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震災詐欺とは?被災時に横行する悪質な詐欺や犯罪行為について解説

災害時の混乱を狙った悪質な犯罪や災害詐欺。これらは一体どのような手口で、どのような人をターゲットに行われるのでしょうか。

この記事では、災害時に横行する悪質な詐欺や犯罪行為を解説します。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。

震災詐欺とは

震災詐欺とは、大災害な震災が発生した際、被災者の不安な精神状態や被災者を支援したいという気持ちにつけ込んで行われる悪質商法です。過去の震災でも事例が複数あるため、注意が必要です。

ここでは、震災詐欺とはどのような手口で行われる犯罪行為なのかご説明します。

主な手口

震災詐欺とは、被災された方々の不安につけ込み行われる詐欺行為です。住民の不安につけ込むだけでなく、被災者を支援したい方々の善意にもつけ込みます。

震災時に発生する詐欺行為には、以下のようなものがあります。

  • 被災者の家を訪問し、災害時に必要な物品や家屋の修繕サービスなどを、高額で販売する行為
  • 公共機関や災害支援団体を装い、義援金の募集を名目に、現金や電子マネーなどを騙し取る行為
  • 売上金の一部が被災地支援になると称して、高額な商品を購入させる行為
  • 電話、郵便、SNSなどで義援金と称して、個人名義の銀行口座、電子機器、QRコードなどを利用して振り込ませる行為
  • 被災した家族や親戚を装って、現金を口座に振り込ませる行為

被災した人々の不安や互助意識を悪用

震災詐欺のなかには、被災者の感じている不安や互助意識を悪用した詐欺があります。たとえば、業者を名乗る人間が、余震や二次災害の危険性を強調します。そして、住宅や屋根などの修理を煽り、本来より高額な料金を請求する事例が過去にあったのです。

また、震災詐欺は被災者だけでなく、被災者以外の方々による支援意識を悪用するケースもあります。たとえば、被災者の身内や友人を装って、困窮のため送金を求めるケースなどです。

災害発生時には詐欺以外にも、様々な被害が想定されます。
そういった状況でも、即座に必要な対策を講じることが企業の持続可能性にとって重要です。 そのため、BCP(事業継続計画)の策定は避けて通れません。

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被災地で起きている震災詐欺

地震のような災害が起こると、震災詐欺と思われる相談が多く寄せられます。

ここでは、実際に被災地で起きた震災詐欺をご紹介します。

義援金詐欺

自然災害に便乗し、不審な訪問や電話が来ることもあります。それらは義援金詐欺である可能性が高いでしょう。

義援金詐欺とは、被災した地域の支援を名目に、お金を騙し取る行為のことです。公共機関や社会福祉関係団体を名乗り、電話や訪問集金に来る事例が過去にあります。

また、狙われるのはお金のみならず、高額な物品も同様です。支援物資を求めていると言って、物品を要求するでしょう。

義援金詐欺に遭わないためには、不審な電話をすぐに切り、来訪を提案されても断ることが重要です。また、金銭を要求されても決して払ってはいけません。

本当に支援募金をしたい場合、募っている団体の活動状況や使途をしっかりと確認し、納得してから寄付しましょう。

また、公的機関が電話や訪問などで義援金を求めることはありません。この情報を知っておくだけでも、詐欺を防げる可能性が増えるでしょう。

家・建物の修理

耐震基準を悪用して、お金を奪い取ろうとする震災詐欺もあります。

震災の二次災害や余震に対する恐怖を煽り、高額な工事をすすめてくる手口のことを「点検商法」と言います。通常料金より高額な工事代金を要求されるケースが相次いでおり、注意が必要です。詐欺に遭わないために、勧誘されてもすぐ契約しないようにしましょう。

災害によって住宅の修理が必要となった場合は、慌てず複数の事業者から見積もりを取ったり周囲に相談したりしてから、慎重に契約することが大切です。信頼して依頼できる事業者に関して、日頃から情報を集めておくといいでしょう。

また、こういった詐欺は多くの場合、高齢者や障がい者をターゲットにします。したがって、家族や周りの人が訪問者に気を配るだけでも、立派な詐欺予防になります。

震災詐欺以外の被災地での犯罪行為

震災を狙って行われる犯罪行為は、震災詐欺に限りません。犯罪者は被災後の混乱を狙ってくるため、注意が必要です。

ここでは、震災詐欺以外の被災地での犯罪行為をご紹介します。

空き巣・強盗

震災による避難で不在となった家を狙い、空き巣や強盗が入った事例もあります。人々が避難所に避難している隙を狙って、住宅や店から金品を盗む古典的な手口です。

警察庁によると、2016年4月14日に発生した熊本地震では、被災者の住宅から現金、商品券、タブレット端末などを盗む窃盗事件が発生していました。

また、震災の影響で鍵が破損し、施錠ができない場合も注意してください。在宅の有無に限らず、強盗行為によって被害を受ける危険性が高いためです。

デマや流言

災害時に必ずと言っていいほど流れるデマや流言にも注意が必要です。昨今ではSNSの浸透によって情報拡散がますます速くなっており、情報が正しいのか間違っているのか、識別が難しくなっています。

デマや流言は人の命をも奪う可能性があります。その大きな要因は人口の集中、密集、過密です。

たとえば避難所に人が密集し、多くの人々が不安を抱えたなかで、デマが広まるとします。すると誰かが騒ぎ出し、その大声をきっかけに人々がパニック状態に陥るかもしれません。もし避難所の出入り口が狭く一つしかない場合、人々が出口に殺到し、将棋倒しが起こるのです。

普段の状況だと容易に「誤っている」と気づける情報でも、災害時はデマや流言の事実確認が速やかに行えないため、デマが拡散されやすいのです。

また、善意からデマが拡散されるケースもあります。

デマや流言を真に受け、良かれと思って情報を拡散するケースです。もしも自身の拡散した情報が間違っていた場合、自分は「騙された側」になるだけでなく「デマを拡散した加害者」となることを、念頭に置きましょう。

こういった事態を生まないためにも、本当か分からない情報が出回った際は、拡散せずに真偽を精査してください。

性犯罪

これまでの震災でも被災地で女性や子供が性被害に遭っており、注意が必要です。

専門家やNPOなどが立ち上げた「東日本大震災女性支援ネットワーク」によると、東日本大震災において、避難時に性被害を受けたとする声が多数ありました。

就寝中の女性の胸を触られたり、赤ちゃんへの授乳や着替えを覗き込まれたり、避難所で中心的な立場にある男性から物資の融通を仄めかされたうえで、性行為を要求されたりした事例が明らかになっています。

また、被害に遭ったのは女性だけではありません。男の子が知り合いの男性に下着を脱がされた、女の子が知らない男性からキスを要求されたなど、子どもの被害についても多くの回答があったのです。

こういった性犯罪は避難所の共通スペース、離れた場所に設置してある仮設トイレ、家が崩壊して死角の多い街中、車中泊をしている場所などで起こりがちです。

被害を防ぐために、以下のような対策を行いましょう。

  • トイレを男女別にし、安全な場所に設置する
  • 就寝スペースには仕切り板を入れる
  • 避難所運営や防犯担当に女性を加えて、仮設トイレやゴミ置き場の設置場所などについて意見を汲み取る
  • 更衣室や授乳室にも使える女子専用の部屋を設置し、プライバシーが守られる環境を作る
  • 夜は自主的な見回りを行う

企業が狙われやすい犯罪行為

災害に便乗して狙われるのは、企業も同様です。ここからは、企業が対象となる災害時の犯罪行為をご説明します。

寄付金・義援金詐欺

寄付金・義援金詐欺に狙われるのは、企業も例外ではありません。

市役所やボランティアを名乗る人物が訪問し、寄付金や支援金を要求してくるケースがあります。その際は、すぐお金を支払わないようにしましょう。企業が対象の場合、個人よりも金額が大きいおそれがあるためです。

被害に遭わないために、以下のような対策を行うと同時に、対策を従業員に周知させておくと効果的です。

  • 不審な電話はすぐに切り、来訪の申し出があった場合は断る
  • 金銭を要求されても決して支払わない
  • 寄付をする際は、募っている団体の活動状況や使途を十分に確認する

窃盗や強奪

災害発生時には、災害に便乗して企業を狙う「店舗荒らし」が発生するかもしれません。

「店舗荒らし」とは、店舗が営業していない時間帯や、従業員が避難している隙を狙って侵入し、金品を窃盗する犯罪行為のことです。とくに、完全に従業員が不在となる営業所では注意してください。

また、狙われる対象は金品だけでなく、支援物資や備蓄品も含まれます。窃盗や強盗を防ぐために、避難する際はしっかりと施錠を心がけましょう。

情報漏洩

災害発生時は情報セキュリティが甘くなるケースも多く、そのタイミングで情報漏洩が起こり得ます。

普段から情報システムを冗長化し、かつ利用者以外はアクセスできないよう対策をする必要があります。

また、企業は災害発生時であっても、情報が利用可能な状態、事業を継続できる状態を保たなければなりません。そのために、情報セキュリティにおける耐障害性(フォールトトレランス)を高めておきましょう。耐障害性とは情報システムの二重化や平均修復時間の短縮を行うなどで高められます。セキュリティ向上が期待できるでしょう。

一方、どれだけ情報セキュリティ機器の内部を強化しても、PC自体が窃盗に遭い、情報が漏れる危険性は残ります。PCのような電子機器や重要書類は、物理的にも安全な場所で保管するように心がけましょう。

実際にあった震災詐欺の例

これまでの詐欺事例を知ることは、詐欺被害の防止に役立ちます。

ここからは、これまでどのような震災詐欺が過去にあったのかをご紹介します。

東日本大震災での例

東日本大震災に関連する詐欺事件は2011年8月4日時点で65件確認されており、被害総額は計3,375万円に上ったことが警視庁の調べで判明しているのです。そのうち31人が逮捕、もしくは書類送検されています。

警視庁によると、震災絡みの詐欺被害はほとんどが、架空の住宅費用に関する融資話でした。手数料として多額の現金を騙し取られた事件や、義援金や融資の給付を装った事件が多かったとされています。

そのほかにも被災者の家族を装った詐欺事件や、街頭募金を偽装した事件などもあります。

能登半島沖地震での例

2024年1月に発生した令和6年能登半島沖地震でも、震災詐欺が報告されているのです。

一例として、富山でブルーシートを高額で売りつけられた事案がありました。詳細は以下のとおりです。

被災地の富山県高岡市で、県外ナンバー車から降りてきた人物が、国から依頼されて家屋の損壊状況を調査している業者であると名乗りました。そして、ブルーシートが必要な場合、1メートル1000円で10メートルから販売するとし、高額で売りつけようとしたのです。

また、SNSでは被災者を装ったアカウントが、スマホ決済サービスで資金を送らせようとする手口も見つかっています。

言うまでもなく、これらはすべて詐欺行為です。能登半島沖地震に便乗して行われる詐欺は、警察、国民生活センター、消費者庁、金融庁などが注意を呼びかけています。

震災詐欺が横行している!社内でも事実・対策方法を周知しよう!

今回は震災詐欺についてご紹介しました。

これまでの震災でも震災詐欺は横行しており、震災に便乗して犯罪を企む人物は少なくありません。詐欺に遭わないためには、契約を勧められてもすぐに契約しない、公的機関や団体が個人宛に募金を募ることは決してないなど、震災災害についての知識を得ておくことが大切です。

困った場合は、すぐ周りの人や消費者センターに相談するようにしましょう。

また、企業として災害時の対策を強化するために、BCP(事業継続計画)を策定することも必要です。 BCPは組織を守るだけでなく、従業員やその家族、および顧客の安全を確保する上でも重要な役割を果たします。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

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