働き方改革の推進や新型コロナウィルス感染拡大の影響により、緊急事態宣言前には3割にも満たなかったリモートワーク実施率は、緊急事態宣言後は6割を超えました。しかし、生産性が低下するなどの理由から、近年リモートワークを廃止する企業が増えています。
(参考:テレワーク実施率調査結果|東京都)
この記事では、リモートワークで生産性が低下する理由や向上させる方法について解説します。リモートワークの導入によって生産性が向上した企業事例も紹介するため、参考にしてください。
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目次
リモートワークでは生産性が低下する傾向にある
全米経済研究所の調査結果によると、リモートワークの労働者の生産性はオフィスワークより18%低いことがわかりました。この要因として、働く環境を整備できていないことや、コミュニケーションが円滑にとれないことが考えられるでしょう。
また、内閣官房 成長戦略会議事務局の「コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ」でも、在宅勤務のほうが生産性が低いと回答した割合は労働者で82.0%、企業で92.3%に上っています。生産性の低くなる要因を質問したところ、対面でスムーズにコミュニケーションをとれないこと、パソコンや通信回線などの設備が劣っていることなどが要因であることがわかりました。
従業員と企業の双方がリモートワークによる生産性の低下を実感しており、国内外の調査結果からもその傾向が裏付けられています。
(参考:Working from Home, Worker Sorting and Development|National Bureau of Economic Research)
(参考:コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ|内閣官房 成長戦略会議事務局)
リモートワークにおける日本の生産性は世界最下位
レノボ・ジャパン合同会社の国際調査「テクノロジーと働き方の進化」によると、日本では「リモートワークの生産性がオフィスワークよりも低い」と回答した人の割合は40%でした。この結果は、グローバル経済に大きな影響を有し、またテクノロジー産業が発達している10か国のなかで、もっとも低い数値となっています。
在宅勤務では生産性が低下する可能性はありますが、日本のリモートワークにおける生産性の低さは、他国と比較して際立っています。日本のリモートワークの生産性が著しく低い要因として、従業員に自宅で働くための環境を提供できていないことが考えられます。その場合、従業員は自己負担で環境を整備する必要がありますが、高額な投資は難しいことから、職場よりも働く環境が劣ってしまいやすいのです。
(参考:テクノロジーと働き方の進化|レノボ・ジャパン合同会社)
リモートワークで生産性が低下する理由
リモートワークで生産性が低下する主な理由は、以下のとおりです。
- 物理的環境が整備できていない
- 通信環境が整備できていない
- コミュニケーションが円滑にとれない
- 従業員のモチベーションが低下している
物理的環境が整備できていない
公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部 の「第7回 働く⼈の意識に関する調査」結果によると、リモートワーク実施時の課題として「部屋や机、椅子、照明などの物理的環境の整備」を挙げた人が37.6%もいました。
オフィスのような最適な執務環境を自宅に用意するとなると、相応のスペースや費用が必要となります。そのため、物理的環境を整備できていない人が多く、集中力が低下して生産性が下がっていると考えられます。
(参考:第7回 働く⼈の意識に関する調査|公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部)
通信環境が整備できていない
同じく、公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部 の「第7回 働く⼈の意識に関する調査」結果で、リモートワークの課題として「Wi-Fiなど、通信環境の整備」を指摘した割合は38.4%でした。
Web会議の際に通信環境が不安定だと、画面が止まったり、音声が途切れたりします。円滑にコミュニケーションが取れず、業務効率は下がってしまいます。そのため、リモートワークには安定した通信環境の整備が欠かせません。
(参考:第7回 働く⼈の意識に関する調査|公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部)
コミュニケーションが円滑にとれない
リモートワークでは、直接顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が減ってしまうため、ちょっとした情報共有や意思疎通がスムーズにいかないことがあります。仕事でわからないことがあっても、近くにいる同僚や上司に気軽に相談できません。
メールで質問することは可能ですが、文章を作成するのに時間がかかったり、返事を待つ間に時間のロスが生じたりして、業務効率が下がってしまうことも多いです。そのため、すぐに理解し合えないことがチームメンバー間の連携不足を招き、生産性の低下につながっています。
従業員のモチベーションが低下している
リモートワークでは、自宅やコワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で働くこととなります。オフィスを離れて一人で仕事をしていると、周りの目が気にならないあまり、集中力が続きにくくなることがあります。
また、上司からの評価が見えづらいため、モチベーションが下がってしまいやすいです。チームの一体感も生まれにくく、このような環境では、生産性の低下を招きやすくなります。
リモートワークの生産性を向上させる方法
リモートワークにおける生産性を向上させるためには、どのような方法が有効でしょうか。ここでは、生産性を向上させる方法を4つ紹介します。
- サテライトオフィスを導入する
- チャットツールを活用する
- Web会議ツールを活用する
- 勤怠管理システムを導入する
サテライトオフィスを導入する
サテライトオフィスとは、企業の本社や本拠地から離れた場所に設置されたオフィスのこと
です。通常、本社よりも通勤しやすい場所に位置しており、比較的規模は小さいです。備えている備品は必要最低限で、勤務できる人数にも制限があります。
リモートワークの生産性を下げている要因のひとつに、物理的環境や通信環境の整備不足が挙げられます。しかし、サテライトオフィスを導入することにより、これらの問題を解消できる可能性があります。
自宅に適した作業環境がない従業員に対して、サテライトオフィスを提供すれば、快適な空間で集中して仕事に取り組めるようになります。その結果、生産性の向上を期待できるのです。
チャットツールを活用する
Slackなどのビジネスチャットツールは、リモートワークにおけるコミュニケーションの活性化に非常に効果的です。メールと比べて気軽にやり取りができるため、文章を作成するのに時間がかからず、比較的短時間で返信を受け取れます。
ビジネスチャットツールは、テキストだけでなく、音声通話やビデオ通話にも対応しているものが多いです。対面に近いコミュニケーションを実現できるため、スムーズな連携を実現し、生産性の向上にもつながります。
さらに、ファイル共有機能や検索機能など、便利な機能も備えています。これらの機能を有効に活用すれば、より業務が効率的なものとなるでしょう。
Web会議ツールを活用する
ZoomなどのWeb会議ツールを活用すれば、離れた場所にいるメンバーとも顔を合わせながら議論を交わせます。資料や画面の共有も簡単にできるため、対面の会議と遜色ない環境を実現できるでしょう。
さらに、定期的にチームメンバーと顔を合わせる機会を設けることにより、従業員のモチベーション向上にもつながります。リモートワークでは一人で業務を行うことが多いため、孤独感を感じやすいです。そのため、定期的にオンライン会議を設定し、従業員が孤独感を感じにくいような工夫を施すことが重要です。
勤怠管理システムを導入する
リモートワークは、従業員の働きぶりが見えにくく、勤務時間の管理が難しいです。勤務時間を自己申告してもらっている場合、従業員がサボってしまい、生産性が低下することもあります。そのため、勤怠管理システムを導入して、厳格に勤務時間を管理することがおすすめです。
クラウド型の勤怠管理システムを活用すれば、従業員がどこで働いていても、リアルタイムに勤怠状況を把握できます。これにより、従業員の不正を抑制し、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
リモートワークの生産性が向上した事例
リモートワークの導入により生産性の向上を実現した企業の具体的な事例を3つ紹介します。
インプラス株式会社
インプラスは、中小企業のIT経営を支援している会社です。2017年に働き方改革の一環として、リモートワークを導入しました。
リモートワークのために実施した具体的な施策には、以下のようなものがあります。
- 各自のテレワーク実施日を月2回予定し、クラウドの共有カレンダーに記入する
- 毎日、朝礼と夕礼をWeb会議で実施する
- VPNにて本社開発ツールに接続し、複数メンバーのプログラム開発を管理する
- リモートワークの環境を整備する
- ビジネス向けチャットツールを利用する
- 社内の共有情報はクラウドストレージに保存する
- 販売管理や開発スケジュール、顧客管理などの情報をクラウドで管理し、会議などで同時に閲覧できるようにする
その結果、突然の病気で一時的に通勤が困難になった従業員は、すぐに在宅勤務に切り替えられたため、業務を滞りなく進められました。
(参考:令和元年度 テレワーク先駆者百選 取り組み事例|総務省)
株式会社オーク
オークは、Web開発事業やディープラーニング・機械学習事業などを展開している企業です。従業員から「家族の介護のために実家に帰りたい」という相談を受けたことをきっかけに、リモートワークのテスト運用を実施しました。問題なく運用できたため、正式にリモートワークの規定を整備し、本格的に導入する運びとなりました。
リモートワークを円滑に進めるために、電話やメールといった従来のコミュニケーション手段に加えて、SlackやSkypeなどのツールも積極的に活用しました。
こうした取り組みの結果、育児や介護を理由に優秀な社員が退職してしまうのを防ぐことに成功し、また売上を維持したまま、従業員全体の残業時間は減少しました。さらに、従業員が顧客のもとに出向く際に直行直帰できるようになり、移動時間を削減できて、生産性の向上につながっています。
(参考:令和元年度 テレワーク先駆者百選 取り組み事例|総務省)
ニューロネット株式会社
ニューロネットは、PCやスマホで顔を見ながら会話できるクラウド型コンタクトセンターシステムを開発している企業です。東日本大震災で社長が帰宅難民となった経験から、リモートワークの導入に踏み切りました。
リモートワークのために実施した具体的な施策には、以下のようなものがあります。
- 労務制度・人事制度を見直す
- 完全にペーパーレス化する
- 情報共有システムとセキュリティシステムを整備する
- Web会議サービスをさらに高度化したWebオフィスシステムを開発する
その結果、1日たりとも家を空けることができない従業員や、母子家庭で小さな子供がいる従業員など、一般的な働き方が難しい状況にありながらも、高い能力を持つ人材の採用に成功しています。
さらに、WebオフィスやICTを活用することにより、オフィス費、通信費、旅費交通費、水道光熱費、消耗品費、事務用品費などの費用を削減できました。人件費は削減できないものの、これらの費用を削減することにより、経費削減効果を得ています。
(参考:令和元年度 テレワーク先駆者百選 取り組み事例|総務省)
リモートワークの生産性を向上させるには工夫が必要
リモートワークには、従業員の通勤の負担を軽減できる、BCP対策になるなどの多くのメリットがあります。しかし、生産性が向上しやすいため、生産性を向上させるための取り組みが必要です。サテライトオフィスを導入したり、チャットツールを活用したりして、従業員にとって働きやすい環境を整えましょう。
なお、BCP対策には安否確認システムの導入も有効です。安否確認システムは、災害が発生した際に、自動で従業員に安否確認メッセージを送信するシステムです。回答結果も自動で集計されるため、事業復旧のための次のアクションに移りやすくなります。
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