元来日本では地震や大雨、大雪、火山などさまざまな災害が人々のくらしを脅かしてきました。
最近では2022年3月16日におきた福島県沖地震(最大震度6強)が福島県、宮城県を中心に甚大な被害をもたらしました。
2010年以降に発生した災害補振り返ると、2011年3月に発生した東日本大震災からはじまり、御嶽山噴火や熊本地震、令和元年東日本台風など、大規模な災害の発生が続いています。
災害大国である日本において、日常から防災対策は欠かせません。
そこで今回は、みんなのBCP編集部 坂田健太さんの防災士養成研修と資格取得試験の受験までの様子をレポートにします。
受験のきっかけや資格取得の流れ、勉強の進め方など受験者の方必見の情報満載です!
目次
防災士試験 受験のきっかけ
仕事柄、防災について考えることが多いと思います。
防災士資格の取得を目指したきっかけは、仕事でしたか?
そうですね。
わたしは、『安否確認サービス2』の導入を検討するお客様のサポートや製品に関するセミナー、みんなのBCPの記事執筆をしています。そのため、企業防災を考えるお客様と接する機会が多いです。
企業防災はもちろんですが、防災に関する情報を集めてる方に対して「防災の情報を正しく伝えたい」と思い、防災について学習を始めたところ、防災士という資格があることを知り、資格取得を考えました。
防災士資格の取得の背景には「防災に関する情報を正しく伝えたい」という目的があるんですね。
はい。
それから、この「防災に関する情報を正しく伝えたい」には、仕事面以外の思いもあって….
中学生の時に地元(福島県)で東日本大震災を経験して「あの時こうしていれば、被害を抑えられたかもしれない」「〇〇があったら、水道、電気の復旧までもっと快適に生活ができた」など、防災の重要性を強く感じたため、「防災を自分ごととして捉えて取り組む人」を増やしたいです。
坂田さん自身の経験から防災の重要性に気づいたわけですね。
当時、わたしの祖父母が福島県に住んでいたので、東日本大震災で初めて大規模災害を身近に感じて恐怖したのと「防災はやはり必要なんだ!」と感じたことを思い出しました。
震災から時間が経つと当時の思いや考えがどうしても薄れてしまうので、福島県で被災したことを糧として世の中に対して被災の経験と防災の重要性を発信し続けたいですね。
めざせ、防災士!資格取得までの流れ
防災の重要性を強く感じました。
試験申し込みから資格取得までどの程度期間がかかりますか?資格取得を検討する人の中には、平時は仕事、休日は家族サービスのように時間をかけることができない人もいますよね。必要な時間と勉強方法などを教えてもらえますか?
わかりました!
防災士資格取得試験の申請から資格取得の流れまで7つのステップに分けて説明します。
①申し込み
防災士研修センターのサイトから都合の良い研修コースを選びます。
研修コースが確定したら、FAXもしくは、インターネットから申し込みします。
申し込みが完了したら、登録したメールアドレスに資格取得費用の入金案内が届きます。
費用を振り込んだら、申し込みが完了し防災士養成研修講座と図上訓練、資格取得試験の日程が確定します。
費用総額は60,920円とやや高めです…
【内訳】
防災士研修講座受講料:49,000円
消費税:3,920円
防災士資格取得試験受験料:3,000円(預り金)
防災士資格認証登録料:5,000円(預り金)
たしかに、やや費用が高いですね。(笑)
一点気になったのですが、研修コースの選択とは研修のカリキュラムが違うコースが複数あるということでしょうか?
いえ、全講座研修の内容は同じです。研修コースでは、日時や会場を選びます。
全講座研修の内容は同じなんですね!「日時や会場を選ぶ」手続きのイメージができました。
②課題学習
次に、課題学習についてです。
費用の振り込みが完了して、数日後に申し込み時に登録した住所へ防災士受講資料が届きます。
その中に….履修確認レポートがあり、講座・試験日までに作成して提出する必要があります。
防災士教本31項目中12項目は講義を受講するのですが、19項目は受講しないため履修レポートを作成して提出します。
坂田さんは、結婚されていてお子さんがいますよね!
履修確認レポートの作成や試験対策など研修・試験日までどのように学習を進めましたか?
受験者必見 勉強の進め方!
子どもたちの「遊ぼう」の誘いと戦いながら勉強を進めました。(笑)
わたしの場合、講習・試験日の12日前くらいに防災士受講資料が届いて、その日から1日2時間程度の勉強をしています。
1日2項目ずつ進めると9日間程度で履修確認レポートの作成が終わります。
履修確認レポートの作成が終わってから、3日間は防災士試験対策ブックに取り組みました。
個人的な感覚ですが10日間程度あれば試験の対策はバッチリできます!
なるほど、1日2時間程度の勉強時間を確保すれば履修確認レポートと試験対策が10日間でできるんですね!
③2日間の研修・試験
防災士養成研修講座と図上訓練、資格取得試験は2日間に分けて実施されるようです。
資格取得試験は2日目の最後の時限みたいですね!
まだ、講習、試験の前なので詳しい内容はわからないですよね…
受験後の話も詳しく聞かせて下さい!受験後のリアルな心境をレポートさせてもらいます。
絶対合格しましょう!
もちろんです!
合格できるよう、頑張らないと…
では、防災士資格取得までの流れを簡単に説明します。
④合否通知が届く
試験後10日前後に合格通知が届きます。
⑤救急救命講習の修了証を取得
防災士取得のためには、救急救命講習の修了証が必要になります。
救急救命講習は近くの消防本部や日本赤十字社などで受講ができます
日本防災士機構が防災士認定用件として認めている救急救命講習などの一覧はこちらより確認しましょう!
ポイント!
救急救命講習の修了証は防災士養成研修講座前に取得しても問題ありません。
防災士養成研修講座前に救急救命講習の修了証取得し、防災士養成研修講座中に提出することで⑥は不要となります!
⑥防災士認証登録
救急救命講習の修了証のコピーと証明写真を2枚、防災士認定登録申請書を資格試験時に配布される封筒に入れて防災士研修センターへ郵送します。
⑦防災士資格取得
2ヶ月から3ヶ月程度で防災士の認証状と防災士が登録住所に届き、はれて防災士となります!
講習の受講から防災士資格取得まで大まかな流れは理解することができました。
ありがとうございます!
防災士資格取得の意味
坂田さんがどのような考え思いで防災士資格の取得を目指しているのか、またどんな準備をしているのかを聞いて、明確な目的を持って資格取得に挑戦する必要があると感じました。
防災士を調べると多数の地方自治体で資格取得を推奨しており、なかには補助制度がある自治体もあります。
自治体による地域防災力向上の取り組みの一つとして、住民の方に「防災士」の資格取得を奨励しているようです。
自然災害が多発する日本に住む国民として「減災」という目的からこういった防災に関する資格取得などを通して、防災の正しい情報を学び、緊急事態において、適切に行動できる人になりたいですね。
発生が予測されている南海トラフ巨大地震などの大災害を生き抜くためにみなさんも防災士資格の受験をご検討されるのはいかがでしょうか。
次回は、防災士養成研修講座と図上訓練、資格取得試験後の感想を坂田さんに聞いてレポートします!