BCPの一環として、もしもの時に役立つ保険とは

BCPの一環として、もしもの時に役立つ保険とは

東日本大震災の後、BCP(事業継続計画)に力を入れるようになった企業は少なくありません。災害により自社の建物や施設が損害を受ける、また交通機関などの停止に伴い社員の出社が不可能になるという事態だけでなく、取引先が営業停止になり損失をこうむるなど、間接的な不利益が生じる可能性もあります。ですから、もしもの事態に備え、保険に加入しておくのは賢明でしょう。この記事では、保険の重要性や保険の種類についてご紹介します。

災害に備えるにはBCPの策定だけでなく保険も重要

BCPでは、不測の事態に陥った時にどう対処すべきかを考えます。言い換えれば、いろいろな「不測の事態」を想定し、思ってもみなかった出来事を想定内の出来事へと変えるために知恵を絞ります。ですから、災害時にどんな不利益が生じるのか、様々なことを予測して備えをしていかなければなりません。その備えの一つが、保険に加入することなのです。

しかし、保険に加入することがBCPにおける対策の一環だとしても、それがことさら重要であると言えるのはなぜでしょうか。保険が大切な理由を、筋道を立てて追っていきましょう。

BCPでは主に、災害発生時にどのように社員の安否確認を取るかなど、連絡網の確保が強調されることが多いです。しかしそれ以外にも考えなければならないことはたくさんあるのです。

たとえば、地震によって自社ビルが損壊した場合、建て直すための資金はどこから得ますか。また、会社を被災していない地域に移転させると決定したのであれば、それにかかる移動費や宿泊費はどうしますか。社会インフラ(交通網や上下水道、電力網など生活の基盤となる施設)がダメージを受け、社員の出社が不可能になった結果として生じる減益の補填はどうするのでしょうか。取引先の営業停止によって生じた不利益にどう対処しますか。

いくつか例を挙げましたが、ここで考えていただきたいのは、自社の利益の喪失や収益減が発生した場合に、営業を継続するための費用を確保しておく必要がある、ということです。

大手企業でしたら、会社が留保している資金のなかから上記のような事態に対応できるかもしれませんが、中小企業ですと、資金繰りに苦労し、最悪のケースとして倒産に追い込まれる可能性も否定できません。実際、東日本大震災の影響で倒産してしまった会社も多くありました(2018年2月末日現在で東日本大震災関連倒産件数は、累計1857件=東京商工リサーチ調べ)。

そこで視野に入れて頂きたいのが、各種の保険に加入することなのです。災害などによって損害が出た時に、すぐに資金を得ることのできる保険に加入していれば、100%の補償とまではいかなくとも、損失をかなり抑えることができます。

それでは、どんな保険があるのでしょうか。次の項目でご紹介していきます。

参考:AllAboutマネー 災害により企業が倒産・事業休止した場合の支援制度
IT用語辞典e-Words 「インフラ」
グッド保険サービス 法人のお客様へ 企業の地震保険 BCP地震補償保険のご案内
損保ジャパン日本興亜 BCP特約
損保ジャパン日本興亜 BCP地震補償保険(ステップアッププラン)

BCPに関連した保険について

BCPに関する保険にはどんなものがあるでしょうか。

まずは損保ジャパン日本興亜の扱う保険についてです。

損保ジャパン日本興亜では、震度6弱以上の地震によって、事業が休止・阻害されたことで生じる損害に対して保険金が支払われます。損失が確定してからの後払いではなく、損失が確定する前の仮払制なので、BCPにぴったりの補償内容といえるでしょう(実際の被災における損失と仮払額に差が出たときには精算の必要があります)。

会社の建物が倒壊したなどの損害がなくても、取引先の営業休止などによって事業を休止せざるを得ない状況になった場合も、補償の対象になります。保険金の支払いがなされる状況をまとめますと、自社の所有する建物の損壊や取引先の罹災(りさい)による営業停止、インフラの停止・交通網の遮断による休業損失、となります。震度6弱または6強の場合は契約金額の30%が、震度7の場合は契約金額の100%が30日以内に支払われます。

また、災害時に限らず、損保ジャパン日本興亜は「BCP特約」というサービスも行なっています。損保ジャパン日本興亜には、「取引信用保険」というものもあり、取引先が倒産してしまったときに回収不能になった支払債務を補償してくれるサービスとなっています。

近年、新たにこの保険に付けることができるようになったBCP特約とは、取引先が倒産しなくても、取引先から支払期日までに販売代金が支払われなかった場合に受けられる補償のことです。支払期日の翌日から保険金の申請ができ、申請後3営業日までに保険金が支払われます。中小企業では、取引先からの入金遅延も事業継続に大きく影響することから、そのニーズに応えて作られた保険内容となっています。

次にご紹介するのは、JTBグループの保険会社であるジェイアイ傷害火災保険が2018年に開始した、BCP対応の保険サービスです。この「RECOVALUE 連動 BCP 対応費用保険」はBCP実行支援サービス「RECOVALUE」に加入している企業を対象にしています。

「RECOVALUE」は、災害時にBCPを発動し、会社の拠点を移すという決定をしたときに、移動・宿泊の手配や危機管理情報を提供してくれる内容となっています。このサービスを利用する多くのケースでは、首都直下型の震度6弱以上の地震を想定しているため、「連動 BCP 対応費用保険」では、会社の拠点を東京から関西などに移す際にかかる、移動・宿泊の費用を補償するとしています。

参考:損保ジャパン日本興亜 BCP地震補償保険(ステップアッププラン)
損保ジャパン日本興亜 BCP特約
リスク対策.Com JTBグループジェイアイ傷害火災保険「RECOVALUE」

その他災害に関連した保険について

先述した保険のほかに、どんな保険サービスがあるのでしょうか。

その一つとして、東京海上日動の保険をご紹介します。

通常の火災保険では、地震の保険は「地震危険補償特約」としてオプション的な位置づけになっていて、地震や津波を原因とする損害は補償されません。したがって、地震による被害に備えたい場合はこの特約を付ける必要があります。東京海上日動の法人向け火災保険の「超ビジネス保険」には、休業補償条項というものがあり、火災などによって建物が損害を受けて休業しなければならなくなったときに、その粗利益を補償するサービスが受けられます。そして、「地震休業補償特約」を付加することで、地震によって事業所の営業が完全休業したために生じた完全休業損失に対しても保険金が支払われます。

二つ目にご紹介するのがAIG損保の「企業財産保険(プロパティガード)」です。

基本的な補償として、財産損害補償、利益損失補償、営業継続費用補償の三つが設定されています。対象となる事故は、主に火災・落雷・爆発です。風災・雹災(ひょうさい)・雪災・物体の落下や盗難などの不測の事故に対する補償は付けることも外すこともできます。地震による被害や地震を原因とする火災・水災などは、「地震・噴火危険補償特約」によって補償されるオプションになっています。地震だけでなく、台風や豪雨による被害についても、「水災危険補償特約」というオプションを付けると補償が受けられるシステムです。

ここまで、BCPに役立つ保険のプランをいくつかご紹介しました。

首都圏に会社のある経営者の方であれば、地震対策に特化した保険プランを選びたいと思われるかもしれませんし、北日本に会社を置く経営者の方であれば雪災への補償のある保険プランを選ばれることもあるでしょう。

ご自分の会社にとって必要なプランはそれぞれ異なるとは思いますが、災害時に向けて保険に加入することの有効性については変わりません。

何かあったときにも事業を継続できるように計画するというBCPの基本理念にもある通り、災害やそのほかの場合に備えて各種保険に加入することの重要性がお分かりいただけたでしょうか。

参考:
東京海上日動 企業財産の保険
AIG損保 企業財産保険(プロパティガード)

まとめ

もしもの時のために保険に加入することは非常に大切です。かつて天災と言われていたものは、今や人災の側面もあるとされ、甚大な被害の出る災害の多発には環境汚染・地球温暖化なども影響しているという説もあります。多発する災害への対策がより重要となっています。

さまざまな保険会社が多様な損害補償プランを提案していますから、資料をよく読み、補償内容を吟味して、自分の会社にとって適切なプランの保険に加入するようにしましょう。

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