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災害対策の取り組み事例10選|日本企業に災害対策が必要な理由

頻発する災害に対し、企業には従業員の安全確保と事業継続の両立が求められます。本記事では、日本企業が災害対策に取り組むべき理由と、実際の事例10選を紹介し、災害への効果的な対策を解説します。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。

災害対策として行われている取り組み10選

災害は企業にさまざまなリスクをおよぼします。しかしながら、事前に災害によるリスクを理解し対策を行うことで回避できる場合もあります。そのために、日本の企業が実際に行っている災害対策の例を以下にて紹介致します。

①従業員へ勉強会を開催

企業の防災対策の問題点を資料で配布し、アンケートなどを通して従業員の防災対策に対する意識の向上を図る狙いで、勉強会を開催しています。また、資料を提供し、集団的地震対策について比較的進んだ取り組みをしている企業の事例を紹介しています。

アンケートでは、防災対策に対するノウハウや知識、対策を検討する時間がなく、対応策がないと回答した意見が多くみられました。このように災害対応への取り組みの進んだ企業の事例を学ぶことは、災害リスクを理解するために役立ちます。

参考:中小企業庁|企業集団の防災への取組事例

②BCP策定で防災と事業継続を強化

食品水産加工事業者の株式会社白謙蒲鉾店では、2011年の東日本大震災で被災した経験から事業継続活動の強化を図っています。従業員の6割が被災した経験から、2013年より人命を第一とした、BCP策定をスタートさせました。単なる事業優先ではなく、安全を配慮したうえで最善をつくすことに取り組んでいます。多岐にわたる訓練を日頃から行っており、2022年度の訓練は計182回に及んでいます。

従業員にどのように行動するべきかを主体性を持って考えてもらうことによって、従業員の意識を高めることに成功しています。結果的に、事前対策を講じることができる会社へ成長することに成功しています。

参考:内閣府|企業の災害対応における事例集

③代替品の準備で事業を継続

小熊建設株式会社は、窓ガラスや屋根が飛んでしまい復旧する際に頼む先として選んで貰えることを目標にしています。社長就任時には防災マニュアルもない、ゼロベースからのスタートでした。現在では、中小企業庁配布の提供するテンプレートのBCP策定から実業の実態に即した経営戦略としての、BCP策定に切り替え構築しています。

BCPとして、ガラスは発注後入荷までに日数がかかるので、応急処置としてダンボール・ベニヤ板をガラスの代わりとして貼り付けます。このように、窓ガラスの機能を代替品で用意し、お客様の要望にその日中に対応することを可能にしました。災害時は即座に完全な回復をすることは不可能ですが、このような状況を想定してベニヤ板やダンボールの在庫を多めに保持していたのです。結果的に、一時対応を迅速にすることでお客様の満足度を高めることに成功しました。

参考:静岡県|災害対応・BCP事例集

④自家発電機器で停電対策

沢根スプリング株式会社では、直前に停電を想定した訓練が功を奏し必要最低限の業務を継続することに成功しています。同社は以前から、防災マニュアルを作成し防災訓練を実施していましたが、東日本大震災を目の当たりにしてBCPを策定しました。

同社は経営理念として「会社を永続させる」を掲げており、この理念に基づきBCPが策定されています。

停電時に備えた切替え手順書を用意していたことが功を奏し、定番の在庫品や小ロットの手作り品については停電時にも、自家発電機の利用によってパソコンから受注を受けれる環境を整えています。

参考:静岡県|災害対応・BCP事例集

⑤自主的に防災訓練を実施

自主的に、防災訓練を実施することによって、防災対策を強化することが可能です。

さまざまな自然災害別にマニュアルを作成したり、企業のある地域の特色も考慮して作成するとよいでしょう。また、自社だけで防災訓練を実施するのでなく、防災関連企業を招いてプロ目線でのアドバイスを受けるとより、精度の高い防災訓練を実施することが可能です。

参考:洛和会ヘルスケアシステム|RC-DIG訓練

⑥災害時に安全な建物や街の建設

災害大国の日本にとって安心・安全が最重要テーマとする森ビルのプロジェクトで、災害時に逃げだす街から逃げ込める街への転換を提言し、実行されています。都市基盤設備の代表事例である六本木ヒルズは、民間では最大の市街地開発事業として、整備されました。災害時には、5000人の帰宅困難者の受け入れができるよう想定し、最大規模の備蓄品を備えています。

また、定期的に総合防災訓練が実施されており、地域の防災拠点として機能しています。

参考:森ビル株式会社|『逃げ出す街』から『逃げ込める街』へ 森ビルの総合震災対策

⑦情報をクラウドで共有

イオングループでは、災害発生時にグループ各社の連携をより一層強化できるよう情報インフラを整備しています。災害発生直後の通信状況でも問題なく通信サービスを利用するために、インターネットを経由したITツールを利用しています。

今後、安否確認システムとイオンBCM総合集約システムはより簡素化された、イオン災害報告システムへ切替えが行われる予定です。グループ内でシステムを共有することで、一元管理していく予定です。

参考:イオングループ 「BCMプロジェクト」

⑧バックアップを二重にして対策

東北を中心に約20店舗を出店するスーパーのマイヤでは、震災前は営業データは、本社だけに保存していました。同社はこの営業データから販売計画を立てていたため、震災でこのデータが消えてしまい、震災後に店舗を再開する際に販売計画の立案は容易ではありませんでした。しかしながら、東日本大震災を教訓にして内陸部にバックアップサーバーを設置することでデータを二重化しています。

将来に災害発生に直面してもこのバックアップを二重化することで、事業継続計画が以前より強化されているため迅速な復旧が可能です。

参考:NECソリューションイノベータ株式会社|徹底した企業防災で事業継続計画を 防災事例や取り組みを紹介

⑨地域に向けてイベントを実施

株式会社東京ガスは、企業と地域で連携して防災フェアを実施しました。

公益性の高いライフライン事業者の防災活動には、地域との協力や連携が不可欠であるとの考えから、2005年より地域住民と一体となり防災イベントを開催しています。内容としては、移動式ガス発生装置による炊き出しや、マイコンメーターの復帰操作訓練などです。

実際の災害を想定した訓練は地域住民にとって有益な知識と経験になるため、積極的な開催は地域の防災対策にも貢献しています。

参考:内閣府|「減災への取組」事例集

⑩他の企業と連携して情報共有

広島県ケーブルテレビ連絡協会とNHK広島拠点放送局との防災における連携協定では、災害発生時や緊急時に映像や情報の共有を行っています。

これには、広島県での災害発生時によって多くの人の生命と暮らしを守るために、情報を伝えることを目的としてあります。地域に特化したケーブルテレビ局との提携によって迅速な情報提供が可能となりました。

参考:内閣官房|国土強靱化

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なぜ日本企業に災害対策が求められるのか

日本は、災害大国で多くの自然災害のリスクが存在します。つまり、日本企業はできる限り災害の脅威に備えておく必要があります。

以下では、なぜ企業に災害対策が求められるのかという理由を、詳しく解説致します。

地震が多い環境であるため

日本は特に、地震による被害が多い国です。2022年の震度1以上の地震発生回数は、1,964回でした。そして、2011年には東日本大震災が、2016年には熊本地震が発生致しました。加えて、大地震が起きると余震や津波などが起こり、東日本大震災の時には関東の湾岸地域を中心に液状化現象も発生しました。

また、政府の見解では首都直下地震が30年以内に70%程度の確率で発生すると予測されています。このような背景もあり、国内全体で防災や安全配慮義務への意識が高まっています。

異常気象が多発しているため

近年では、地球温暖化の影響もあり多くの異常気象が見受けられます。この異常気象とは、今までとかけ離れた気温・気候が確認されることで日本の気象庁では、過去30年以上観測されなかったほど著しい値を示した場合と定義しています。

例えば、日本では近年の夏は異常なほどに猛暑日が続いたり、台風や豪雨の頻度が高くなりました。加えて、線状降水帯が相次いで発生したことによる、川の氾濫や土砂災害などの水害での被害も近年多発しています。

業務を早期復旧するため

災害発生時に、企業がリスク管理をしておらず災害への備えが不十分だった場合には、事業の復旧が大幅に遅れることになります。

企業にとって事業が迅速に復旧できないと取引先や顧客からの信頼を失う可能性があります。そのため、企業の事業継続を考慮し日頃から災害発生時のリスクについて具体的に考え、適切な災害対策を講じることが重要です。

災害発生時に、どのような優先度で業務復旧していくのかのチェックリストをあらかじめ作成することも、早期復旧のための対策になります。

法定・条例を遵守するため

企業は従業員に対し生命・身体の安全を確保して労働できるように安全配慮義務を課されています。

災害発生時においても、企業の従業員に対する安全配慮義務が、免除されるわけではありません。

東日本大震災発生後においても、被災した従業員や遺族から企業に対し適切な対応がなされなかったとして、安全配慮義務違反に対する訴訟が行われてました。このように訴訟につながってしまうと、安全配慮義務に対する責任を追求されるだけにとどまらず、顧客や取引先からの信用を失いかねません。

すなわち、企業は従業員に対して、安全配慮義務を負う責任があることを認識しておくことが必要です。

事業継続の観点から企業が行うべき対策

企業の防災対策には、従業員に対して人物的被害を最小にする防災としての観点だけでなく、災害発生時や緊急時にも企業活動を続ける事業継続の観点が必要です。

以下では、事業継続に必要な対策を解説致します。

BCPの策定

災害発生時や緊急時において、企業が求められる対策としてBCPの策定があります。このBCPとは、事業継続計画(Business Continuity Plan)の略称です。

緊急事態においても企業は事業資産の損失を最小限に抑えるために、BCPを策定しておくことが求められています。具体的な内容としては、事業継続のために優先して復旧する中核となる業務を選定したり、復旧までの手順や復旧までにかかる時間を想定しておく必要があります。

安否確認システムの導入

上述したBCPを、サポートをしてくれるツールとして、最近企業から注目されているものが安否確認システムです。

災害発生時や緊急時に従業員の安否を、迅速に確認するためのシステムです。

従業員に対する安否確認の実施から、集計まで自動で行われるため管理者の手間を省くことができ緊急時に、優先すべき中核業務への注力が可能です。

BCP策定のサポートには、安否確認システムの導入をおすすめします。トヨクモ株式会社の「安否確認サービス2」は、少ない手順での安否確認が可能なだけでなく災害後の対策指示や平常時の情報共有にも活用可能です。

在宅勤務環境の構築

災害発生時や緊急時において、事業を継続させるためには、在宅勤務を可能にしておく必要があります。

最近では、新型コロナウイルス感染症の流行によって、一時的に社会全体が停止状態に陥りました。

このような場合には、在宅勤務の環境が構築されている企業とそうでない企業では業務復旧に大きな差が生じます。つまり、災害発生時にもオフィスが被災した場合を想定しておくと在宅勤務ができる事業は継続しやすくなります。

または、バックアップオフィスを持つことも非常に有効です。

まとめ

今回の記事では、災害大国である日本で企業が取り組むべき災害対策と理由をまとめて解説致しました。

企業が災害発生時のリスクを理解し、適切な災害対策をし企業と従業員の安全を確保することは、今後の企業の事業継続にとって必要不可欠です。そのためにもBCPの策定や安否確認システムの導入を企業の災害対策として検討することを、おすすめします。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。