日本でも徐々に感染拡大が確認されている、新型コロナウイルス 。
様々なイベントや企画が中止となり、大多数の企業がその対応に追われています。
帝国データバンクの発表では、上場企業50社が売上の下方修正を発表し、その総額は4,064億円を超えました。
事業に甚大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス。
今回みんなのBCPでは、みなさまの事業継続計画(BCP)の一助になればと思い、4597名に対して緊急の調査を行いました。
その中から回答いただいた356名の結果を、本記事にレポートとしてまとめましたのでご覧ください。
Q.新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、なにかしらの対策や従業員への通知を行いましたか?
まずは、各企業が対策を行ったかについて聞き取りをしました。
「Q.新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、なにかしらの対策や従業員への通知を行いましたか?」
ーーはい(93.4%)
ーーいいえ(6.6%)
これは予想通り、コロナウイルス対策や通知を行った企業が93.4%と、非常に高い数値となりました。
Q.どのような対策や通知を行いましたか?
それでは、各企業がどのような対策や周知を行ったか見ていきたいと思います。
「Q.どのような対策や通知を行いましたか?」
ーーアルコール消毒の設置(20.2%)
ーーマスク着用の奨励(18.6%)
ーー不要・不急の会議を自粛(15.1%)
ーーセミナーやイベントの延期や中止(13.8%)
ーー時差出勤の実施(12%)
ーー検温の実施(8.5%)
ーーテレワーク(リモートワーク)の実施(6.6%)
ーー商談のオンライン化(3.1%)
ーーその他(2.2%)
アルコール消毒の設置やマスク着用の奨励など、手軽に実施・対策できるものに次いで、不要不急の会議の自粛とセミナーやイベントの中止や延期が、ほぼ同率で並ぶ結果となりました。
体温測定の実施は、わずか8%
調査結果で意外だったのは、空港やイベント会場などで当たり前になっている、体温測定を行っている企業が非常に少なかったことです。
これは、全従業員に体温測定実施するよう通知を行い、測定した体温の回答を受け取る体制やツールが整っていないことが原因と考えられます。
体温の測定を習慣づけて報告させるのは、感染拡大を防止するための第一歩となります。
アンケート付きの一斉配信ができる安否確認システムなどがあれば、体温測定の実施などが簡単に行えます。
【かんたん体温測定】新型コロナ対策に役立つ!緊急連絡網・安否確認システムの活用法5例
上記のページでは、新型コロナウイルスをはじめとしたパンデミック時の、緊急連絡網・安否確認システムの活用例が紹介されています。
Q.周知はどのように行いましたか?
では、決定した対策をどのように周知したか、ここでは【正社員・パートやアルバイト等の非正規社員・派遣社員や業務委託】の3つのセグメントに分けて見ていきたいと思います。
周知方法 | メール | 社内システムの 掲示板 | 口頭 | 印刷物の掲示 | チャットツール | 緊急連絡網や 安否確認システム | その他 | 周知していない |
正社員 | 58.4% | 59.6% | 48.3% | 39.3% | 6.2% | 4.5% | 2.2% | − |
非正規社員 | 37.2% | 46% | 50.9% | 35.8% | 6.3% | 3.4% | 11.1% | 2.6% |
派遣・業務委託 | 36% | 35.1% | 52.8% | 29.2% | 5.1% | 2.8% | 9.3% | 9.3% |
正社員への周知方法では、メールと社内システムの掲示板が過半数を超えており、補助的に口頭や印刷物掲示を行っていることが分かります。
対して、パートやアルバイト等の非正規社員や派遣社員への周知方法は「口頭」というのが最も多く、業務時間外に緊急に一斉連絡しなければならない状態になっても出来ない、ということが浮き彫りになりました。
今回の新型コロナウイルス(COVID-19)は2019年11月に発生が確認され、その後全世界で急速に感染が拡大し、刻々と状況が変化していきました。
発生から2020年2月末までに起こった出来事を追いながら、どういったタイミングで新たな対策や周知ができたのか、★印を付けてみたので確認していきましょう。
【2019年】
12月 8日 中国の中部にある湖北省武漢市で、肺炎患者から新型コロナウイルスが確認される。
12月31日 中国当局から世界保健機関(WHO)に、原因不明の肺炎が発生したことが報告される。
【2020年】
1月 1日 武漢市の華南海鮮卸売市場が閉鎖される。
1月 9日 新型コロナウイルスによる肺炎で、中国で初の死者が確認される。
1月16日 ★神奈川県内で、新型コロナウイルスに感染している中国人男性が確認される。
ーーーー> この頃から、アルコール消毒の設置やマスク着用の奨励され始めました。
1月23日 武漢市を閉鎖。全日空など複数の航空会社が、武漢市への運行を停止する。
1月24日 日本政府が武漢市を含む、中国湖北省への渡航を中止するように勧告を出す。
1月27日 日本政府が新型コロナウイルスによる肺炎を「指定感染症」に指定すると発表。
1月28日 ★厚生労働省が「無症状の患者からのヒトヒト感染を否定はしきれない」と発表。
ーーーー> 一部の企業で、テレワークや時差出勤の実施などが行われ始めました。
1月29日 日本政府が手配したチャーター機で、武漢市から206人が帰国。
1月31日 世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言。
2月 1日 チャーター便で帰国した日本人3人から、新型コロナウイルスへの感染が確認される。
2月 4日 乗客・乗員3711名を乗せた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の寄港中止。
2月 8日 武漢市で、60代の日本人男性が新型コロナウイルスによる肺炎で死亡。日本人では初の死者となる。
2月13日 ★東京都で初めて、中国への渡航歴のない男性への感染が確認される。同日、日本国内で初めての死者が確認される。
ーーーー> 不要不急の会議を自粛する動きが加速し、企業が主催する展示会やセミナーなどが中止され始めました。
2月17日 東京マラソン2020の、一般ランナー参加中止が発表される。
2月25日 ★日本政府が、新型コロナウイルス対策の基本方針を発表する。
ーーーー> 国や自治体が主催するイベントなどの中止が相次ぎ、多くの企業がそれにならって、セミナーや商談の中止及びオンライン化を行いました。
2月26日 日本政府が、今後2週間のスポーツイベントや文化イベントの、中止及び延期を要請する。
2月27日 日本政府が全国の小学校・中学校・高校に対し、3月2日〜春休みまで休校するよう要請する。
このように刻々と変化する状況の中で、企業の担当者は都度判断を行い、決定した内容を迅速に周知していく必要があるといえます。
そのことを実感した方が多い為か、以下の「今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、導入をした又は導入を検討しているシステムはありますか?」というアンケートでは、導入や検討はしていないという回答に次いで「緊急連絡網や安否確認システム」という回答が多かったという結果となりました。
Q.今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、導入をした又は導入を検討しているシステムはありますか?
「Q.今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、導入をした又は導入を検討しているシステムはありますか?
ーー導入や検討はしていない(45.7%)
ーー緊急連絡網や安否確認システム(19.3%)
ーーウェブ会議システム(13.3%)
ーー掲示板などを備えたグループウェア(7.5%)
ーーチャットツール(5.8%)
ーーその他(8.3%)
前出の「周知はどのように行いましたか?」にて、メールや掲示板で周知を行ったと回答した企業でも、このアンケートでは「緊急連絡網や安否確認システムを導入した、検討している」に回答が集まりました。
背景には、企業の担当者が収集したアドレスによるメーリングリストでは、アドレスの正確性やアンケート集計には難があったり、社内システムの掲示板は気づいてもらいずらい、社外からアクセスできないなどといった問題があるように見受けられます。
企業は、どう備えていくべきか
これまでテレワークは、働き方改革の一環としての意味合いが大きく、先進的な企業で行われていくものというイメージが強くありました。
しかし、新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに、不測の事態に備えて在宅勤務を始めとしたテレワークや、商談やセミナーのオンライン化へ対応できることは、BCP(事業継続計画)の観点からも重要だということを、改めて認識させられた形となりました。
同時に、意思決定した内容を迅速に社内へ展開して浸透させるには、正社員やアルバイト等を問わず、統一された連絡ツールが必要となります。
こういった対応は、今回のような新興型感染症が発生した時だけでなく、地震によってオフィスが機能しなくなった際や、台風などによって停電した際も非常に有効となります。
みんなのBCPでは、新型コロナウイルス対策として、無料でサービスを提供しているシステムをまとめた記事を紹介しております。
緊急連絡網のシステムをはじめ、リモートデスクトップやWeb会議ツールなど、期間限定ではありますが無料で利用できるシステムを多数紹介しておりますので、ぜひご覧ください。