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1都3県の災害拠点病院一覧|災害拠点病院の役割とは

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自然災害時に「どの病院へ向かえばいいのか」「どの病院なら対応してもらえるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。本記事では、首都圏1都3県の災害拠点病院を一覧で紹介するほか、災害拠点病院の種類や役割についても解説します。災害拠点病院について確認したい方や知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

災害拠点病院とは

厚生労働省は、「自然災害発生時に中心となって災害医療を提供する病院」として災害拠点病院を定めています。

災害拠点病院に認定されるには、以下の4点を満たし、なおかつ厚生労働省の認可を受ける必要があります。

  • 自然災害への緊急対応が24時間可能であり、被災地域の負傷者の受け入れや搬入が可能であること
  • 自然災害発生時に他の災害拠点病院からの、ヘリコプターを使用した重傷病者の受け入れや搬出が可能であり、医療物資のピストン輸送を行える機能があること
  • 消防機関と連携した、医療救護班の派遣体制が整っていること
  • ヘリコプターに同乗できる医師がおり、なおかつその体制をサポートできる体制が整っていること

そして災害拠点病院は、自治体によって明確に定められているのです。

1都3県の災害拠点病院一覧

ここからは首都圏1都3県の災害拠点病院を紹介します。

なお、災害拠点病院の区分については次の章で紹介しますので、まずは近くの災害拠点病院を確認し、災害時に利用する病院を事前に決めておきましょう。

東京都の災害拠点病院

東京都の災害拠点病院は、次の表のとおりです。

二次保健医療圏災害拠点病院三次救急の有無
区中央部日本大学病院
三井記念病院
聖路加国際病院
東京都済生会中央病院
東京慈恵会医科大学附属病院
北里大学北里研究所病院
虎の門病院
日本医科大学付属病院
東京都立駒込病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京医科歯科大学病院
東京大学医学部付属病院
永寿総合病院
区南部昭和大学病院
NTT東日本関東病院
東邦大学医療センター大森病院
大森赤十字病院
東京都立荏原病院
東京労災病院
池上総合病院
区西南部国立病院機構東京医療センター
至誠会第二病院
公立学校共済組合関東中央病院
日産厚生会 玉川病院
東京都立広尾病院
日本赤十字社医療センター
区西部東京医科大学病院
慶応義塾大学病院
東京女子医科大学病院
東京都立大久保病院
国立国際医療研究センター病院
東京山手メディカルセンター
東京新宿メディカルセンター
新渡戸記念中野総合病院
東京警察病院
荻窪病院
立正佼成会附属佼成病院
区西北部東京都立大塚病院
東京北医療センター
日本大学医学部附属板橋病院
帝京大学医学部附属病院
東京都健康長寿医療センター
東京都立豊島病院
練馬光が丘病院
順天堂大学医学部附属練馬病院
区東北部東京女子医科大学附属足立医療センター
西新井病院
苑田第一病院
博慈会記念総合病院
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター
東京都立東部地域病院
平成立石病院
区東部東京都立墨東病院
東京曳舟病院
江東病院
順天堂大学医学部附属順天堂江東高齢者医療センター
がん研究会有明病院
昭和大学江東豊洲病院
東京臨海病院
江戸川病院
森山記念病院
西多摩青梅市立総合病院
公立阿伎留医療センター
公立福生病院
南多摩東京医科大学八王子医療センター
東海大学八王子病院
日本医科大学多摩永山病院
東京都立多摩南部地域病院
稲城市立病院
町田市民病院
南町田病院
日野市立病院
北多摩西部国立病院機構災害医療センター
立川病院
東大和病院
北多摩南部武蔵野赤十字病院
東京都立多摩・小児総合医療センター
杏林大学医学部付属病院
東京慈恵会医科大学附属第三病院
北多摩北部公立昭和病院
佐々総合病院
東京都立多摩北部医療センター
国立病院機構東京病院

東京都の災害拠点病院を統括する地域災害拠点中核病院と基幹災害拠点病院を以下に示します。

二次保健医療圏施設名拠点区分
区中央部日本医科大学付属病院地域災害拠点中核病院
区南部東邦大学医療センター大森病院地域災害拠点中核病院
区西南部東京都立広尾病院基幹災害拠点病院地域災害拠点中核病院
区西部東京医科大学病院地域災害拠点中核病院
区西北部帝京大学医学部附属病院地域災害拠点中核病院
区東北部東京女子医科大学附属足立医療センター地域災害拠点中核病院
区東部東京都立墨東病院地域災害拠点中核病院
西多摩青梅市立総合病院地域災害拠点中核病院
南多摩東京医科大学八王子医療センター地域災害拠点中核病院
北多摩西部国立病院機構災害医療センター基幹災害拠点病院地域災害拠点中核病院
北多摩南部東京都立多摩・小児総合医療センター地域災害拠点中核病院
北多摩北部公立昭和病院地域災害拠点中核病院

東京都は人口が多いため、ほかの自治体より多くの病院が災害拠点病院に指定されています。職場や自宅からもっとも近い病院を把握しておきましょう。

参考:東京都|東京都災害拠点病院一覧

神奈川県の災害拠点病院

神奈川県にある災害拠点病院は35病院です。次の表で確認してください。

二次保健医療圏地域災害拠点病院
横浜市昭和大学藤が丘病院
横浜労災病院
昭和大学横浜市北部病院
済生会横浜市東部病院
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
けいゆう病院
横浜市立市民病院
国立病院機構横浜医療センター
横浜市立大学附属市民総合医療センター
済生会横浜市南部病院
横浜市立大学附属病院
横浜南共済病院
横浜市立みなと赤十字病院
川崎北部聖マリアンナ医科大学病院
帝京大学医学部附属溝口病院
川崎市立多摩病院
川崎南部川崎市立川崎病院
関東労災病院
日本医科大学武蔵小杉病院
川崎市立井田病院
相模原北里大学病院
相模原協同病院
相模原赤十字病院
横須賀・三浦横須賀共済病院
横須賀市立市民病院
湘南鎌倉総合病院
湘南東部藤沢市民病院
茅ヶ崎市立病院
湘南西部東海大学医学部付属病院
平塚市民病院
秦野赤十字病院
県央厚木市立病院
大和市立病院
県西県立足柄上病院
小田原市立病院

ご覧のとおり、東京都以外の自治体は災害拠点病院が少なく、地域によっては病院まで距離が遠いケースもあります。そのため、自宅や職場から近い災害拠点病院を把握するだけでなく、災害時の移動手段や病院への連絡方法も事前に決めておくことが重要です。

また、受け入れ可能な病床数は、神奈川県のホームページで確認できます。

参考:神奈川県|災害拠点病院

千葉県の災害拠点病院

千葉県には、合計27か所の地域災害拠点病院と、4か所の基幹災害拠点病院があります。

二次保健医療圏地域災害拠点病院
香取海匝県立佐原病院
国保旭中央病院
印旛国際医療福祉大学成田病院
成田赤十字病院
日医大千葉北総病院
東邦大学医療センター佐倉病院
東葛北部東京慈恵医大附属柏病院
千葉西総合病院
松戸市立総合医療センター
東葛南部東京女子医科大八千代医療センター
千葉県済生会習志野病院
船橋市立医療センター
東京歯科大市川総合病院
東京ベイ・浦安市川医療センター
順天堂大学浦安病院
千葉千葉市立青葉病院
千葉大医学部附属病院
千葉医療センター
県救急医療センター
千葉市立海浜病院
山武長生夷隅東千葉メディカルセンター
市原千葉労災病院
帝京大ちば総合医療センター
県循環器病センター
君津国保君津中央病院
安房亀田総合病院
安房地域医療センター

千葉県の基幹災害拠点病院については、以下のとおりです。

基幹災害拠点病院日本医科大学千葉北総病院
旭中央病院
亀田総合病院
君津中央病院

千葉県のホームページでは、地図上に災害拠点病院を記しています。位置もあわせて確認したい方は、ホームページを参照してください。

参考:千葉県|災 害 拠 点 病 院 一 覧 図

埼玉県の災害拠点病院

埼玉県には、22か所の地域災害拠点病院と、3か所の基幹災害拠点病院があります。

二次保健医療圏地域災害拠点病院
北部深谷赤十字病院
利根行田総合病院
羽生総合病院
済生会加須病院
新久喜総合病院
東部草加市立病院
獨協医科大学埼玉医療センター
南部戸田中央総合病院
済生会川口総合病院
川口市立医療センター
さいたまさいたま市立病院
さいたま赤十字病院
埼玉市民医療センター
自治医科大学附属さいたま医療センター
埼玉県立病院機構埼玉県立小児医療センター
県央北里大学メディカルセンター
上尾中央総合病院
川越比企埼玉医科大学病院
埼玉医科大学総合医療センター
西部埼玉医科大学国際医療センター
防衛医科大学校病院
南西部国立病院機構埼玉病院

千葉県の基幹災害拠点病院は、次の表のとおりです。

基幹災害拠点病院川口市立医療センター
さいたま赤十字病院
埼玉医科大学総合医療センター

参考:埼玉県|災害拠点病院

災害拠点病院の種類と役割

災害拠点病院には2種類あり、それぞれ担当する役割が異なります。この章では、災害拠点病院の種類、ならびに関連用語についてご紹介します。

基幹災害拠点病院

基幹災害拠点病院とは災害拠点病院の機能を有した病院のことです。各都道府県における地域災害拠点病院の統括、県下全域の地域災害拠点病院への研修実施、災害拠点病院の機能強化を役割としています。

また、自然災害発生時には重症患者を受け入れたり、地域災害拠点病院同士の連携を統括して指示を出したりします。

1都3県のような人口の多い地域では、地域災害拠点病院の数も多いため、1病院での統括は困難です。そのため、基幹災害拠点病院も数か所設定されています。

地域災害拠点中核病院

地域災害拠点中核病院とは、地域災害拠点病院とも呼ばれ、原則として二次保険医療圏ごとに1か所設定されている災害拠点病院です。

地域災害拠点中核病院の役割は、災害発生時に二次保険医療圏へ災害医療を提供し、地域の災害拠点病院となることです。東京都では、二次保険医療圏内の災害拠点病院の取りまとめ役も兼任しています。

二次保健医療圏

ここで先ほど出てきた二次保健医療圏についても解説しましょう。

そもそも保健医療圏とは都道府県が定めた段階的な医療圏のことです。一次から三次までの医療圏が設定されています。それぞれの医療圏ごとの役割は、次の表を参考にしてください。

一次保健医療圏市区町村単位の医療圏。クリニックや診療所など、日常的な診察や医療を提供する。
二次保健医療圏複数の市町村を含めた医療圏。専門的な検査や治療など、1次医療では不可能な医療を提供する。入院手術や救急医療など。
三次保健医療圏都道府県単位の医療圏。二次医療では不可能な、先進医療や特殊医療などを提供する。

災害拠点病院は原則として、二次保健医療圏ごとに1か所設定されているのです。

三次救急医療施設

三次救急医療施設とは、一次救急(初期救急)や二次救急では対応できない重症患者の治療に対応できる医療施設です。三次救急医療施設は、救命救急センターや地域救命救急センターなどが該当します。また、救急救命センターと同等の設備や機能を備えた病院も、三次救急医療施設として機能します。

災害時には、さまざまな重症患者が想定されるでしょう。そのため、災害時において基幹災害拠点病院や地域災害拠点中核病院だけでなく、三次救急医療施設の役割も大きなものとなります。

自然災害時に社員の安全を確保するためにできること

自然災害発生時に社員の安全を確保するためにできることは何でしょうか。災害拠点病院の確認も重要ですが、それだけでは不十分です。

ここからは、社員の安全を守るうえで必要な取り組みをご紹介します。

BCPを見直す

過去に作成されたBCPや避難マニュアルを見直しましょう。不備や問題点が出る可能性があります。現代の災害対策に見合うよう、手順や効率の見直しを進めることが大切です。

また、見直すだけでなく自然災害を想定した訓練を行い、実践形式で確認やブラッシュアップをしましょう。

安否確認サービスを利用する

安否確認サービスは、安否確認メールの送信から集計・分析までを自動で行うシステムです。安否確認メールを送信する手間や集計にかかる時間を省けることが特長です。

また、社員だけでなく、社員の家族の安否確認もできます。掲示板機能を利用した情報の周知や、天候に応じた安否確認メールの再送信など、自然災害発生時に役立つ機能が備わっています。

従業員の安否確認に不安がある企業は、安否確認サービスの導入を検討してください。

災害拠点病院を確認して災害時に備えよう

災害拠点病院は、災害発生時に災害医療を提供する医療施設です。各自治体のホームページで災害拠点病院について確認できますし、連絡先や受け入れ可能病床数について記載されているケースもあります。

また、災害拠点病院を確認するだけでなく、BCPの見直しや安否確認サービスの導入など、災害対策としてできることは多くあります。

安否確認サービス2の製品サイトに遷移します。
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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。