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リモートワークができる職種10選|メリットや産業別の導入状況も紹介

リモートワークができる職種10選|メリットや産業別の導入状況も紹介

情報通信技術の発展と新型コロナウイルス感染症の影響により、近年、リモートワークは注目を集めるようになりました。そのため、リモートワークの導入を検討している企業の経営者や総務の担当者は多いでしょう。しかし、すべての職種で実施できるわけではありません。

この記事では、リモートワークを実施できる職種について解説します。産業別のリモートワークの導入割合やメリットも紹介するため、リモートワークの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。

リモートワークとは

リモートワーク(remote work)とは、自宅やコワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で働くことです。インターネットやクラウドサービスで情報を共有し、コミュニケーションツールでメンバーやクライアントとコミュニケーションを取りながら、業務を行います。

リモートワークに似た言葉にテレワーク(telework)がありますが、テレワークもリモートワークも基本的には同じ意味で使われることが多く、大きな違いはありません。

リモートワークの導入企業の割合

総務省が発表した令和5年通信利用動向調査の結果によると、2023年度のリモートワークの導入企業の割合は49.9%です。2019年度と比較すると、5年間で企業の約30%がリモートワークを導入していることがわかります。

一方、導入しておらず、具体的な導入予定もない企業の割合は47.1%で、年々増加傾向にあります。

導入している今後導入予定がある導入していないし、具体的な導入予定もない
2019年20.2%9.4%70.4%
20202年47.5%10.7%41.9%
20213年51.9%5.5%42.6%
2022年51.7%3.5%44.7%
2023年49.9%3.0%47.1%

(参考:総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」)

リモートワークを実施できる職種10選

リモートワークを実施できるかどうかは、職種によって異なります。ここでは、リモートワークを実施できる10職種を紹介します。

  • ITエンジニア
  • Webデザイナー
  • 編集・校正
  • Webディレクター
  • SEOコンサルタント・SEMコンサルタント
  • マーケター
  • 営業
  • 一般事務
  • 秘書
  • 翻訳

ITエンジニア

ITエンジニアは、ソフトウェアの開発や、システムの設計・構築・運用などを行う職種です。プログラミングなどの作業は、インターネット環境とPCさえあれば、どこでも実施可能であるため、リモートワークに適しています。また、チームメンバーとの打合せもWeb会議システムを使って行えるケースが多いです。

ただし、セキュリティレベルの高い仕事や、物理的なハードウェアを扱う必要がある場合など、一部の仕事はリモートワークで行えないことがあります。そのため、プロジェクトの内容によっては出社が必要です。

Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトのデザインや設計及びWebサイト内で使用する画像のデザインを手がける職種です。

必要なデザインソフトをインストールしたPCとインターネット環境さえあれば、自宅やコワーキングスペースなど、場所を選ばずに仕事ができます。クライアントとの打合せもメールやチャット、Web会議ツールで行うことが多いため、リモートワークに非常に適していると言えます。

また、デザイン作業は集中力を要するため、自分に合った環境で作業できるリモートワークは、生産性の向上にもつながります。

編集・校正

編集・校正は、書籍や動画、Webサイトの記事などの編集や誤字脱字のチェックを行う職種です。主にPCとインターネット環境、参考資料があれば仕事ができます。作家や執筆者、クライアントとのやり取りはメールや電話、Web会議ツールで行えるため、対面での打合せが不要な場合も多いです。

また、黙々と原稿に向き合う必要のある仕事であるため、リモートワークを導入することにより、生産性の向上を期待できます。

Webディレクター

Webディレクターは、Webサイトの制作プロジェクトの進行管理を行う職種です。デザイナーやエンジニアなどの制作スタッフとの連携は、オンラインツールを活用することにより問題なく行えます。

クライアントとの打合せもオンラインで対応可能です。しかし、プロジェクトによっては打合せ先に出向かなければならない場合もあります。

SEOコンサルタント・SEMコンサルタント

SEOコンサルタントやSEMコンサルタントは、WebサイトのSEO対策やリスティング広告の運用などを行う職種です。

Webサイトのアクセス解析やキーワード選定、広告管理など、PCを使った作業が中心となります。これらの業務は、インターネット環境とPCさえあれば、自宅やコワーキングスペースなどの好きな場所で行えるため、リモートワークに非常に適しています。クライアントとの打合せもオンラインで済む場合が多いです。

マーケター

マーケターは、商品やサービスのマーケティング戦略の立案を行う職種です。商品の企画や市場調査など、会社に出社しなくても行える業務はリモートワークで対応できます。クライアントとの打合せもオンラインで行えば、フルリモートも不可能ではありません。

営業

営業は、商品やサービスを顧客に販売する職種です。従来は対面での活動が中心でしたが、、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、近年ではオンラインでの営業が主流となりつつあります。

Web会議ツールで商談を実施し、電話・メールでフォローアップを行えば、リモートでも営業活動を行えます。顧客先へ出向かなければならない場合でも、事前に自宅で提案資料を作成し、必要な情報を整理しておくと、会社に出社してから顧客を訪問する必要はありません。オンラインを活用した営業活動なら、移動時間を大幅に削減できるという利点もあります。

一般事務

一般事務は、データ入力や書類作成、電話応対などを行う職種です。多くの業務がPCを使って行うものであるため、リモートワークに適しています。書類やデータをクラウドで管理すれば、オフィスにいなくても問題なく業務を遂行することが可能です。

ただし、郵便物の処理や来客対応など、物理的な作業が必要な場合には出社が必要となります。

秘書

秘書は、経営者や役員などのスケジュール管理や来客応対などを行う職種です。従来は、経営者や役員の近くで仕事をすることが多かったですが、最近ではオンライン秘書としてリモートワークを行うケースが増えています。

経営者や役員への連絡は電話やメール、チャットなどで行えるため、リモートワークでも問題ありません。書類作成や会食の予約もオンラインで完結します。

ただし、秘書は機密情報を扱うことが多く、情報漏洩は企業に深刻な損害をもたらす可能性があります。リモートで秘書業務を行う場合には、情報端末のセキュリティ管理、通信の暗号化など、セキュリティ対策が極めて重要です。セキュリティ意識を高め、情報管理に関するルールを厳格に遵守することが欠かせません。

翻訳

翻訳は、外国語の文章を日本語に訳したり、日本語を外国語に訳したりする職種です。

基本的にPCとインターネット環境、辞書、参考資料があれば、業務を行えます。また、クライアントの担当者とは、滞在している国や勤務時間帯が異なるなかで業務を行うケースもあります。そのため、クライアントとのやり取りはメールが主流となっており、リモートワークとの親和性が高いと言えます。

リモートワークを実施できる職種の特徴

リモートワークを実施できる職種を紹介しましたが、これらの職種に共通する特徴は以下のとおりです。

  • PCとインターネット環境があれば仕事を行える
  • 対面でのコミュニケーションが求められない

PCとインターネット環境があれば仕事を行える職種であれば、自宅やコワーキングスペースでも業務を行えます。

また、対面でのコミュニケーションが求められないことも、リモートワークの実施に求められる条件です。顧客や同僚とのコミュニケーションがオンラインで完結する場合は、リモートワークでも問題がないでしょう。

リモートワークが難しい職種5選

職種の特性上、リモートワークが難しい職種も存在します。ここでは、リモートワークの実施が難しい主な職種5選を紹介します。

  • 医師・看護師などの医療職
  • 介護職
  • サービス業
  • ドライバー
  • 軽作業

医師・看護師などの医療職

医師や看護師は、患者の診察や処置を行う職種です。医療行為の多くは、患者に直接触れる必要があるため、リモートワークでの対応は難しいです。たとえば、聴診器を使った診察や、血圧測定、点滴の実施などは、医療従事者が患者の側にいなければなりません。

近年、オンライン診療などの取り組みも行われるようになってきました。スマートフォンやパソコン、オンライン診療支援キットなどを使ったビデオ通話により、患者と医師が遠隔地からコミュニケーションを取れます。

しかし、オンライン診療にも限界があります。患者は自宅からオンライン診療を受けられても、治療を受けるには病院に行く必要があり、対象となる疾患も限定されています。そのため、職員は出社が必要です。

介護職

介護職は、高齢の方や障がいのある方の日常生活をサポートする職種です。食事介助や入浴介助、排泄介助など、身体に直接触れる業務が多くを占めています。また、利用者の健康状態を観察し、異変があればすみやかに対応することも重要な役割です。

これらの理由から、介護職は利用者との直接的なかかわりが不可欠であり、リモートワークには適さないと言えます。

サービス業

サービス業は、顧客に対してサービスを提供する業種です。さまざまな職種がありますが、代表的なものには以下が挙げられます。

  • 接客・販売
  • 飲食
  • 宿泊
  • 教育・学習支援
  • 不動産
  • 金融・保険
  • 医療・福祉(保育園など)
  • 美容・エステ
  • 娯楽(映画館など)

商品の説明や料理の提供、会計処理など、お客さまの目の前で行う業務が多いです。たとえば、飲食サービス業の場合には顧客に、直接食事を提供する必要があり、リモートワークでの対応は難しいです。

近年、化粧品業界やアパレル業界などの販売業でオンラインで接客サービスを提供する企業が増えています。しかし、実施できる業種や商品は限られており、サービス業のすべての職種で実施できるわけではありません。

ドライバー

ドライバーは、トラックや宅配車などを運転して荷物を運ぶ仕事です。荷物の積み込みや積み下ろし、配送先での荷物の引き渡しなど、実際に現場で体を動かす作業が中心となります。そのため、リモートワークでは対応が難しい職種と言えます。

軽作業

軽作業は、工場での製品の組み立てや梱包などを行う職種です。

近年、工場の自動化が進み、機械で行える作業が増えてきました。機械は24時間稼働し、さらに人間よりも高い精度で作業を行えるため、生産性の向上に大きく貢献しています。

しかし、高度な組み立て作業は人間の手作業に頼る必要があり、すべての作業を機械で代替できるわけではありません。また、自動化が進んだ工場であっても、機械や製品を管理する人材は現場に必要となるため、リモートワークで行うことが難しくなっています。

【産業別】リモートワークの導入企業の割合

リモートワークの導入企業の割合を産業別に見ると、情報通信業が93.4%、金融・保険業が81.3%と高い傾向にあります。

産業導入企業の割合
建設業53.8%
製造業53.1%
運輸・郵便業35.4%
卸売・小売業47.6%
金融・保険業81.3%
不動産業69.8%
情報通信業93.4%
サービス業・その他42.4%

(参考:総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」)

運輸・郵便業や卸売・小売業は、現場に人手が必要となる業務が多いです。そのため、ほかの業種に比べると、リモートワークの導入企業の割合が低くなっています。

リモートワークを導入するメリット

企業がリモートワークを導入する主なメリットは、以下のとおりです。

  • コストを削減できる
  • 多様な人材を確保できる
  • 緊急事態のリスク対策になる

リモートワークを導入するメリットは、消耗品費や光熱費、交通費の削減だけではありません。企業イメージの向上によって多様な人材を確保できたり、BCP対策になったりするメリットもあります。

それぞれのメリットについて、解説します。

コストを削減できる

リモートワークを本格的に導入すれば、コピー用紙やプリンターのインク代といった消耗品費や光熱費を大幅に削減できます。また、従業員に支給していた通勤手当の削減にもつながります。

リモートワークの導入には、PCやモバイル端末、セキュリティ対策ツールなどの初期投資が必要です。しかし、消耗品費や光熱費、交通費は非常に大きなコストであるため、長期的に見ると、コスト削減効果は大きいと言えます。

多様な人材を確保できる

リモートワークを導入すれば、通勤の制約がなくなります。育児や介護で時間に制約のある人や、地方在住で通勤に時間がかかる人など、多様な人材を雇用できるようになるのです。

また、リモートワークを導入している企業は、従業員のワークライフバランスを大切にしていると評価されます。働きやすい企業という好印象を持たれることにより、優秀な人材の確保にもつながります。

緊急事態のリスク対策になる

リモートワークを導入していると、災害発生時にオフィスに出社できない場合でも、自宅などで業務を継続できます。そのため、リモートワークは緊急事態のリスク対策として非常に有効です。

地震や台風などの自然災害が頻発する昨今、予期せぬ事態でオフィスに出社できなくなる可能性は常につきまとっています。事業の中断する期間が長くなればなるほど、廃業に追い込まれる可能性があります。

コロナ禍においては、感染拡大を防止ししながら事業を継続する手段としてリモートワークが普及しました。このように、リモートワークなどの導入でBCP(事業継続計画)対策を行い、緊急事態の発生に備えておくことが重要です。

リモートワークを導入するデメリット

リモートワークの導入には、デメリットも存在します。

  • 情報漏洩のリスクが高くなる
  • 従業員の勤怠管理が難しい
  • 従業員のモチベーションが低下することがある

それぞれのデメリットについて、解説します。

情報漏洩のリスクが高くなる

リモートワークでは、機密情報などの会社の資産を社外に持ち出すため、情報漏洩のリスクが高くなります。セキュリティ対策が不十分の場合、PCやデータを紛失してしまったり、盗難に遭ったりする可能性があるため、対策を講じることが重要です。

情報漏洩を防ぐため、以下のような対策を徹底しましょう。

  • VPNの利用によるセキュアなアクセス環境の整備
  • データの暗号化
  • 業務に利用するデバイスの制限
  • 従業員のセキュリティ教育

従業員の勤怠管理が難しい

リモートワークでは、上司が部下の勤務状況を直接目で見て確認できないため、適切な勤怠管理が難しくなります。勤務時間中に私用を済ませたり、サボったりする従業員も出てくる可能性もあるため、従業員の勤怠を管理する体制の整備が必要です。

具体的には、労働時間の勤怠管理システムの導入がおすすめです。従業員が出勤と退勤のタイミングでボタンをクリックするシステムであり、リアルタイムで勤怠状況を把握できます。勤怠管理システムのなかには、顔認証で利用者を認証したうえで打刻できるものもあり、従業員の不正を防止することが可能です。

従業員のモチベーションが低下する可能性がある

リモートワークでは、同僚や上司と顔を合わせる機会が減り、1人で仕事をする時間が長くなるため、従業員の孤独感が高まりやすいです。オフィスでは、ちょっとした雑談や相談を通じて、ストレスの発散や、問題解決ができますが、リモートワークではそれが難しいでしょう。

こうした孤独感は、モチベーションの低下を招き、仕事の質にも悪影響を及ぼしかねません。そのため、Web会議システムなどを活用して、定期的にコミュニケーションをとることが重要です。上司は、部下の様子を細かくチェックし、変調のサインを見逃さないよう心がけましょう。

リモートワークの導入はBCP対策に有効

リモートワークには、多くのメリットがありますが、すべての企業で実施できるわけではありません。導入を検討している場合には、自社で導入できるかきちんと見極めることが重要です。

リモートワークは、PCとインターネット環境があれば仕事を行えます、対面でのコミュニケーションが求められないという職種で実施できます。具体的には、ITエンジニアやWebデザイナー、編集・校正、Webディレクターなどが挙げられます。

リモートワークの導入には初期投資が必要であるものの、長期的に見るとコスト削減を期待できます。さらに、BCP対策として有効であるため、積極的に導入を検討してみることがおすすめです。BCPとは、災害発生などの緊急事態に備えて、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法や手段などについてまとめた計画のことです。

BCP対策として安否確認システムの導入もおすすめ

安否確認システムの導入も、BCP対策として効果があります。安否確認システムとは、災害が発生した際に従業員に自動でメッセージを送信するシステムのことです。集計結果も自動で集計するため、迅速に従業員の安否を把握し、次のアクションを検討できます。

トヨクモの提供している『安否確認サビス2』は、月額6,800円(税別)〜と低コストながら、安否確認・情報集計・対策指示の3つの機能を持つシステムです。アクセスが集中する災害時を想定して、契約全社を対象に毎年一斉訓練を行っており、災害発生時の安定的な稼働を実現しています。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。