BCPとDXの関連性とは|BCPにおいてDX推進が必要な理由をご紹介

遠藤 香大(えんどう こうだい)
BCPは事業継続計画、DXはデジタルトランスフォーメーションを意味します。それぞれにはどのような関係性があるのでしょうか。今回は、BCPとDXの関連性についてやBCPにおいてDX推進が必要な理由を解説します。
目次
BCPとDXの関連性とは
BCPは「Business Continuity Plan(事業継続計画)」の略称で、DXはデジタルトランスフォーメーションの略称です。それぞれ、企業の責任者が考えなければならない取り組みと言えます。記事の最初に、BCPとDXの関連性について解説します。
改めて知るBCPとは
BCPとは、自然災害やパンデミックなどの緊急事態発生時に、被害を最小限に抑えて早期の事業再開を可能とするための計画を指します。
緊急事態はいつ、どこで発生するかわかりません。実際、新型コロナウイルスの感染拡大により倒産した企業は数多くあります。このような事態を防ぐために、緊急事態が起こる前にBCPを策定しておくことが大切です。
DXとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、膨大な顧客・社内データを扱う企業がAIやIoTなどのデジタル技術を駆使し、既存業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出をおこなうことです。
また、上記だけでなく企業風土の改革、継続的な企業の成長に繋げていくことを意味します。企業がDX推進を行うことは、変化やトレンドの移り変わりが激しい世の中で極めて重要なテーマです。
BCPとDXの関連性
DXはBCPにおいて重要な役割を果たしています。なぜなら、DXの推進を図ることでBCPにかかわる人的コストの削減や各段階において迅速な対応が可能になるためです。
DX化していれば、緊急事態発生時に従業員の安否確認や被害状況の情報共有をスムーズにかつ正確にできるようになるでしょう。
BCPにおいてDX化が求められる理由
近年、BCPのDX化が重要視されています。BCPにおいてDX化が求められる理由は以下のとおりです。
- 緊急事態発生時における業務遂行のため
- スムーズな情報収集のため
- 人手不足でも業務を行うため
それぞれの理由について詳しく解説します。
緊急事態発生時における業務遂行のため
BCPのDX化が求められる理由として、緊急事態時も業務遂行が求められることが挙げられます。
BCPは緊急事態発生時に被害を最小限に抑えて、事業を早期に再開して継続することが目的です。しかし、自然災害やパンデミックなどが起きると、従業員が無事でもオフィスに出社できないという事態にもなりかねません。
しかし、クラウドシステムやWeb会議システムを導入していれば、オフィスが被災して出社が不可能になっても業務を進められるでしょう。
スムーズな情報収集のため
DX化によりスムーズな情報収集ができる点も、BCPにDXが求められる理由のひとつです。
DX化をすれば、状況確認や情報伝達がスムーズになり、従業員を統率しやすくなります。たとえば安否確認を電話やメールで行おうとしても、通信障害によってうまくいかないおそれがあります。連絡漏れが起きたり、返信の有無の管理が大変になるケースも考えられます。
DX化をすると、情報収集が正確に行えるようになり、統率が取りやすくなるでしょう。コミュニケーション手段の確立によって、緊急時に起こる情報の交錯によるパニックを防げる効果もあります。
人手不足でも業務を行うため
緊急事態が発生すると、安否は確認できても出社は困難という従業員が出てきます。人手不足が起これば、BCPで定められた対応を遂行することができません。
DX化により業務効率化が進めば、最低限の人材だけで災害対応や緊急時の業務推進が可能になるでしょう。
BCP対策をDX化して可能になること
BCP対策においてDX化すると、以下のことが可能になります。
- 安否確認情報の収集
- 最低限の人員での災害対応
- 定期的な訓練
- 離れた場所からの会議
ここからは、それぞれについて詳しく解説します。
安否確認情報の収集
BCP対策をDX化すると、安否確認情報の収集が可能になります。
BCP対策において従業員の安否を確認することは必要不可欠です。安否確認の方法として緊急連絡網が挙げられます。しかし、緊急連絡網よりも専用のシステムを使った方が素早く、かつ正確に情報を収集できるでしょう。システムやサービスの内容によっては、家族や自宅の被災情報なども収集可能です。
トヨクモが提供する『安否確認サービス2』は、緊急事態発生時に自動でメッセージを送信したり、自動集計によって回答状況の確認が容易に行えます。そのほかにも、掲示機能を使って対策指示を全員に共有することができたりとBCPに必要な機能が多数搭載されています。30日間無料でお試しできますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
最低限の人員での災害対応
DX化により、最低限の人員で災害対応が可能になります。なぜなら、これまで人の手によって行われていた連絡が自動化できるためです。
人の手で連絡を行うとなると、連絡までに時間がかかったり、連絡漏れや返信の確認などに多くの手間がかかります。しかし、DX化を行っていれば、連絡の漏れやミスがなくなり、正確な情報収集や従業員の統率が可能になるでしょう。返信の有無や情報収集を可視化でき、事業復旧の計画も立てやすくなります。
定期的な訓練
BCPは単に策定すればよいわけではありません。万が一の際に適切に実行できるものにする必要があります。緊急事態発生時はパニックになりやすく、BCPを策定していても冷静な判断ができない可能性があります。しかし、定期的に訓練をしておけば、緊急事態時も従業員それぞれが冷静に対応できるようになるでしょう。
訓練もDX化することが可能です。安否確認サービス2では契約者を対象に一斉訓練を行っています。契約者に安否確認の通知を一斉送信し、稼働と回答状況の検証を行うことが可能です。訓練終了後に回答状況を集計した訓練レポートが配布されるため、自社の防災意識を高めるきっかけになります。
離れた場所からの会議
DX化を行うことによって、離れた場所からの会議が可能になります。
オフィスが損壊した場合や交通手段がなく通勤できない場合など、オフィスでの業務が困難なときでも離れた場所から会議ができれば、事業再開に向けた会議が行えます。
また、拠点が複数存在する場合でも、オンラインでの災害対策会議を行ったり、被害状況を共有したりと連携を取ることが可能です。
BCP対策をDX化することで起きる弊害
BCP対策をDX化するとさまざまなことができるようになります。一方、以下のような弊害も生じます。
- 大人数への徹底が難しい
- 操作が簡単でないと覚えにくい
- アプリやシステムの対応機種が限られる
ここからは、それぞれの弊害について詳しく解説します。弊害があることも理解したうえで、BCP対策のDX化を検討しましょう。
多人数への徹底が難しい
BCP対策をDX化すると、大人数への対応が難しくなるケースがあります。たとえば、従業員の人数が多いとシステムへの登録に時間がかかるなどです。
DXを推進する際は、DXの意義や目的を従業員に理解してもらわなければなりません。経営陣・事業部門・IT部門が同じ目線で対話をして情報を共有し、DXをどのように進めるのか、どのような効果があるのかを明確にする必要があります。
そのうえでこれらを従業員に伝えなければなりませんが、DXの意義や目的がはっきりしていないと浸透しにくいと言えます。DXに対する共通理解の形成のために従業員への周知・教育・研修が必要ですが、これらには時間と手間がかかります。
操作が簡単でないと覚えにくい
操作方法がわかりやすくないと、かえって利用しづらくなるという弊害があります。
DX化すると、新たに操作方法を覚えなければなりません。しかし、操作方法が難しいと利用しづらいと感じたり、覚えてもらいにくくなったりするというリスクが生じます。
スムーズにDX化をするには、操作方法のマニュアルを作成して従業員が操作方法を把握できるようにすることが大切です。マニュアルを作成したり、操作が簡単なツールを導入して、覚えてもらえるように努めましょう。
なお、デジタルに慣れていない年配の従業員への指導は特に大変です。図を取り入れたわかりやすいマニュアルを作成して、年配の従業員も使いやすい環境を作りましょう。
指導に時間がかかることを理由にBCPのDX推進を諦める必要はありません。シンプルな操作ができるツールを活用すれば、万が一の際に操作できない事態を防げます。
アプリやシステムの対応機種が限られる
アプリやシステムの対応機種が限られる点にも注意が必要です。
例えば、ガラケーに対応していないシステムもあります。この場合、連絡手段がガラケーしかない従業員は、万が一のときの安否確認が困難になります。ガラケーの利用者は、他の対策を考える必要があるでしょう。
現在、DXのアプリやシステムは数多くあります。幅広い機種に対応しているアプリやシステムを選べば、一部の従業員が利用できない事態は防げるでしょう。
まとめ
BCPは事業存続や従業員の安全確保のために欠かせません。BCPはDX化により、スムーズな情報収集が可能になったり、少人数での対応が可能になるなど多くのメリットがあります。BCPをDX化することで起こり得る弊害を理解したうえで、DX化を前向きに検討しましょう。
BCPをDX化するときは、多種多様な機能で使いやすい安否確認サービス2がおすすめです。まずはお気軽にお問い合わせください。