災害でいつもの物流ルートが使えなくなったら…災害時の緊急対策と代替ルートの決め方

災害でいつもの物流ルートが使えなくなったら…災害時の緊急対策と代替ルートの決め方

今年、日本列島は立て続けに大きな災害に見舞われました。特に台風21号の影響は、関西空港の機能がストップするほどでした。そのため、ローム、クボタなどの大手部品メーカーは代替ルートを探す必要に迫られ、多額の費用が発生しました。

今回は、代替ルートへの切り替え、サプライチェーンの確保など、災害により交通インフラがストップした際の対応についてご紹介します。

台風21号がもたらした交通インフラと部品輸出への影響


今回の台風21号の影響で、企業にとって最もダメージが大きかったのは、関西国際空港の閉鎖ではないでしょうか。

台風21号の襲来により、関西国際空港の滑走路や誘導路は冠水、ロビーやフロアは雨漏りと停電、さらに関空連絡橋にタンクが衝突して、孤立するという最悪の事態に見舞われました。

関空経由での航空貨物を取り扱う阪急阪神エクスプレスでは、関空が閉鎖されてしまい、関空内に保管してある貨物の状況も把握できず、対応が取れない状態になったといいます。

その影響で、大手部品メーカーは、商品を他の空港に搬送して海外に出荷するなどの対応に追われ、多額の費用がかかる事態となりました。主な事例は次の通りです。

■ローム株式会社の場合
半導体製造の大手であるロームは、国内で製造した半導体チップなどを東南アジアの国々に輸出し、現地の工場で最終的な仕上げをしています。しかし、今回の関空閉鎖を受け、急遽、成田、羽田、中部国際空港への振替輸送を余儀なくされました。振替輸送には、莫大な出費が伴いますが、顧客への納期厳守が最優先とロームは判断したようです。

■株式会社クボタの場合
農機具大手のクボタは、アメリカにある自社工場に出荷するパーツ類を成田と羽田から輸送する代替ルートを取りました。同様にパナソニックや村田製作所、京セラも他の空港からの輸送対応を進めました。

関西空港の本格再開については、いまだに見通しが立っていません。特に、貨物倉庫のある地区の浸水被害は大きく、台風21号が過ぎて2週間経っても、傷んだ貨物など約1700トンが滞留、荷さばきができない状態が続いています。

すでに電子部品などの輸送に影響も出ていますが、このまま物流の停滞が長引けば、企業業績を下押しする可能もあります。

関空の他には、海運ルートでは、大阪港や神戸港などでは、コンテナが転倒・流失。道路でも浸水や冠水が発生し、交通インフラが麻痺しました。

参考:関空、貨物便全面再開にまだ時間 関西の主力、製造業へ影響続く(中日新聞)

東日本大震災から見る、交通インフラの被害と企業への影響


東日本大震災では、巨大な津波により、東北沿岸部の交通インフラは壊滅的な打撃を受け、その被害は青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県と広範囲にわたって爪痕を残しました。

沿岸部から離れた内陸部でも、東北新幹線、東北線、東北自動車道がいたるところで寸断され、その後の復興にも影響が出る結果に。

東京でも、震災当日は鉄道インフラがストップしたため、大量の帰宅難民が発生し、人々が歩いて帰る姿は、ニュースなどで多く報道されました。

震災後は、原発事故による計画停電や鉄道の運休、一時的なガソリンの品切れ状態などから、物流にも混乱を招きました。

東北全域では数か月にわたり、主要幹線道路の寸断状態が続き、東北への物資の流入に支障が出ただけでなく、東北に拠点を置く企業の商品が一般に流通しませんでした。交通インフラの麻痺は被災地以外にも大きな影響をもたらしたのです。

震災の混乱の中、国土交通省東北地方整備局は、地震発生直後から交通網の復旧に全力を挙げて取り組み、震災から1週間程度で、国道45号のほぼ全域を通行可能に。さらに次の週には、東北自動車道も全面開通して、復興の足掛かりを作りました。

災害時の部品輸出のための方策とは


交通インフラが麻痺した場合、企業は、材料や部品の輸出入が滞り、取引先から信頼を失う可能性があります。

関西国際空港のように、膨大な貨物を取り扱う「ハブ空港」が麻痺すると、多くの企業がその影響を受けることになります。

企業にとっては、普段利用する物流ルートとは別に代替ルートを策定し、緊急時にどのような経路で取引先に納品を行うのか事前に決めておく必要があります。

今回の災害で、代替ルートに選ばれたのは成田・羽田・中部などの大きな国際空港です。これらの空港は、輸送力が高い一方で、他の企業の利用が集中し、思ったようなスケジュールで納品が行われない、利用コストが高いというデメリットが生じる可能性があります。

代替ルートは、次の条件で選ぶと良いでしょう。
1.輸送力の高さ
2.自社の工場から空港・駅までの近さ
3.輸送コスト

他にも、部品を保管する拠点を複数持ち、それぞれ近場の空港や駅から輸送するという方法もあります。

部品や材料の特性や企業が支払えるコストを加味して、非常時にも耐えられる代替ルートを探してみてください。

まとめ

台風や地震、津波などの自然災害で、交通インフラがストップすると、企業は甚大な被害を受けます。各部品輸出メーカーでは、今後このような場合に備え、スムーズな代替ルートへの切り替え方など、迅速に部品輸送ができるプランを模索することが求められています。

今回の件をきっかけに、どんな災害も起こりうると仮定し、災害時における企業のトラブル対応をさらにより良いものに構築していきましょう。

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