防災・BCP・リスクマネジメントが分かるメディア

【防災士が解説】ChatGPTでBCP策定を効率化!GPTs活用法や注意点も解説

【防災士が解説】ChatGPTでBCP策定を効率化!GPTs活用法や注意点も解説

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループの坂田です。私は防災士として、企業が緊急事態に直面した際に事業を継続するためのBCP策定を支援し、その重要性を広く伝える活動を行っています。

ChatGPTをはじめとする生成AIの活用が急速に進んでおり、企業の防災担当者の皆様の中には、「BCP策定にChatGPTを活用できるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、防災士の私がChatGPTを使ってBCPを策定する具体的な方法や注意点について詳しく解説します。ChatGPTを効果的に活用し、BCP策定の効率化と企業の危機管理体制強化にお役立てください。

プロフィール背景画像
プロフィール画像

編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。

BCPを策定できていないなら、トヨクモの『BCP策定支援サービス(ライト版)』の活用をご検討ください!
早ければ1ヵ月でBCP策定ができるため「仕事が忙しくて時間がない」や「策定方法がわからない」といった危機管理担当者にもおすすめです。下記のページから資料をダウンロードして、ぜひご検討ください。

BCP策定支援サービス(ライト版)の資料をダウンロードする
BCP策定支援サービス(ライト版)は株式会社大塚商会が代理店として販売しています。

BCP策定におけるChatGPT(生成AI)活用時の情報入力の注意点

初めに、BCP策定におけるChatGPT(生成AI)活用時の情報入力の注意点からお話しします。BCPは、企業固有のリスクや事業特性を踏まえた具体的かつ実行可能な計画でなければなりません。そのため、精度の高い計画を策定するには、正確な企業情報が必要です。

しかし、生成AIを活用してBCPを策定する際には、自社の具体的な情報をどこまで入力するか慎重に判断する必要があります。なぜなら、個人情報や企業の特定につながる情報、主力製品・サービスに関する内部情報、機密情報などは、情報漏洩のリスクがあるためです。

BCP策定に必要な情報を入力する際は、以下の点に留意しましょう。

  • 機密情報の取り扱い:社内規定やガイドラインに従い、機密情報は入力しない。
  • 承認手続き:ChatGPTの使用に関して、関係部署や上司の承認を得る。
  • 入力情報の確認:入力情報は事前に内容を精査する。個人情報や顧客情報、その他社外秘情報に該当する場合、ダミーデータなどを利用する。
  • ChatGPTの設定画面からオプトアウトを設定:入力した情報を学習用データとして提供しないことを選択できる機能を活用する。

以上4点を踏まえ、自社の状況に合わせて適切な情報を入力し、生成AIを効果的に活用することで、より実効性の高いBCP策定が可能になります。

ChatGPTでBCPを策定する事前準備

ChatGPTでBCP策定を行うにあたって、以下を準備しました。

  • ChatGPT(GPT-4)
  • トヨクモのBCP策定マニュアル・テンプレート

それぞれ詳しく解説していきます。

ChatGPT

本記事では、ChatGPTの最新バージョンであるGPT-4を使用しています。

GPT-4の大きな特徴として、「My GPTs(以下、GPTs)」というオリジナルのChatGPTアプリを作成できる機能があります。特定の分野に関連するファイルを読み込ませることで、専門分野に特化したAIを生成できます。

また、GPTsには「Custom Action」という機能が搭載されており、API連携によって外部サービスのデータを取得できます。情報漏えいなどのリスクをクリアできれば、社内システムと連携してBCP策定の情報収集やシナリオ作成を自動化できるツールとなるでしょう。

トヨクモのBCP策定マニュアル・テンプレート

今回は、トヨクモが配布しているマニュアルとテンプレートをChatGPT(GPTs)に読み込ませ、BCP策定に活用することにしました。

ChatGPTはこれらの資料がなくてもプロンプト次第でBCPを策定できますが、既存の資料を活用することで、より確実な計画立案を目指します。

資料は、以下のリンクからダウンロードできます。

【資料ダウンロード】
資料①: トヨクモ「資料ダウンロード」>「BCP(事業継続計画)策定サポート」>「BCPコンサルタント監修はじめてのBCP」>「firstbcp(PDF形式)」
資料②: トヨクモ「資料ダウンロード」>「BCP(事業継続計画)策定サポート」>「BCPコンサルタント監修BCPマニュアル」内最下部のURLをクリック>「BCP_テンプレート(お使いの環境によっては、ファイル名が文字化けしてしまうことがあります)(Word形式)」

なお、BCP策定の手順については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

ChatGPTでBCP策定を効率化するGPTs(アプリ)を作成する方法

では早速、GPTsでBCP策定のオリジナルアプリを作っていきましょう。

GPTsでBCP策定のオリジナルアプリの作成ステップ

  • ChatGPTアカウントの登録・ログイン
  • オプトアウト機能を設定する
  • GPTsの詳細を設定する
  • GPTsを非公開にする
  • 動作確認

各ステップについて説明します。

1.ChatGPTアカウントの登録・ログイン

まず、ChatGPTの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。既にアカウントがある場合は、ChatGPTにログインしてください。

2.オプトアウト機能を設定する

オプトアウトとは、入力した情報を学習用データとして提供しないことを選択できる機能のことです。

オプトアウトの設定方法には、以下の2つの方法があります。

  • ブラウザまたはアプリから設定する
  • OpenAI公式サイトから設定する

方法1: ブラウザまたはアプリから設定する

右上のアカウントアイコンから「設定」>「データコントロール」>「すべての人々のためにモデルを改善する」をオフにしてください。

すぐにオプトアウトが有効であることを示すポップアップが表示されます。

注意点:この方法でオプトアウトを設定すると、過去の会話履歴が削除され、今後ChatGPTとの会話は保存されなくなります。

方法2: OpenAI公式サイトから設定する

履歴を残してオプトアウトを設定したい場合は、OpenAI公式サイト「OPENAI PRIVACY REQUEST PORTAL」にアクセスしてください。

画面右上にある「プライバシーリクエストを送信する」ボタンからオプトアウトの申請ができます。

注意点:申請完了までタイムラグが発生します。

3.GPTsの詳細を設定する

ChatGPTのダッシュボード>「GPTを探す」>「マイGPT」をクリックして、プロジェクトを開始します。

デフォルトだと英語表記なので、

日本語でお願いします。

などと入力すると、以降は日本語表記になります。

もちろんです。どのようなGPTを作りたいか教えてください。例えば、「新しい製品のビジュアルを生成するクリエイティブ」や「コードのフォーマットを手伝うソフトウェアエンジニア」などがあります。

※同じ文章が生成されるとは限りません

左下にあるクリップアイコンから、先ほどダウンロードした2つの資料をアップロードして、

アップロードしたマニュアル・テンプレートをベースに、BCP策定を効率的に支援できるGPTツールを作りたいです。

と入力します。

資料は、以下のリンクからダウンロードできます。

【資料ダウンロード】
資料①: トヨクモ「資料ダウンロード」>「BCP(事業継続計画)策定サポート」>「BCPコンサルタント監修はじめてのBCP」>「firstbcp(PDF形式)」
資料②: トヨクモ「資料ダウンロード」>「BCP(事業継続計画)策定サポート」>「BCPコンサルタント監修BCPマニュアル」内最下部のURLをクリック>「BCP_テンプレート(お使いの環境によっては、ファイル名が文字化けしてしまうことがあります)(Word形式)」

了解しました。BCP(事業継続計画)策定を効率的に支援するGPTツールを作成するために、以下の手順で進めます。

1.GPTの役割と目標:

  • BCP策定のプロセスを支援する
  • 必要なテンプレートや文書を提供する
  • 緊急時の対応手順を案内する

2.制約:

  • 提供する情報はアップロードされたマニュアル・テンプレートに基づく
  • 一般的なガイドラインを提示し、具体的な内容はユーザーにカスタマイズを促す

3.ガイドライン:

  • ユーザーが簡単に理解できるようにシンプルかつ明確に説明する
  • 必要に応じて、詳細な手順や例を提供する

3.明確化:

  • 情報が不足している場合は、追加の情報を求める
  • BCPの各セクションの目的と重要性を強調する

4.パーソナライゼーション:

  • 丁寧でプロフェッショナルな口調
  • ユーザーが安心して利用できるようにサポートする

次に、このツールの名前を決めましょう。例えば、「BCPサポートアシスタント」はいかがでしょうか?他の名前の提案があれば教えてください。

※同じ文章が生成されるとは限りません

ツール名を変更したい場合は、任意のツール名を入力してください。ChatGPTが提案した「BCPサポートアシスタント」で問題なければ、そのまま

OKです。

などと入力します。

こちらがBCPサポートアシスタントのプロフィール画像です。いかがでしょうか?変更や修正が必要であれば教えてください。

※同じ文章が生成されるとは限りません

アプリのプロフィール画像に関しても、修正が必要な場合は任意のプロンプトを入力してください。ChatGPTが提案したプロフィール画像で問題なければ、

OKです。

などと入力します。

次に、ツールの詳細を詰めていきます。BCPサポートアシスタントに期待する具体的な機能や強調すべきポイントについて教えてください。例えば、どのような情報を提供したいか、特に重要な部分、避けるべき点などがあればお知らせください。

※同じ文章が生成されるとは限りません

この質問に対するプロンプトは企業によって異なりますが、今回は以下のように入力しました。

具体的な機能

  • リスク評価と管理:様々なリスクを特定・評価し、優先順位を設定。
  • BCP計画テンプレート提供:業種・規模別にカスタマイズ可能なテンプレートを提供。各セクションに具体的な指示を含める。
  • BCPシミュレーション:異なるシナリオで計画を評価し、改善点を提案。
  • 従業員教育と訓練:教育資料やオンライン訓練プログラム、シナリオベースの訓練を提供。
  • コミュニケーションプラットフォーム:緊急時の情報共有と連絡網の作成・管理を支援。
  • 法令遵守支援:最新の規制情報を提供し、計画の法的妥当性を確認。
  • データバックアップと復旧支援:バックアップ計画と復旧手順、シナリオやガイドラインを提供。
  • 定期的な見直しと更新サポート:アラート機能で計画の見直しと更新を支援。


強調すべきポイント

  • カスタマイズ可能:組織のニーズに合わせて柔軟に対応。
  • 実践的なガイド:ベストプラクティスに基づいたガイドを提供。
  • 緊急対応の迅速化:迅速かつ的確な対応を支援。
  • 継続的なサポート:BCPの有効性維持を支援。


避けるべき点

  • 限定的な対応範囲:幅広いリスクに対応できるツールであるべき。


情報提供のポイント

  • BCP策定の重要性:メリットを明確に説明。
  • 具体的なリスクとその影響:自社にとって重要なリスクとその影響を具体的に説明。
  • ステップバイステップのガイド:BCP策定の手順を具体的かつ段階的に説明。

これでGPTsの詳細設定は完了です。

4.GPTsを非公開にする

次に、GPTsの公開設定を非公開に変更します。

注意点:この操作を行わないと、GPTsが公開されてしまいますので、必ず設定を確認してください。

右上の「作成する(Save)」ボタンをクリックします。なお、「作成する(Save)」が表示されている状態は下書きです。

ポップアップ画面が表示されるので、「私だけ(Only me)」または共有したい場合は「リンクを受け取った人(Alone with a line)」を選択してください。

右上のボタンが「作成する(Save)」⇒「更新する(Update)」に変わったら、これでGPTsの運用を開始できます。

5.動作確認

最後に、右側のプレビュー画面に入力して、表示や動作に問題がないか確認します。

なお、冒頭でも説明しましたが、ChatGPTに機密情報や個人情報を入力することは情報漏洩のリスクがあるため適切ではありません。

ここでは、ChatGPTの機能をイメージしやすくするために、緊急連絡網の具体的な作成プロセスを生成します。

緊急連絡網を作成したいのですが、必要な情報を教えてください。

と入力してみると、以下のような情報が生成されます。

緊急連絡網の作成は、BCP(事業継続計画)の中で非常に重要な部分です。以下は、緊急連絡網を作成する際に必要な情報のリストです。

緊急連絡網に必要な情報

1.連絡先情報:

  • 氏名: 各従業員や関係者のフルネーム。
  • 役職: 組織内での役職や役割。
  • 電話番号: 自宅電話、携帯電話、緊急連絡先。
  • メールアドレス: 連絡可能なメールアドレス。
  • その他の連絡方法: 必要に応じて、LINE、Skypeなどの連絡手段。

2.緊急連絡先の優先順位:

  • 緊急時に最初に連絡すべき人のリスト。
  • 次に連絡する人、バックアップ担当者。

3.役割と責任:

  • 緊急時における各自の役割と責任の明確化。
  • 各チームや部門の連絡責任者。

4.連絡手順:

  • 緊急時の連絡手順(例:最初に電話で連絡、その後メールでフォローアップ)。
  • 連絡の際に伝えるべき情報(例:状況の概要、取るべき行動、次のステップ)。

5.外部連絡先:

  • 地元の消防署、警察署、医療機関の連絡先。
  • 契約しているサービスプロバイダーや重要な取引先の緊急連絡先。

6.バックアップ情報:

  • 連絡網のデジタルコピーを安全に保管(例:クラウドストレージ)。
  • 紙ベースの連絡網を複数箇所に保管。

7.定期的な更新:

  • 連絡網の情報を定期的に確認・更新する手順。
  • 変更があった場合の通知方法。

以下のテンプレートを使って、緊急連絡網を作成することができます。テンプレート内に上記の情報を入力し、自社のニーズに合わせてカスタマイズしてください。

緊急連絡網テンプレート例

氏名役職自宅電話携帯電話メールアドレスその他の連絡方法役割・責任備考
山田 太郎部長03-××××-××××090-××××-××××yamada@××××.comLINE: yamada.taro総責任者
田中 花子課長03-××××-××××090-××××-××××tanaka@××××.comSkype: hanako.tanaka連絡責任者

このテンプレートは、「BCP_テンプレート.docx」にも含まれているかもしれません。必要に応じてそちらもご参照ください。

参考資料:

  • 緊急連絡網の例とテンプレート
  • 事業継続計画(BCP)ガイドライン

緊急連絡網の作成に関する質問や、より具体的なアドバイスが必要な場合は、お知らせください。

※同じ文章が生成されるとは限りません

BCP策定に必要な要素を網羅的に回答してくれるので、非常にスムーズに進められます。

BCP策定にはトヨクモ『BCP策定支援サービス(ライト版)』の活用がおすすめ

ChatGPTはBCP策定を効率化できますが、企業固有のリスクや最新情報への対応、複雑なシナリオの検討などには限界があります。あくまでChatGPTは支援ツールとして活用し、最終的な判断と責任は人間が担う必要があります。

そこで、BCP策定には、トヨクモの『BCP策定支援サービス(ライト版)』の活用をおすすめします。BCPコンサルティングは一般的に数十万円から数百万円かかりますが、本サービスは1ヶ月15万円(税抜)で提供しており、企業の金銭的負担を軽減できます。

最短1ヶ月でBCP策定が可能なので、「すぐにBCPを策定して緊急時に備えたい」「リソースを確保できない」といった企業にもおすすめです。

「BCPを自社内で策定するのは難しい」とお考えの方は、ぜひトヨクモの「BCP策定支援サービス(ライト版)」をご検討ください。

BCP策定支援サービス(ライト版)の資料をダウンロードする
BCP策定支援サービス(ライト版)は株式会社大塚商会が代理店として販売しています。

プロフィール背景画像
プロフィール画像

編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。