医療・看護における「災害サイクル」とは、災害発生直後からの時間的経過をサイクル上に捉えた考え方です。災害が発生したあとは、時間の経過とともに医療・介護現場に求められる支援は変化するため、フェーズに応じた対応が必要となります。
また、企業の危機管理担当者も災害サイクルを考慮した対策をしておくと、事業継続力の向上が期待できます。
この記事では、医療・看護における災害サイクルを紹介します。継続的な取り組みを行う上で考慮したいポイントも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
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目次
医療・看護における災害サイクルとは
医療・看護における災害サイクルとは、災害発生直後から次の災害までの時間的な経過をサイクルとして捉えた考え方です。
災害時は時間の経過とともに必要な医療・看護が変わるほか、地域住民をはじめとする被災者の状態も変化します。そのため、災害が起こったときは「今必要とされることは何か」を常に考えながら医療や看護を提供しなければいけません。
なお、災害サイクルは以下の5つのフェーズに分けられます。
- 超急性期
- 急性期
- 亜急性期
- 慢性期
- 平穏期
各フェーズについて解説します。
超急性期
超急性期とは、災害発生直後から72時間までを指します。急な災害に地域住民が混乱しており、身の安全を最優先に考える時期です。
超急性期に想定される災害状況や医療・看護における支援を紹介します。
超急性期に想定される災害状況
超急性期は災害によって建物の倒壊や土砂崩れなどの被害が予想され、避難所に向かう地域住民が増えます。
しかし、寝たきりの家族がいる場合や在宅医療を受けている方などは避難自体が困難であり、その場で助けを待っていることも想定されます。さらに、聴覚障害や視覚障害などのハンデを持っている方は、周辺状況を理解できずに混乱している場合もあるでしょう。
また、ライフラインが遮断されていたり、防災グッズが不足していたりすると平常時のような生活を送れません。大きく環境が変わることによって、過度なストレスを抱えて興奮状態となる方もいます。とくに災害によって連絡が取れない家族や友人がいる人場合は、不安な気持ちを抱えてストレスも大きくなりやすいです。
医療・看護分野における支援
超急性期は早急または高度な医療ニーズが求められるため、医療・看護の関係者には迅速な初動が期待されます。たとえば、災害によって外傷や熱傷などを負った方が多い場合は、早急な手当が必要となるでしょう。
災害前より治療を受けている方には、災害が起こったあとにも同様の医療を提供しなければいけません。そのため、地域住民の医療情報は重要な資料となり得ます。
また、DMAT(災害派遣医療チーム: Disaster Medical Assistance Teamの略)など救命救急を目的としている医療チームの派遣要請をはじめ、医療を提供できる場を整える必要があります。さらに、避難所に集まった地域住民に対する医療・看護も求められます。
急性期
急性期とは、超急性期を過ぎたあとから災害後1週間を指します。災害発生直後の混乱は少し和らぐものの、引き続き医療や看護のサポートを必要とする方が多い時期です。
急性期に想定される災害状況や医療・看護における支援を紹介します。
急性期に想定される災害状況
急性期は災害発生から一定時間経過していることもあり、被害状況を少しずつ把握し始めています。災害の状況によって異なるものの、ライフラインが復旧され始めたり、人的・物資的支援が届き始めたりする地域もあるでしょう。場合によっては、避難所から自宅へ戻る方もいます。
また、災害発生直後よりも生活が落ち着いてくるため、あらゆる悩みが増え始める時期でもあります。たとえば、新生児を連れての避難所生活に困難さを感じている、または持病の薬が足りなくて困っているといった悩みが考えられるでしょう。慣れない生活が続いている方々は、精神的なストレスが蓄積されている状態にあります。
医療・看護分野における支援
急性期は、DMATをはじめとする救命救急医療から地域医療へと移行していく時期です。被害状況に応じて緊急医療救護所が閉鎖され、避難所などに設置された医療救護所や医療チームの巡回診療や、地域の医療機関による医療・看護のサポートがメインとなります。
超急性期より早急かつ高度な医療ニーズは求められないものの、日頃から医療ケアを受けている方々のサポートは欠かせません。また、災害によって持病が悪化したり、疲労や精神的ストレスなどによって医療・看護が必要となったりする恐れもあるため、健康状態の管理は必須と言えます。また、制限のある生活を続けることによって運動不足に陥りやすくなり、高齢者のALDの低下も懸念されます。
亜急性期
亜急性期とは、急性期が終わったころから災害後1ヵ月を指します。地域医療やライフラインなどが徐々に復旧し、少しづつ元の生活に戻る方々が現れる頃です。
亜急性期に想定される災害状況や医療・看護における支援を紹介します。
亜急性期に想定される災害状況
亜急性期は急性期と同様に、避難所で生活している方が多くいる時期です。一方で、被害状況によっては、避難所の統合や縮小が検討され始める時期でもあるでしょう。
この時期は避難所での集団生活によって免疫機能が低下し、感染症の罹患やストレス障害が増加しやすい傾向があります。また、災害発生からは1ヶ月ほど経っていたとしてもまだ幅広い医療・看護のサポートは難しい可能性が高く、災害関連死が増える時期です。
医療・看護分野における支援
亜急性期は急性期に引き続き、避難所で生活している方のケアが中心となる時期です。
被災者である地域住民の健康維持を目的とした回診や、生活環境の整備が必要となるでしょう。医療不足や衛生状況の悪化などを要因とした疾病を未然に防ぐ必要があります。
慢性期
慢性期とは、亜急性期が終わって以降の数年の期間を指します。この期間は、避難所で生活していた方の多くが自宅や仮設住宅に移り、新たな生活を送っています。
慢性期に想定される災害状況や医療・看護における支援を紹介します。
慢性期に想定される災害状況
慢性期は新たな生活をスタートさせた方が多く、外部からの復興支援が終わりを迎える時期です。復興ボランティアなどが撤退したことにより孤独や寂しさを感じる方も現れ、精神的に安定しにくい時期とも言えるでしょう。
また、新たな生活への不安を募らせ、取り残されたように感じる方もいます。生活基盤を確保できる方とできない方の差が大きくなることも、今後の不安を感じる要因ともなるでしょう。
医療・看護分野における支援
慢性期は避難所に閉鎖に伴い、救護所や医療チームの活動が順次に終了します。そのため、地域医療が被災者をはじめとする地域住民を支えなければいけません。たとえば、被災者の心のケアやリスク予防への支援なども重要です。
慢性期は幅広いニーズが予想されるため「何が問題とされているのか」を常に整理し、現状における優先順位を明らかにする必要があります。
平穏期
平穏期とは、慢性期が終了した状態を指します。災害による医療・看護のサポートを必要としている方がいないため、防災に力を入れる時期です。具体的な取り組みは、以下のとおりです。
- 災害への備えをしておく
- 災害時に必要各所とのネットワーク作りをしておく
- 被災経験者への生活指導を行う
- 災害時の訓練を行う
平穏期は次に起こり得る災害への準備期間として捉えることが大切です。普段から必要各所とのネットワークを構築しておけば、災害時にスムーズな連携が取れます。災害が起こっていない今だからこそできることを実施しましょう。
災害サイクルを通じた継続的な取り組みポイント
災害サイクルに沿った医療・看護を提供するためには、継続的な取り組みが必要です。具体的には、以下のとおりです。
- 組織の体制を整えておく
- 医療情報をどこでも確認できるようにする
- 備品を用意しておく
- 日頃から防災意識を高めておく
- 地域との協力体制を構築しておく
それぞれについて解説します。
組織の体制を整えておく
災害時に備えて、組織の体制を整えておきましょう。災害時は何が起こるか予測できないため、状況を的確に判断しながら医療や看護を提供しなければいけません。
組織内での体制が整っていないと早急かつ高度な医療ニーズに応えるのが難しくなり、被災者の人命が危険にさらされるでしょう。そのため「災害時は誰が何を担当するのか」などを明確にしておき、組織全体に周知することが重要です。
なお、災害後に迅速な医療や看護を提供するためには、BCPの策定がおすすめです。BCPとは事業継続計画のことで、緊急事態が発生したときの対策や防止策をまとめた計画を指します。事前にBCP策定を行っていれば緊急時の行動や役割分担などが明確になっているため、迅速な医療・看護の提供が可能となります。
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医療情報をどこでも確認できるようにする
迅速な医療や看護を提供するためには、医療情報をどこでも確認できるようにするのも重要です。災害後はインターネット環境がうまく機能できない恐れがあるため、それらを考慮したうえで必要な対策を練るべきです。
たとえば、システムやデータを使用すれば、遠隔でも必要な情報を入手できるかもしれません。迅速な初動が要となるため、出来うる限りの対策をしておきましょう。
備品を用意しておく
必要な医療や看護を提供するには、一般的な防災セットと訪問看護用備品などは欠かせません。また、災害発生直後はライフラインが停止したり、必要な物資がすぐに届かなかったりする可能性が高いため、食料や飲料なども確保しておくべきです。
また、医療や看護を提供するスタッフが適切な処置を行える環境を整えておくことも、災害時には必要な対策と言えます。
たとえば、医療行為のなかで電力の確保は重要です。ライフラインが停止しても一定期間の電力供給が見込める外部バッテリーを用意しておくのも有効策の一つです。
このように、必要な備品の状態は定期的に点検しておき、いつ災害が起きても対応できる状態にしておきましょう。
日頃から防災意識を高めておく
災害への備えとして、日頃から防災意識を高めておきましょう。医療従事者として活動するなかで、自身の身の安全を確保することが何よりも重要です。そのため防災教育を徹底して、災害への妨げとなる要因を排除しておきましょう。
研修やセミナーの開催や、防災に有効な資格取得の支援は、組織全体の防災意識を高めることにつながります。
地域との協力体制を構築しておく
災害時は、地域との協力体制構築が欠かせません。自治体をはじめ関係各所と連携を取っているとスムーズに情報共有できるほか、必要な医療や看護を提供しやすくなります。地域との協力体制を整えることによって、被災者をサポートしやすくなるでしょう。
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災害時は医療や看護を提供するスタッフ自身も被災者であり、災害発生直後は身の安全を確保したうえでスタッフの安否確認を行いましょう。
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また、安否確認サービス2はBCPに必須の機能が搭載されているのも魅力です。たとえば、掲示板機能を利用すれば、災害後の事業継続についての話し合いも可能です。
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災害サイクルを理解して被災者に寄り添った看護をしよう
災害サイクルは、時間の経過とともに変化する医療ニーズを満たすために重要な考え方です。「今、被災者に求められることはなにか」や「医療・看護スタッフとして何ができるのか」などを考える際の判断材料となるでしょう。今回紹介した災害サイクルの概要を参考に、次の災害への備えをしてください。
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