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災害時はクラッシュ症候群に注意!起こる原因や対処法について解説

災害時によく耳にするクラッシュ症候群とは、どのような症状でしょうか。

クラッシュ症候群の概要や見分け方、その他災害時に引き起こされやすい怪我について解説します。対処法を知っておくことで、もしものときに役立つでしょう。

クラッシュ症候群(圧挫症候群)とは

クラッシュ症候群とは、どのような症状を指すのでしょうか。

ここでは症候群の概要や、起こりやすい現場について解説します。

クラッシュ症候群とは

クラッシュ症候群(クラッシュシンドローム/圧挫症候群)は、重いものに腰や腕などが長時間挟まれ、そのあと圧迫から急に解放されたときに起こる症状であり、重いものになると死亡に至ります。

日本では災害時に起こる場合が多く、瓦礫や車から無事に救出されたとしてもその数時間後に症状が出て死に至るケースがあります。

症状の特徴や、起こりやすい現場について知識を深めておく必要があるでしょう。

クラッシュ症候群が起こりやすい現場

クラッシュ症候群は、災害時に起こりやすい症状です。1995年1月17日に起こった「阪神・淡路大震災」で多くの死亡例があがり、その名が知れ渡りました。また、2024年1月1日に起こった「令和6年能登半島地震」でも死者が出て再び注意喚起がされています。

起こりやすい現場の特徴としては、災害時に瓦礫や重いものの下敷きになっている状況が挙げられます。

具体的には、以下の条件が一般的です。

  • 2時間以上同じ部位が重いもので圧迫されている
  • 筋肉量の多い部分(足や腿など)が圧迫されている

しかし、過去には1時間程度の圧迫でもクラッシュ症候群が発症するケースもあったため、圧迫されている時間に関係なく警戒しましょう。

クラッシュ症候群が起こる原因

災害時、瓦礫や車など重たいものによって筋肉が長時間圧迫されると、筋肉細胞の破壊や壊死が起こり、ミオグロビンやカリウムなどの有害物質がその部分に蓄積されます。圧迫していた重いものを除去して筋肉や血管が解放されると、それらの有害物質が一気に流れ出し全身を巡ります。

有害物質が流れ出して起こりやすい症状としては、急性腎不全や高カリウム血症、腎不全などがあり、死に至るケースも少なくありません。とくに心臓や腎臓への負担が大きく、下肢の局所では極度の腫脹によるコンパートメント症候群を発症する場合もあります。

負傷者の年齢に関係なく症状が現れるため、若い世代も気をつける必要があります。

クラッシュ症候群の治療法について

クラッシュ症候群は、瓦礫の下から助け出す前から治療が必要な症状です。

瓦礫を除去していない状態で、カリウムが含まれていない生理食塩水の輸液を開始します。圧迫が解除される前から輸液を開始することで、血液中の毒素濃度を薄めることが可能です。もし、経口でも水分補給ができる状況であれば、積極的に摂取してもらいましょう。

十分に水分を摂取したあと、さまざまな状況に備えて心電図モニターの装着や除細動の準備をしてから救出に取り掛かります。

負傷者を救出したあとは、できる限り早く血液透析・血漿交換などの血液浄化療法を施せる病院へ搬送しましょう。搬送後も適切な治療と経過観察を行うことで、クラッシュ症候群の発症を防げます。

救助というと、早急に行うイメージがあります。しかし、クラッシュ症候群の危険性がある負傷者をむやみに瓦礫から救出することは、最善の策ではありません。

その場でできる治療を施し、患者の状態を安定させてから救出することで、クラッシュ症候群の発生率を下げられます。

災害時クラッシュ症候群らしき症状の人を見つけたら

災害時、クラッシュ症候群の危険性がある被災者を見かけた場合、どのように対処すればいいでしょうか。

ここからは、クラッシュ症候群の見分け方と応急処置方法について解説します。

クラッシュ症候群の見分け方

クラッシュ症候群は、発症するおそれがある人を見つけたときから治療を開始する必要があります。前述したように瓦礫に挟まれている状態のときから治療を開始することで、そのあとの救出や病院での治療をスムーズに行えます。

以下のような人を被災地で見かけた場合、クラッシュ症候群を疑いましょう。

  • 2時間以上同じ体勢で挟まれている
  • 挟まれている部分が点状に出血している
  • 挟まれている感覚がないと言っている
  • 挟まれている部分に痛みがなく、動かないと言っている

瓦礫や車に下半身のみ挟まれていて、声は出せるが抜け出せない人も多くいます。そのような人を見かけた場合は、声をかけて「どの部分が動かないか」「感覚はあるか」「いつからこの状態であるか」を確認しましょう。

市民ができる応急処置と対処法

前述したクラッシュ症候群の見分け方から、危険性が高いと判断した場合は応急処置を開始しましょう。

搬送を依頼する前に、患者の血中濃度を下げる必要があります。経口補水で水分を体内にできるだけ入れて、カリウムの濃度を下げましょう。水分を摂取している間は決して瓦礫や車を動かさず、挟まれた状態で行うことが大切です。

その間に、他の方にお願いしてレスキューを呼びます。レスキューを待つ間は、体温が低下しないように保温しましょう。また、圧迫されている部分やその時間について、できるだけ記録を残しておくと医療従事者にとって治療における重要な資料になります。

緊急事態に使用される心臓マッサージや除細動などの処置は、根本の処置にはなりません。その場で心拍が再開したとしても、人工透析を行わなければ原因物質は取り除けないためです。

その他、災害時になりやすい怪我や症状

災害時は、クラッシュ症候群の他にもなりやすい怪我や症状がいくつかあります。

ここでは、それぞれの特徴や予防法を把握しておきましょう。

エコノミークラス症候群

エコノミー症候群は、車や飛行機などの空間が狭い場所で長時間過ごしているときに起こりやすい症状です。水分を取らずに窮屈な体制で固まっていると足に血栓ができ、その血栓が肺や脳、心臓などの血管に詰まることで呼吸困難・肺血栓・脳卒中などに陥ります。

症状としては、片足の痛み・むくみ・胸部の痛みなどがあります。しかし、ほとんど自覚症状が出ないため、多くの人が血栓ができて呼吸困難に陥るまで気がつきません。とくに、地震の被災地において車中泊を続ける人に多く見られる症状のため、気をつけましょう。

予防法としては、こまめな水分補給やストレッチが挙げられます。水分は、1日1ℓ以上を目安として摂取しましょう。また、こまめに体を動かすことも大切です。歩き回れる状況であれば、できる限り歩き血流を滞らせないようにします。

車中泊が続く場合は、足首をこまめに動かし足元に荷物を置いて足の位置を上げるなどして血栓を作りにくくします。

また、体を締め付けないような服装を心がけましょう。

火傷

地震が起こると火災が発生する場合も多く、火傷をする被災者もいます。

地震が起こった際は、すぐに火元を消して鍋などには触らず安全な場所に避難しましょう。コンロに鍋が乗っていて近づくと危険と判断した場合は、すぐに離れて、地震がおさまったあとに火を消し元栓も閉めてください。

もし火傷をした場合は、すぐに冷やします。流水で15分〜30分しっかり冷やすと患部の温度が下がり症状を軽くします。症状の程度や範囲によっては、さらに長い時間の冷却が必要です。

やけどを冷却する際、着用している衣服は脱がないようにしましょう。火傷をしている状態で無理に衣服を脱いでしまうと水疱が破れて痛みも強くなったり、より深い火傷になってしまったりする場合があります。

応急処置をしたあとは、すぐに皮膚科へ受診して適切な治療を受けましょう。

各種感染症

免疫力が低下し避難所の衛生状態が悪化すると、新型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症リスクが増大します。

避難所は、避難してきた人で密集状態になりやすく、断水や衛生用品不足が原因で感染症が起こりやすい環境です。避難所で感染症にかからないためには、徹底した手洗い・うがいや、食品の十分な加熱などが必要です。症状が蔓延しないためにも、一人ひとりの準備が必要です。日頃から準備しておく避難災害グッズには、手指消毒用アルコールやマスク、食品用ラップフィルムなどを入れておきましょう。

また、避難所を運営する際は、食品衛生管理やトイレの衛生管理、定期的な換気を心がけましょう。

クラッシュ症候群を防ぐためにも自分の位置情報を会社や家族に知らせる

災害時、自分の居場所を家族や会社の人に伝えるためには、情報発信や収集の手段を確保しておく必要があります。

電話やメールは電波障害が起こりすぐに連絡が取れなくなる可能性もあるため、安否確認システムの活用がおすすめです。

安否確認システムを活用する

安否確認システムを導入すると、通話回線が混雑しやすい災害発生時にも、従業員と連絡を取れます。すぐに被害状況を確認し、次のアクションを起こすためにも、安否確認システムを導入しておくのがおすすめです。

複数のシステムが販売されており、各システムによって使える機能やフォームへの回答方法が異なるため自社に合ったサービスを選びましょう。

トヨクモの『安否確認サービス2』は、災害が起こった際、自動で社員の安否確認を行い、そのあとの指示も出せるシステムです。LINE・専用アプリ・メールを通じて安否確認通知を発信し、社員は届いたメールのフォームに回答することで自分の状況を伝えられます。

大規模災害に巻き込まれている場合、その状況を伝える手段としても有効です。

クラッシュ症候群の正しい知識を得て処置対応を行おう!

クラッシュ症候群の特徴や予防法、治療の手順について解説しました。災害時、クラッシュ症候群の危険性がある被災者を見つけた場合は、迅速に初期治療を行い、病院への搬送を手助けしましょう。

クラッシュ症候群に正しく対応するには、負傷者が自分の状況を正確に伝えられることが重要です。自分の状況を伝えたり、社員の状況を把握したりするために、安否確認システムの導入をおすすめします。安否内容を回答する社員と、管理担当者の負担が少ないシステムを選びましょう。

安否確認サービス2』は、事前に登録をしておくことで、災害時に自動一斉送信ができる安否確認システムです。対策指示の共有や掲示板の活用もできるため、幅広い場面で活躍します。緊急時の従業員の安否確認に悩みをもっている危機管理担当者の方は、ぜひ検検討してください!

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