災害発生直後の72時間は人命救助のタイムリミットと言われており、迅速な初動が欠かせません。また、企業にとってもその後の事業復旧に関わる大事な時期であるため、事前に準備を整え、適切な対応策を講じることが求められます。
この記事では、災害後の72時間を重要視する理由を解説します。企業における72時間の壁の乗り越え方も紹介しているので、あわせて参考にしてください。
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目次
災害時における「72時間の壁」の重要性
災害発生後の72時間は「黄金の72時間」と呼ばれ、人命救助のタイムリミットと言われています。72時間を過ぎると生存率が大幅に低下するため、迅速な人命救助が不可欠です。
実際、2011年に発生した東日本大震災では地震発生から72時間が経過したころを境目として、人命救助者数は大きく減少しています。
また、人が飲まず食わずで生き延びられる限界が72時間とも言われていることも、災害発生後の72時間が重要視されている一因です。このように、災害発生後の72時間は人命に大きな影響をもたらすため、時間との勝負だと言われています。
企業が災害発生後72時間にすべき行動
災害が発生したら、従業員の身の安全を確保しましょう。通勤途中であれば最寄りの避難所へ行くなど、身の安全を最優先にした行動が重要です。無理に通勤すると帰宅困難者になって、二次被害を招く恐れがあります。
また、業務中に災害が発生した場合は、自社内での待機を検討しましょう。「家族が心配だから」や「自宅の状況を知りたいから」などを理由に無理な行動をすると、救助災害の妨げになる可能性があります。先ほど紹介したとおり、災害後の72時間は人命救助において極めて重要な時間であるため、被害を拡大しない行動が必須です。
なお、企業における災害後72時間は従業員の身の安全を確保しつつ、事業の早期復旧に向けた行動も欠かせません。したがって、企業が災害発生後72時間の間にすべき行動は、以下のとおりです。
- 災害に合わせて適切な状況判断を行う
- 災害発生直後の初動を迅速に行う
- 早期事業復旧に向けての対策を行う
それぞれについて解説します。
災害に合わせて適切な状況判断を行う
発生した災害によって企業に求められる行動は変わります。ここでは、以下の3つの災害を参考に、取るべき行動をチェックしましょう。
- 地震
- 停電
- 台風
地震
勤務中に地震が起きた場合は、従業員1人ひとりの身の安全を確保しましょう。大きな揺れが続いている間は、机などの下に隠れて落下物から身を守るべきです。揺れが収まっても余震の発生が考えられるため、屋外への避難経路を確保しておくことも重要です。
また、地震によって帰宅が困難な場合は、自社内での待機も検討すべきでしょう。地震によって交通機関が乱れることも予想でき、二次被災を起こさない行動が必要です。
なお、地震による重傷者が出た場合は必要に応じて手当てをしたり、緊急搬送したりすることも検討してください。大規模地震の場合、すぐに救急車を呼ぶことは困難なため、搬送方法をあらかじめて決めておくと迅速に行動できます。
停電
大規模な停電が発生すると交通機関がストップし、帰宅困難者が多く出る可能性があります。そのため、停電の早期復旧が見込めない場合は自社内で待機して、状況が落ち着くのを待つべきです。
停電が発生すると空調管理ができず、従業員が体調を崩す恐れがあります。電気が止まったときに備えて保冷材やうちわ、毛布などを準備しておきましょう。
台風
台風は上記の災害とは異なり、あらかじめ被害の発生を予想できます。したがって台風が接近しているときは無理に出勤せず、自宅待機やリモートワークなどを取り入れるといいでしょう。
勤務中に予想以上の被害が生じ、交通機関が止まったり停電などの被害が発生したりするかもしれません。そのような場合、無理に通勤すると帰宅困難者となり、二次被害を引き起こす恐れがあります。
災害発生直後の初動を迅速に行う
災害が発生したときは、迅速な初動が必須です。特に、以下の2つをすみやかに行うといいでしょう。
- 従業員の安否確認を行う
- 被害状況を収集する
それぞれについて解説します。
従業員の安否確認を行う
災害が発生したときは、迅速に従業員の安否確認を行いましょう。企業には従業員の安全を守る義務があり、災害時も例外ではありません。そのため、迅速な安否確認を実施し、状況に応じた対策を講じる必要があります。
なお、従業員の安否確認は電話やメール、安否確認システムを活用するなど、さまざまな方法があります。自社に合った方法を決めておき、いつ災害が起きてもいいように備えておきましょう。安否確認の具体的な手順については、以下の記事を参考にしてください。
被害状況を収集する
災害後の72時間を乗り越えるためには、被害状況の確認は欠かせません。
「何人の従業員が緊急対応できるか」や「自社での業務遂行は可能か」などを把握することによって、今後の対策が左右されるからです。従業員だけではなく企業自体を守るためにも、すみやかに被害状況を把握しましょう。
さらに、被害状況を把握できると企業としてできる支援もあるかもしれません。多くの人命を守りながら早期復旧を目指していきましょう。
早期事業復旧に向けての対策を行う
災害が起きたときは、早急に事業復旧に向けて対策を行う必要があります。初動が遅れるほど事業復旧までに時間を要してしまうからです。事前準備で作成した防災マニュアルやBCPを活用しながら、今すべき対策を考えていきましょう。
企業が災害後72時間を無事に乗り切るための事前準備
前述のとおり、企業における災害後72時間は従業員の身を守りながら、事業の早期復旧に向けた取り組みを行うことが必須です。迅速な初動が人命救助や事業継続に大きな影響をもたらすと言えるでしょう。
なお、災害時に迅速な初動を行うためには、事前準備が欠かせません。具体的には、以下のような事前準備を行っておきましょう。
- BCPを策定する
- 防災グッズを用意する
それぞれについて解説します。
BCPを策定する
災害後の72時間を乗り越えるためには、BCPの策定も欠かせません。BCPとは事業継続計画のことで、災害やテロなどの緊急事態が発生したときに被害を最小限に抑えつつ、事業を継続する方法をまとめたものです。
災害発生時は何が起こるか予想できず、冷静な判断力を失う可能性もあります。間違った判断を下してしまうと従業員の命を守れなかったり、事業の早期復旧のハードルが上がったりといった問題も起こるかもしれません。あらかじめBCPを策定しておくと「今何をすべきか」が明確になるため、次の一手を出しやすくなり、企業としての損失を抑えやすいでしょう。
なお、BCPを策定した場合は、その内容をすべての従業員に周知させたり、定期的に避難訓練を実施したりすることが大切です。たとえ有効なBCPを策定できても従業員に周知していなければ、災害時に活かせないからです。また、周知していても実際に行動できなければ意味がないため、避難訓練を通して災害時の行動を予習しておくとより安心でしょう。
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防災グッズを用意する
災害後の72時間を乗り切るためには、防災グッズの備えも必須です。業務中に災害が発生し、自社内で待機する場合、必要最低限の備えがなければ72時間を乗り越えるのは難しいでしょう。全従業員が72時間乗り越えられるよう、防災グッズの種類と量を把握したうえで、必要なものを揃えてください。
また、2011年に発生した東日本大震災をきっかけに内閣府は、東京都帰宅困難者対策条例を発表しており、そこには以下のように記されています。
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の三日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します。
(引用「東京都広報 平成24年3月30日」)
つまり、上記の条例では災害後72時間に相当する3日分の防災グッズを備える努力義務を課しており、企業においても従業員を守るために備えるべきと言えるでしょう。全従業員が自社内で72時間を過ごすことを想定したうえで、必要な防災グッズの種類や量を見極めてください。
なお、企業における防災グッズの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。災害への備えをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
災害への備えにはトヨクモの『安否確認サービス2』がおすすめ
災害後の72時間をスムーズに乗り越えるためには、トヨクモが提供する『安否確認サービス2』を活用しましょう。あらゆる魅力があるものの、とくにおすすめしたいポイントは以下の3つです。
- 自動で安否確認・被害情報の確認を行える
- BCPに必須の機能が搭載されている
- 年に1回全国一斉訓練を実施している
それぞれについて解説します。
自動で安否確認・被害情報の確認を行える
安否確認サービス2は、気象庁の情報と連動して従業員の安否確認を自動で行えます。事前に登録したメールアドレスや専用アプリなどに通知できるため「安否確認の通知が届かない」といったトラブルを未然に防げます。通知に記載してあるログインURLをクリックするだけで、被害状況を回答できるため混乱状況であっても活用しやすいです。
さらに、従業員からの回答結果も自動で集計・分析を行えるため、安否確認をしながら迅速に被害状況を把握できます。また、安否確認だけではなく、掲示板機能を活用すると各拠点の被害情報を収集しやすくなり、迅速な初動も可能となります。
BCPに必須の機能が搭載されている
安否確認サービス2には、BCPに必須の機能が搭載されています。
たとえば、前述した災害発生時に自動で安否確認のメッセージを送る安否確認機能に加えて、掲示板機能があります。すべての従業員が閲覧できる掲示板機能を活用すると、自社で共有したい情報を管理しやすくなります。
メッセージ機能は宛先に指定したユーザーのみが閲覧できるため、今後の対策を協議する際にも利用できるでしょう。一斉メールを活用すれば、今後の対策を全従業員に周知させることも可能です。
このように、安否確認サービス2を導入すると従業員を守りながら、事業の早期復旧を目指せます。
年に1回全国一斉訓練を実施している
安否確認サービス2では、毎年9月1日に全国一斉訓練を実施しています。実施日と時間帯のみを公開しているため、実際の災害時と同じような状態で訓練を行えます。そのため、策定したBCPや防災マニュアルが有効であるかを確認する際にも役立てられるでしょう。
なお、全国一斉訓練を通して、システムが安定稼働できるかどうかもチェックしています。定期的な確認を行うことによって、災害時をはじめとする緊急時も安心して利用できるでしょう。
災害発生直後の72時間に対応できる体制を構築しよう
災害発生後の72時間は人命救助のタイムリミットとも言われており、迅速な初動が実現するかどうかで生存率が大きく変わります。企業としての役割を果たすためにも二次被害を防ぎながら、従業員の安全を確保する取り組みが必要だと言えるでしょう。
災害への備えには、トヨクモの『安否確認サービス2』の活用がおすすめです。災害時の初動を迅速に行いながら、今後の対策を講じられます。
また、安否確認サービス2は初期費用不要で30日間のトライアル期間を設けており、自社に合ったシステムかどうかを確かめてから導入できます。災害後の72時間に対応するためにも、ぜひ無料体験からお試しください。