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避難勧告と避難指示の違いとは?災害時に私たちはどう対応すべき?

避難勧告

避難勧告や避難指示の違いをご存知ですか?
実は、避難勧告と避難指示の役割には明確な差があり、これらに加えて避難準備という指示も存在しています。
今回は、避難時に発令される各指示の役割を解説し、私たちは災害にどう対応すべきかご説明します。

避難準備・避難勧告・避難指示の違いとは?

避難準備や避難勧告、避難指示の違いを正確に理解できている人は、多くないのではないでしょうか。しかし、それぞれ明確に異なる役割を持っており、正しい意味を理解していなかったため人的被害に繋がる可能性は十分考えられます。
自治体の指示に従い、少しでも被害を軽減できるよう、各指示の役割を理解しておきましょう。

避難準備:避難勧告・避難指示の前に発令

避難勧告や避難指示の発令が予想される場合に、それらより前もって発令されるものが「避難準備」です。
避難準備が発令された段階から、避難に時間のかかる高齢者や子どもは先立って避難を始め、それ以外の人々は避難行動の準備を行うよう促されます。

避難勧告:特定の住民に避難を促すため発令

被害が懸念される地域の住民に対して、避難を促すために発令されるものが「避難勧告」です。
避難準備よりも緊急性が高く、人的被害の可能性がある状況で発令されるため、対象地域にいた場合は速やかな避難行動が強く推奨されます。

避難指示:人的被害が予想される緊急時に発令

いつ被害が起こるか分からない、もしくはすでに発災している状況下で発令されるものが「避難指示」です。正確には、避難指示(緊急)と表記されることになっており、前述した2つと比較して緊急性が高いことを示しています。
避難が遅れれば命に関わるため、この段階で避難行動を取っていない場合は、直ちに避難しなければなりません。

参考:
内閣府「避難勧告等に関するガイドラインの改定 ~警戒レベルの運用等について~」
岐阜市「避難勧告と避難指示の違いは?」

各フェーズで取るべき行動・持つべき意識

避難している人々
避難準備や避難勧告、避難指示(緊急)を受けて、具体的にどういったアクションを起こせば良いのでしょうか?
この項では、発令された指示を受けて取るべき行動と、過去の被害から私たちが学ぶべき教訓をご紹介します。

どの段階で避難を始めれば良いの?

基本的には、シーンを問わず早期避難が望まれますが、避難のタイミングの目安は以下の通りです。

指示の種類 理想的な避難のイメージ
避難準備 高齢者・子ども・障がい者は避難を始める
避難勧告 対象地域にいる全員が避難を始める
避難指示(緊急) 対象地域にいる全員が避難を完了している

特に注意すべきは、高齢者や子どもたちに避難を促すタイミングです。
2016年に台風10号が発生した際は、岩手県岩泉町の全域に避難準備情報が出されたのち、町内の北側にのみ避難観光が発令されました。
しかし、東側は町長の判断により避難勧告や避難指示が出されず、そのまま夜間にかけて暴風雨が強まったことで河川の水位が急上昇。同エリアにあった高齢者グループホームにいた9人がなくなったのです。
結果を見れば、避難準備が発令された段階で避難行動をスタートすることが、最善の判断だったと分かります。このような悲劇を避けるため、高齢者や子どもがいる世帯は早期対応を心がけるよう意識しなければなりません。

参考:
日本経済新聞「9人死亡の岩手・岩泉町、避難指示出さず 台風10号」
首相官邸「避難はいつ、どこに?」

どのような場所に避難すれば良いの?

風水害や地震が発生した場合は、災害から身を守るため一時的に避難する「指定緊急避難場所」と、安全を確保できるまで一定期間の滞在を想定した「指定避難所」があります。
多くの場合、指定緊急避難場所は市内の公民館や会場、指定避難場所は小中学校が指定されているため、それぞれが事前にどの位置にあるのか把握しておくことを推奨します。
なお、各所が全ての災害に対応しているわけではなく、それぞれ避難に適した災害シーンが異なる点に注意してください。これらの防災情報は、各自治体の防災マップを参照することで把握できるため、避難施設の位置情報とあわせて確認しておくべきでしょう。

参考:
国土交通省「「指定緊急避難場所」について」

災害時に迅速な対応をするためのポイント

災害が起こったとき、避難をスムーズに実行できるか否かは、事前の準備や計画に依存します。
具体的にどのようなポイントを押さえるべきなのか、順番にご説明します。

災害の大きさに応じて事前に対応を明確化

災害時、被害を最小化するために重要となる要素が「対応の明確化」です。
ここまでご説明した情報を組み合わせて、家庭・職場で以下のようなルールを定めることが推奨されます。

災害に備えて明確化すべきルール
避難のタイミング 年齢・場所から避難行動の基準を策定
災害別の避難場所 各災害を想定して、最適な避難場所を選出
避難時に持ち出す道具 避難時に必要となる道具の準備・確認
連絡方法の確立 避難時に安否を確認する手段の設定・確認

高齢者や子どもに早期避難が求められる一方、心身ともに健康な世代はギリギリまで避難をしなくて良いのかといえば、そんなことはありません。
多くの時間を過ごす自宅や職場が、崖や河川の付近など被害を受けやすい場所にあったり、著しく移動に労力を要する場所にあったりするなら、一般的な状況よりもシビアに避難の判断を下すべきです。
また、つい後回しにしてしまう避難時に持ち出す道具の準備、家族・職場との連絡方法の用意は、直ちに行うことをおすすめします。

避難時に持ち出すアイテムを用意しておく

速やかな避難行動が求められる状況であるにもかかわらず、持ち出すものを一から準備していては危険です。
飲み水や食料、衣服などの必要物資は、あらかじめ「避難時用」と定めたものを準備し、避難時にすぐ持ち出せる場所へ配置してください。

家族・職場と連絡する手段の確立

災害が大規模であった場合、電話回線の混雑により連絡を取れなくなる懸念があります。
以下の画像は、東日本大震災の発生時に関するデータをもとに、通信規制にまつわる推定結果を算出したものです。

出所:総務省「災害発生時等における通信」

画像を見れば、発災直後に通信トラヒックが急激に上昇した様子が分かります。
同じく総務省が公表する「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方について 最終取りまとめ」では、固定電話による通信が最大80~90%、携帯電話による通信は最大70~95%の規制が行われたと明らかになっています。
災害時はこういった事態が起こり得るため、電話以外の連絡手段を用意しておかなければ、安否確認が取れないまま不安を抱いて過ごすことになるのです。
特に職場の場合、LINEやTwitterなどSNSの連絡先を交換していないケースが多く、完全に音信不通となる恐れがあるため、「安否確認システム」のような災害時の連絡を想定したシステムの導入を推奨します。

安否確認システムとは?

安否確認システムは、大人数の安否確認を行う用途に適したサービス。登録されているメールアドレス・アプリケーションにメッセージを送信し、受信者が安否情報を回答することにより管理元でデータを集計・閲覧できます。
弊社、トヨクモが提供している「安否確認サービス2」も、災害時の安否確認を想定して設計されたサービスの1つ。企業の安否確認に最適化されたシステムを実装しており、導入により回答率が60%から97%に改善されたケースもあります。
安否確認システムに関する、より詳しい情報は「安否確認システムとは?28サービスの比較からメリットまで徹底紹介!」でも解説しているので、本記事とあわせてご参照ください。

まとめ

あまり知られていない避難時の各指示は、ここまで解説したように全く異なる役割を持っています。これを知っている人と知らない人が混在すれば、災害時の対応が各自で変わってしまうため、正しい知識を周知することで全体の防災意識を高めなければなりません。

本記事をお読みいただいた皆さまには、ぜひ正確な情報を広めるご助力をお願いしたく思います。

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