【南海トラフ地震に備える】特別措置法ってなに?わかりやすく説明します

【南海トラフ地震に備える】特別措置法ってなに?わかりやすく説明します

災害や事故など、非常事態に陥ったときにどのように対応するかを定める、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)。日本では数多くの震災が発生するが、その中でも南海トラフ地震は、30年以内に70%の確率で発生すると発表されています。ですが、南海トラフ地震の影響を大きく受けるとされる三重県では、BCP策定をしている県内企業の数が全国平均を下回る8.7%であるというニュースが流れました。

三重県は伊勢湾に面しているため、震災が起きたあとの津波の影響を受けると言われています。三重の他にも、静岡や愛知、和歌山、徳島などにも10m以上の津波が襲うとも……。

それを受けて、政府は地震対策として、「南海トラフ地震対策特別措置法」を施行。従業員を守るため、いま、企業ができることは何か、一緒に考えてみませんか。

南海トラフ地震の特別措置法とは


南海トラフ地震対策特別措置法とは、南海トラフ地震が発生したとき、著しい災害被害が発生する恐れのある地域を対象に、地震津波対策強化地域の指定や、市町村長が津波避難対策緊急事業計画の作成することを定めたり、国が補助を出すことを定めたりしているものです。

南海トラフ地震の危険地域はすでに定められています。特に、地震発生から30分以内に、津波による30cm以上の浸水が生じる地域である「津波避難対策特別強化地域」には、なんと1都13県、139の市町村が指定されています。
特別強化地域の候補市町村に挟まれた沿岸市町村も含んで選定
浸水の深さや、浸水の面積など、地域の実情を踏まえて、津波避難の困難性を考慮して選定

【津波避難対策特別強化地域】
千葉県 館山市、南房総市、安房郡鋸南町
東京都 大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村
神奈川県 横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、三浦郡葉山町、中郡大磯町、同郡二宮町、足柄下郡真鶴町、同郡湯河原町
静岡県 静岡市、浜松市、沼津市、熱海市、伊東市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、袋井市、下田市、湖西市、伊豆市、御前崎市、牧之原市、賀茂郡東伊豆町、同郡河津町、同郡南伊豆町、同郡松崎町、同郡西伊豆町、榛原郡吉田町
愛知県 豊橋市、田原市、知多郡南知多町
三重県 津市、四日市市、伊勢市、松阪市、鈴鹿市、尾鷲市、鳥羽市、熊野市、志摩市、三重郡川越町、多気郡明和町、度会郡大紀町、同郡南伊勢町、北牟婁郡紀北町、南牟婁郡御浜町、同郡紀宝町
兵庫県 洲本市、南あわじ市
和歌山県 和歌山市、海南市、有田市、御坊市、田辺市、新宮市、有田郡湯浅町、同郡広川町、日高郡美浜町、同郡日高町、同郡由良町、同郡印南町、同郡みなべ町、西牟婁郡白浜町、同郡すさみ町、東牟婁郡那智勝浦町、同郡太地町、同郡古座川町、同郡串本町
徳島県 徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、海部郡牟岐町、同郡美波町、同郡海陽町、板野郡松茂町
愛媛県 宇和島市、八幡浜市、西予市、西宇和郡伊方町、南宇和郡愛南町
高知県 高知市、室戸市、安芸市、南国市、土佐市、須崎市、宿毛市、土佐清水市、四万十市、香南市、安芸郡東洋町、同郡奈半利町、同郡田野町、同郡安田町、同郡芸西村、高岡郡中土佐町、同郡四万十町、幡多郡大月町、同郡黒潮町
大分県 大分市、佐伯市、臼杵市、津久見市
宮崎県 宮崎市、延岡市、日南市、日向市、串間市、児湯郡高鍋町、同郡新富町、同郡川南町、同郡都農町、東臼杵郡門川町
鹿児島県 西之表市、志布志市、曽於郡大崎町、肝属郡東串良町、同郡南大隅町、同郡肝付町、熊毛郡中種子町、同郡南種子町

もし、上記の地域にお住まいで、かつ特定の事業をしている方がいたら、「南海トラフ地震対策計画」を立てなければなりません。次章では、まず対象者と計画で立てるべき内容について考えます。

病院や鉄道、学校、電気、通信などの事業は、南海トラフ地震対策計画を制作する必要あり

先ほどの「津波避難対策特別強化地域」に指定された地域では、病院や百貨店など、不特定多数の人が出入りする施設または事業などを管理・運営する人は、あらかじめ「南海トラフ地震防災対策計画」を作成し、すみやかに県知事に提出することが義務づけられています。

対策計画を作成すべき対象者は以下の通りです。

【対策計画を作成すべき者】
●病院、劇場、百貨店、旅館など、不特定多数の人が出入りする施設
●石油類、火薬類、高圧ガスなど、政令で定めるものを製造、貯蔵、処理または取り扱う施設
●鉄道事業など、一般旅客の運送に関する事業
●学校、社会福祉施設、道路、水道、電気、ガスなど、地震防災上の措置が必要だと認められる重要な施設または事業
詳しくは、地域の防災政策課などに問い合わせで聞いてみることをおすすめします

各事業者は、下記のような津波避難計画などを含めた「対策計画」を製作することとなります。

【対策計画の具体的な内容】
①津波からの円滑な避難方法
②南海トラフ地震に関する防災訓練
③南海トラフ地震に関する教育・広報など

対策計画または南海トラフ地震防災規定の届出書類が完成したら、所在地の市町村長へ写しを提出します。

提出すべき対象者じゃなかった場合も、南海トラフの危険性がないわけではありません。そこで、各自でBCPや耐震・耐津波をするべく、自治体が出している情報を確認してみましょう。

南海トラフ対策のBCP制作のすすめ


ここでは、地域別で、補助金やBCP策定など、企業への支援について、印象的な地域を中心にまとめています。特に、千葉、静岡、高知の企業の防災担当者の方は確認してみることをおすすめします。

千葉県
千葉県では、BCP 制作の推進のため、ホームページにてコラムなどを掲載しています。内容は以下の通りです。

・BCP(事業継続計画)に関するコラム掲載
・中小企業の危機管理についてのアンケートについて(結果の公表)
・公的機関等によるBCP(事業継続計画)策定のための支援
・参考情報

特に、対策の中でも、震災当時にBCPを使っていた企業の生の声がコラムとしてあったので、読んでみることをおすすめします。

たとえば、平成27年の11月には、大成ファインケミカル株式会社代表取締役社長の稲生豊人さんによる、「魂のBCMと呼ばれる理由」というコラムがあります。同社は、東日本大震災の経験を生かしてBCPを策定されており、「BCP策定最優秀賞」を受賞されています。震災時の具体的な取り組みや、BCP作成を取り組まれる上でのアドバイスも書かれていました。

静岡県
静岡県のホームページでは、以下の内容で防災の啓蒙をしています。

・企業の地震対策(平常時)
・地震防災応急計画の作成
・地震防災対策援助制度
・南海トラフ地震防災対策計画の作成
・事業継続計画モデルプラン
・地震災害防止対策資金

目玉となるのは、防災・減災強化資金として存在する融資制度です。

・融資対象者は、県内において、原則として1年以上継続して同一事業を営んでいる中小企業者(個人事業者、会社、医療法人)、組合です。
・融資限度額は、1億円、融資期間は10年以内(うち据置期間は1年以内)です。

たとえば、こんな融資がありました。

【融資利率年1.035%以内】
・建築物の建て替え
・建築物の耐震工事
・地盤改良など
・浸水防止工事など【融資利率年1.6%以内】
・耐震診断
・耐震改修計画の策定
・ブロック塀・石塀などの建て替え
・広告看板などの建て替え

高知県
高知県では、地震、津波対策それぞれにおいて、補助金や融資を受けられるようになっています。

たとえば、地震に備えるために、耐震診断や耐震設計をしましょう。それぞれ、耐震診断は133.3万年、耐震設計は200万円の補助金をもらえる可能性があります。

対象者:県内の中小企業者
対象建築物:事務所・工場など、昭和56年5月31 日以前に建築された建築物
要件:耐震診断および耐震設計の内容に関し、四国耐震診断評定委員会などの評定で、適切と評価を受けること

さらに、地震に対する被害を防止する、減災への取り組みや、節電対策などを支援する「南海地震・節電対策融資」の取り組みもあります。

それと、津波対策として、「高知県民間力活用津波避難施設設備促進事業費補助金」という制度があります。これは、南海トラフ地震などの発生直後に襲ってくる、津波よる被害を軽減することを目的に、民間事業者が所有する建築物を、従業員だけでなく地域住民などの命を守るための「津波避難施設」として整備をする企業に、経費の一部を助成するというものです。

南海トラフに賢く備えよう

30年に一度と言われている、南海トラフ地震。災害はいつ起きるかわからないものですが、手をこまねいて待っているだけでは、万一被災したとき、企業は立ち上がれなくなっているかもしれません。

国や自治体が補助金、助成金を出しているかもしれないので、自分のお住まいの地域の情報を探してみてはいかがでしょうか。企業の担当者の方は、来たるべき大地震に備えるためにもこの記事を参考にBCP策定を検討してください。

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