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レピュテーションリスクとは?原因と予防策、対処法をご紹介!

レピュテーションリスクとは?原因と予防策、対処法をご紹介!

この記事では、レピュテーションリスクの影響、原因、予防策、対処法などについて解説します。SNSで個人の情報発信力が高まっている現代、企業はレピュテーションリスクを抱えています。レピュテーションリスクの予防策や対処法を講じれば、事業の安定や損失の最小化につなげられるでしょう。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。

レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクの定義や企業に及ぼす影響について解説します。レピュテーションリスクが事業継続に与えるデメリットを知りましょう。

レピュテーションリスクは「評価と信用のリスク」

レピュテーションリスクとは、自社のネガティブな評判や評価が広まり、企業の信用やブランド価値が低下するリスクのことです。

レピュテーションリスクが注目される理由は、インターネットやSNSの普及により、個々人の情報拡散力が高まっているためです。レピュテーション(評判)はSNS炎上や内部告発によって低下する危険があるため、マネジメントの重要性が増しています。

(参考:法務省人権擁護局「ビジネスと人権への対応 詳細版」

レピュテーションリスクがもたらす危険性

レピュテーションリスクによってブランドのイメージや信頼が低下すると、さまざまなデメリットが生じます。信用や損失は容易に取り戻せず、廃業に至る可能性もあるでしょう。

消費者の商品購入やサービス利用が減少すれば、企業の収益や価値は下がります。重大な問題の場合、賠償金支払いや商品のリコールによる損失も考えられます。免許停止や業務停止命令を受けると、事業継続に多大な影響を及ぼすでしょう。

失った信用を回復するための広告宣伝や、問題解決にかかる専門家報酬も費用面の損失です。

また、レピュテーションリスクが採用に影響し、優秀な人材が集まらない可能性もあります。これは、求職者は企業のHPやSNSで評価を事前にチェックして就職活動するためです。

レピュテーションリスクの原因になり得るもの

レピュテーションリスクの原因について解説します。SNSで個人が容易に発信できる現代、企業は多様なリスクにさらされているのです。

商品やサービスの欠陥

商品やサービスの欠陥はレピュテーションリスクと言えます。消費者の悪い口コミがSNSで発信されると、他の消費者により拡散されてしまうためです。

商品やサービスの欠陥例として次が挙げられます。

  • 商品の耐久性不足
  • 商品の不具合、広告イメージ画像との剥離
  • 景品表示法違反や産地偽装などの不正
  • 味の変化や異物混入

商品に欠陥がなくても、デマによって風評被害を受けるケースもあります。

社内の人間トラブル

従業員が社内のハラスメントをSNS上で告発すると、事実関係に関わらず企業の信用は失われます。主なハラスメントはパワハラ、セクハラ、マタハラなどです。差別やジェンダー対応の問題は、とくにレピュテーションリスクの原因となりやすいでしょう。

「ハラスメントがある企業」のようなイメージが生まれると、「この企業のサービスや商品を利用するのは避けよう」という消費者心理につながります。

社内の労働環境

労働環境に関して、従業員や退職者がSNSにネガティブな書き込みをするかもしれません。

たとえば、長時間労働や深夜労働をさせる「ブラック企業」と書き込まれると、取引先との関係や採用活動に影響します。また、脱税や横領など経営陣による不祥事や、インサイダー取引や相場操縦などの告発は、社会の反感を買いイメージ低下につながります。

従業員の顧客対応

顧客に不満を抱かせる従業員の態度もまた、レピュテーションリスクです。スタッフによる「バイトテロ」のリスクもあります。

たとえば、大手ピザチェーンのフランチャイズ店では、アルバイトスタッフが厨房の冷蔵庫に身体を入れてふざけていたという事例があります。その動画がインターネット上に投稿され、動画を見た消費者から「不衛生だ」と批判され、事業運営本部が謝罪文を発表する事態に陥りました。しかし、信用は回復せず、最終的に店は破産してしまいます。

SNSでの発信内容

企業の公式SNSで発信する内容が常識に欠けていたり、一定の層を誹謗中傷するものだったりすると、企業のイメージ悪化につながります。多くの企業がPR目的でSNSを活用していますが、発信内容によっては人に不快感を与えるでしょう。

たとえば肌着メーカーの公式SNSにて、タイツを履いてポーズする女性のイラストが性的だと批判されました。これは公式アカウントからの発信が不適切と評価され、炎上につながったケースです。

著名人やインフルエンサーの発言

商品やサービスに対して、著名人やインフルエンサーが批判的な意見をすると、企業の評判に影響を与えます。消費者は自分が気に入ったインフルエンサーの情報を信頼するためです。インフルエンサーとは、人々の考えや行動に大きな影響を与える人です。

また、商品のPRを依頼したインフルエンサーが炎上すると、商品や企業の評判にも影響するでしょう。注意すべきなのは、YouTuberやインスタグラマーなどの多くは一般人であることです。芸能事務所からコンプライアンス教育や管理を受けていないため、発信内容の制御が難しいと言えます。

レピュテーションリスクの予防策

レピュテーションリスクを予防する手段について紹介します。適切な予防策を講じれば、リスク回避と事業の安定を期待できます。

現状の把握

レピュテーションリスクの多くは、インターネットの情報拡散が原因です。インターネット上の自社に関する口コミや評判をもとに、現状を把握することが重要です。

最近は「インターネット監視サービス」を提供する会社が増えています。これはインターネット上の悪評、誹謗中傷、デマなどを把握できるサービスです。これらを監視することで、リスクによる損失を抑えられるでしょう。

社員教育

従業員の不祥事を防止するために、コンプライアンス研修を実施しましょう。従業員の不祥事は、インターネットリテラシー不足や情報セキュリティの認識不足に起因することが多いためです。

コンプライアンス研修の内容例は次のとおりです。

  • 個人情報保護:情報が流出したときのリスク、個人が受ける処分の重さを共有し、保護に対する意識を向上
  • SNSの取り扱い:コンプライアンス違反のリスク、個人にふりかかる損害賠償を事例をもとに説明
  • ハラスメント防止:管理職世代を中心にハラスメントへの注意喚起

社内規範の徹底

社内規範や危機管理マニュアルを整備します。

社内規範はコンプライアンスを強化する目的があります。法令の水準を上回るルールを整備し、違反のリスクを低下させましょう。社内の撮影禁止や機密情報の定義を明示し、インターネットや第三者への流出を防止するのです。

レピュテーションリスクが起こる前に、危機管理マニュアルも作成します。リスク発生時の組織体制や対応策を定めておけば、スムーズな対応が可能です。

社内の監視体制の強化

社内で規範やコンプライアンス違反がないか監視し合う体制を整えます。現場の業務内容は現場担当者、法務、経理、内部監査部門など複数でのチェックが望ましいでしょう。

取締役会をとおした経営陣相互間の監視や監督も不可欠です。不正の見逃しや内部の圧力を防ぐためには、専門機関や監視事業者など第三者による監視システムが有効です。

社員や取引先が反社会組織と関わると、レピュテーションリスクにつながる可能性があります。事前調査によってリスクを回避しましょう。

会社の理念を明確化

企業理念を社内外に発信し「よい企業」として認識されれば、レピュテーションリスクの回避につながります。

企業理念とは会社が重視している考え方や方針のことです。魅力ある企業理念を打ち出せば、イメージの向上や競合他社との差別化ができるでしょう。新たな人材、顧客、ビジネスの獲得にも好影響を与えます。

企業理念が軸になれば、危機に陥ったときも一貫した対応ができるでしょう。社内に企業理念を浸透させて共有すると、従業員は理念に即した判断や行動をし、レピュテーションリスクの予防ができます。

レピュテーションリスクが発生したときの対処法

レピュテーションリスクが発生した際は、迅速な初動対応が重要です。対処法を実践すれば、レピュテーションリスク発生による損失を最小化できます。

迅速に情報の真偽や原因を究明

レピュテーションリスクを察知したら、事実関係や被害状況を把握し、原因を究明しましょう。危機管理マニュアルに即して対応することが重要です。初動対応が遅れると、損失も大きくなってしまいます。

信頼できる情報源から情報を把握したり、第三者に調査を依頼したりすることがおすすめです。誤解をまねく情報やデマが錯綜すると、混乱につながります。

正しい情報の公開

不祥事、不正、デマが発生したときは、正しい情報や事実を迅速に公開します。事実を隠すと、やがて発覚した際に大きな批判を受けるためです。公開の方法としてはWebサイトや会見が挙げられます。

公開内容の選択や会社の責任言及について、当事者である会社は適切な判断をすることが難しいものです。顧問弁護士や専門事業者など第三者の意見をもとに判断しましょう。

事業関係者への説明

レピュテーションリスクが発生すると、取引先や株主の不安は増大します。取引先が契約を打ち切ったり、株価が暴落したりする可能性があります。

取引先や株主が事象について知る前に、事実や対応状況の説明をしましょう。ホームページにはIR資料を頻繁に掲載して、不安を取り除くことに努めます。

再発防止策の立案と実施

不祥事の原因を究明したら、再発防止策を作って公表しましょう。組織の見直し、制度の強化、教育の充実などの策を講じます。同様のミスは二度と起こさない姿勢を、会社のホームページやプレスリリースなどで発信してください。

その際、弁護士や有識者などで構成される第三者委員会を介した再発防止策の作成が望ましいでしょう。

不祥事が発生した会社だけでなく、親会社やグループ企業全体での再発防止が重要です。

レピュテーションリスクはマネジメントが重要

今回はレピュテーションリスクが事業継続に与えるデメリット、原因、対処方法について解説しました。

レピュテーションリスクによってブランドのイメージや信頼が落ちると、収益や企業価値の低下をまねく危険性があります。レピュテーションリスクの原因は、商品の欠陥や労働環境にまつわるトラブルなどです。

レピュテーションリスクを予防するには、現状を把握したり、社員教育でコンプライアンスへの意識を高めたりすることが重要です。発生してしまった場合は、情報の把握と公開をし、適切な再発防止策を講じましょう。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
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