マネージャーが守るのは売り上げのみにあらず!緊急時の対応力を磨く「ジャッジメント訓練」

マネージャーが守るのは売り上げのみにあらず!緊急時の対応力を磨く「ジャッジメント訓練」

企業のマネージャーにとって、BCPを策定していく上で欠かせないのが、緊急時の対応力を磨く「ジャッジメント訓練」です。ここでは、なぜ「ジャッジメント訓練」と呼ばれるシミュレーション型の演習が必要なのか、また、実際にはどのような内容の訓練が行われるのかという点について解説していきます。

1.BCPは策定だけでは不十分!定期的な訓練が不可欠

大規模な災害の発生時やシステム障害などの緊急自体に備え、各企業ではBCPの策定が不可欠です。(参考:企業の緊急事態に備える!事業の継続に不可欠な「BCP」とは?

しかし、実際に緊急事態に遭遇した際にBCPが有効に活用されるためには、BCPの認知・理解の向上を目的とした社内教育に加え、緊急時を想定したBCP訓練の定期的な実施、運用が必要になります。

BCP訓練を実行する主な目的には、以下の理由が挙げられます。

・策定したBCPの有効性の検証
・各従業員のBCPへの理解の促進
・緊急時の役割の理解
・従業員間の連携の強化
・備蓄用品、防災関連器具の点検 など

2.BCP訓練の種類と内容

BCP訓練では達成したい目的や想定する状況毎に様々な種類の訓練があります。ここでは主なBCP訓練の種類についてご紹介します。

避難訓練 災害時の緊急対応の精度向上を目的に行われる訓練で、主に一般従業員が対象となる。災害発生時の避難経路の確認や、防災グッズの使用方法の確認などが主な内容。
安否確認訓練 大規模な災害の発生時を想定し、外出中の従業員や出勤・帰宅中の従業員の安否確認を速やかに行うための訓練。企業によっては、従業員だけでなく、従業員の家族まで対象を含める場合もあり。
緊急連絡訓練 予め設定した緊急連絡網を活用し、緊急事態の発生後に滞りなく連絡網が機能しているかを確認するための訓練。企業によっては、「安否確認訓練」と同義で使用されることもある。
システム復旧訓練 企業内で大規模なシステム障害が発生した状況を想定し、障害の原因の特定、早期での復旧を目指し行われる訓練。バックアップデータの活用まで対象を広げる場合もあり。
救急救命訓練 災害などによって外傷を負った従業員が病院へ緊急搬送されるまでに行われるべき対応に関する訓練。
代替施設への移動訓練 代替施設として準備している工場や事務所へ予め設定した復旧要員を実際に移動させ、計画に沿って復旧できるよう予行演習を行う訓練。

3.マネージャー層に不可欠な「ジャッジメント訓練」

ここまでに紹介した各種BCP訓練は、比較的内容のイメージがわきやすいものが中心でしたが、ここではもう一つ、特に企業におけるマネージャー層に必要な総合的な判断力を養う「ジャッジメント訓練」を取り上げます。

「ジャッジメント訓練」とは、大規模な災害時などの状況を具体的に想定し、的確な指示や判断を下すことができるよう、シミュレーションを行う訓練のことを指します。

※企業によっては、ロールプレイング訓練、シミュレーション訓練、机上型訓練などと表現される場合もあります。

4.「ジャッジメント訓練」実施手順

ジャッジメント訓練は一般的に以下の手順に沿って実施されます。
※参加者の属性によって行われる内容は変化します。

(1)訓練目標の設定
今回実施する訓練において、確認すべき点、達成すべき目標を明確化させる。

(例)
・災害時のイメージを形成
・災害時における情報収集の方法、得られた情報の分析
・他機関への情報伝達手順および連絡方法の把握
・防災計画、地図、マニュアルなどの活用方法の確認

(2)参加者をグループごとに分ける
事前に状況シナリオは伝えないものとする。

(3)状況シナリオ、設問の付与
可能な限り具体的な状況を設定し、参加者に設問を付与する。一定回数の状況シナリオ、設問を提示する。

(設問例1)
「余震が続いている状況下にも関わらず、一部の従業員が帰宅の意思を申し出ています。どのように対応しますか?」

 

(設問例2)
「大規模な火災の発生により、主力商品を生産する工場の生産ラインの停止が余儀なくされています。復旧の見込みが立たない状況において、どう対処しますか?」

※「ジャッジメント訓練」は災害発生時の状況シナリオや付与される設問の内容を自由に設定することができます。それによって、企業ごとに異なるBCPの習熟度に合わせ、柔軟に難易度を調整することが可能です。

(4)グループ討議
設問が出された後、グループ内メンバーにて討議を実施。グループごとに最終意見をまとめる。

(5)発表
グループごとに討議した内容、結果を発表し、他のグループからの質問や意見に対して回答する。

(6)総括・まとめ
最後に司会が全体の発表を踏まえて総括を行い、想定しきれていなかった部分の補足や、より良い判断を下せるために知っておくべき事項の解説を行う。

ジャッジメント訓練実施のメリット

「ジャッジメント訓練」を実施することによって、経営幹部層は大震災などの際に、全社的な観点から被害を最小限に留め、いかに事業を継続させていくかという緊急時における対応力を鍛えることができます。

また、部下を持つ立場でもあるマネージャー層に関しても必要不可欠で、何らかの事情によって緊急対策本部の判断を仰ぐことができない場合など、自身のみならず、部下の安全の確保、事業の停止を防ぐための行動力が求められます。

その際、日頃から定期的に「ジャッジメント訓練」を行うことによって、より適切な判断を下すことができるよう総合的な判断能力を鍛えることができます。

まとめ

BCPへの取り組みを比較的最近始めた企業や、BCPが未完成の企業であっても、ジャッジメントを実施することは可能です。BCPの策定に終始するだけでなく、より実践を意識した訓練を行うことで、企業としてのBCPへの習熟度を高めていきましょう。

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