北海道地震で起きた未曾有のブラックアウト、これからの企業に求められる対策とは?

北海道地震で起きた未曾有のブラックアウト、これからの企業に求められる対策とは?

2018年9月の北海道地震では、未曾有のブラックアウト(大規模停電)が起きたことで多くの企業が数日にわたって操業停止となりました。

電力の供給が止まると、企業の設備や機械が全く作動せず、大きな損失を出したり、ときには人や動物の命を左右したりといった深刻な事態が発生します。

あらかじめ非常時の電源確保に努め、停電やブラックアウトに備えることが企業の存続のカギを握っているのです。

今回は、北海道地震の事例をもとに、これからできる停電対策についてご紹介します。

北海道地震で起きた未曾有のブラックアウトの概要


2018年9月6日未明、北海道で最大震度7という大規模な地震が起こりました。主な被害は次の通りです。

震源地:北海道胆振地方中東部
規模:マグニチュード6.7
死者:40人以上
被害状況:道路の損壊・陥没、橋の損壊、河川への土砂流入、大規模な土砂崩れ
土木インフラの被害額:1千億円以上
農林水産業の被害額:約397億円
その他:宿泊施設やツアーのキャンセルが続出し、観光分野においても大きな損失を計上

北海道地震において、企業の経済損失を大きく左右したのが、地震発生後に起きた大規模停電、いわゆる「ブラックアウト」です。地震発生からおよそ18分後の午前3時25分、電力供給が完全に途絶えた北海道は闇に包まれました。

地震発生直後、震源に近い苫東厚真火力発電所では安全装置が作動し、2号機と4号機が停止。その後、すぐに本州から電気が送られたことで低下した周波数が回復しますが、唯一稼働していた1号機の出力が低下し、ついには停止しました。

北海道電力は停電地域を広げるなどして対処しましたが、1号機の停止後ほかの発電所も相次いで停止したため、最終的にはブラックアウトするに至ったのです。

参考:北海道地震、土木の被害1千億円 道路や橋など、損壊多発(中日新聞)

ブラックアウトが企業に与えた影響


北海道全域を見舞ったブラックアウトの影響は、最大震度7を記録した厚真町から遠く離れた地域にも及びました。

企業にとっては、通常通り操業できないのはもちろん、従業員の安全を確保することも難しくなり、道内各地で生産や物流に大きな混乱が起こったのです。

工場の操業停止
北海道には苫小牧にあるトヨタ自動車北海道をはじめ、室蘭の新日鉄住金室蘭製鉄所、恵庭市のサッポロビール北海道工場など、大企業の工場や拠点が数多くあります。ブラックアウトが起きたとき、その多くが操業停止を余儀なくされました。
流通のストップ
全日本空輸やJR貨物が貨物輸送を中止したことで、流通にも大きな影響が生じました。停電により道路上の信号が機能せず、ヤマト運輸や佐川急便といった運送会社も通常通りの集荷や配送を行えませんでした。道内の物流は完全にストップした結果となりました。
金融インフラの麻痺
50社を超える企業が上場する札幌証券取引所は、システムが稼働がせず、あらかじめ取り決められていた災害時のBPC(事業継続計画)も機能しませんでした。翌7日には取引を再開したものの、停電によって金融インフラがマヒしたことは大きな問題となりました。
介護施設の一時的な人員増加
江別市の介護施設では、停電によってナースコールやマットコールなどが機能しなくなりました。そのため転倒の危険がある利用者を一か所に集めて見守ったり、夜勤スタッフを増やしたりと、緊急的な対応に追われることとなりました。
酪農業における家畜の病気
乳業メーカー向けの生乳を生産する酪農家は、普段から搾乳機を使用して牛の搾乳を行います。しかし停電中は搾乳機を使用することができず、多くの牛が乳房炎を発症しました。一部では牛の死亡例も報告されるなど、その被害は深刻です。

自家発電機を使用することで搾乳が行えた農家もありましたが、乳業メーカー向けの集荷が中止している間は搾乳した生乳を廃棄せざるを得ず、生産量が回復するには長い時間がかかると予想されます。

そんな中、よつ葉乳業の一部の工場は自家発電設備が備わっていたため、通常通り操業できました。

自家発電設備や非常用電源を確保することは、企業の損害を抑え経営存続の可能性を高める方法の一つと言えるでしょう。

停電時にはこれが役立つ!電源確保におすすめのグッズ紹介


突然の停電には、非常用電源や発電機などの設備を備えておくことで対応できます。ここでは、停電時の電源確保に役立つグッズをご紹介します。

■無停電電源装置 UPS-LiB1000N(ナカヨ電子サービス株式会社)

停電により商用電源が断たれた場合、接続している機器に対して、一定時間電力を供給することが可能な電源装置です。大型ビジネスホンや、POS、PC、複合機向けに、1200Wの出力に対応しているので、オフィスのBCP対策に向いています。

15〜18時間の充電で1000Whの電力を貯めることができ、1500Wの大容量出力の使用が可能です。

キャスター付きなので、移動や設置も簡単な上に“酸化鉄”リチウムイオン電池を使用しているので、発火・発煙の心配もないのが特長です。

■移動式バックアップ電源 FECORAGE TROLLEY3-1056(株式会社カイレン)

停電時にパソコンなどの電源を落とすことなく、即座にデータのバックアップが行える無停電電源装置(UPS)機能を搭載したハンドキャリー型蓄電システムです。

持ち手を使うことで片手での持ち運びが可能なうえ、小型なため保管の際も省スペースです。発火の危険性が低い酸化鉄を使用したリチウムイオンバッテリーを内蔵しているため、安全性にもすぐれています。

また、暗闇で自動的に点灯するLEDライトがついているほか、USB充電用コネクタを2口搭載しているため非常時にスマートフォンなどの充電も行えます。

■リチウムイオン蓄電システム YRWシリーズ(YAMABISHI)

製品ラインナップが非常に豊富な、リチウムイオン蓄電システムのシリーズです。容量は10~200kwと幅広く、コンビニや公民館などの小規模施設からオフィスビル、工場といった大規模施設にも設置可能です。

耐震性にすぐれた屋外専用筺体や、最小限のスペースで設置できる蓄電池一体型など、さまざまなニーズに対応しています。

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを災害時の電源として活用することも可能です。

■EU9iGB/エネポ(Honda発電機)

一般的なカセットボンベで電気を起こすことができる、最大出力900Wのハンディタイプ発電機です。

ガソリンよりも手軽に取り扱え、非常用の電源として最適です。防音仕様のため、発電時の騒音も配慮されており、誰にでも簡単に操作できるのでいざというときも安心です。

折りたたみ式ハンドルと大型キャスターで女性でも簡単に持ち運べるほか、コンパクトに収納できるため保管しやすいという特長があります。

■Anker PowerCore+ 20100 USB-C(アンカー・ジャパン)

20100mAhという超大容量が魅力のモバイルバッテリーです。

一度の充電でスマートフォンを約7回充電でき、付属のケーブルを使えばMacBookなどのUSB-C機器も快適な速度で充電できます。

また、2.4A出力可能な充電器と付属のUSB-Cケーブルを使用するとモバイルバッテリー本体も8時間程度で充電が完了するため、繰り返し使用する場合にも便利です。

モバイルバッテリーは気軽に持ち運びができ、蓄電システムや発電機に比べて価格が安いため、導入しやすいという利点があります。

まとめ

北海道地震やそこで起きたブラックアウトの概要とともに、停電時に役立つグッズをご紹介しました。

電気は、PC、スマホをはじめ、工場の機械やシステムサーバーなど事業の根幹に関わるものを動かすのに不可欠です。

社屋の規模や社員数、災害時にバックアップを必要とする設備の有無など、自社のニーズを正しく把握したうえで、それに最も合う方法で停電に備えましょう。

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