピを作れるα化米のセットです。
それぞれ単品ずつ食べることも可能ですが、α化米とスープを混ぜることでリゾットやパエリアを簡単に作れます。災害時の非常食とはいえ、素っ気ない味付けの食事ばかりでは気分が落ち込んでしまうもの。

インフラが機能しない状況下でも、満足できる味付けを楽しめる製品としておすすめです。

おすすめ商品3:MT-NET 非常食 5年保存 サタケ マジックライス アルファ米

MT-NETが販売する「非常食 5年保存 サタケ マジックライス アルファ米」は、α化米に加える水分量を調節することで、ご飯と雑炊を作り分けられる製品です。
子どもや高齢者は、固い食べ物が苦手なケースもあり、非常時に食事に困る可能性が考えられます。そういったとき、雑炊としても美味しく食べられる本製品は重宝するはずです。

和風テイストを中心に味付けが豊富にあるため、リゾットやおかゆ風に作り分けるなどの工夫をすれば、非常食としては十分な食事が用意できます。

まとめ

α化米は、非常時でも効率的にエネルギーを摂取できる優れものです。保存期限が長く、普段から食べ慣れている米であるため、味気のない非常食よりも美味しく食べられます。

ただ、自宅で簡単に作れるものの、大量に用意するのは手間がかかり大変です。加えて、メーカー製のα化米に比べて味付けの面で劣る可能性が高いため、特別な理由がなければ既製品の購入をおすすめします。

 

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