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リスクマネジメントの学習におすすめの本5選

リスクマネジメントの学習におすすめの本5選

リスクマネジメントを学習する方法にはワークショップやセミナー、インターネット検索などさまざまな方法がありますが、なかでも初学者が体系的に学習したい場合には、本を読むことがおすすめです。

この記事では、リスクマネジメントを学ぶのにおすすめの本を厳選して5冊紹介します。本で学ぶメリットやデメリット、学習のポイントについても説明しますので、リスクマネジメントの知識を身につけたい担当者の方は参考にしてください。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。

リスクマネジメントの学習におすすめの本5選

ここでは、リスクマネジメントの学習におすすめの本を5冊紹介します。

  • 世界一わかりやすい リスクマネジメント集中講座
  • 図解ひとめでわかるリスクマネジメント 第2版
  • リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル
  • リスクマネジメント 変化をとらえよ
  • 意思決定のためのリスクマネジメント

世界一わかりやすい リスクマネジメント集中講座

【こんな人におすすめ】文字ばかりの本を読むことが苦手な人リスクマネジメントの知識を網羅的に学習したい人

「世界一わかりやすい リスクマネジメント集中講座」は、リスクマネジメントの基礎から応用までの知識を網羅した入門書です。

多くのイラストを挿入し、講師と生徒による対話形式にすることにより、すらすらと読み進められる内容となっています。本を読むことが苦手という人でも、短時間で読み進められるでしょう。また、読者がリスクマネジメントをイメージしやすいように、有名企業のリスクマネジメントや実際の不祥事などの実例も取り入れています。

著者の勝俣良介氏は、イギリスでセキュリティソリューション部門を立ち上げた経験を持ち、現在はニュートン・コンサルティングの副社長として、品質管理や新規ソリューションの開発を担当しています。勝俣氏の豊富な知識と経験が、この本に反映されています。

書籍名世界一わかりやすい リスクマネジメント集中講座
著者勝俣 良介
出版社株式会社オーム社
発売日2017年11月28日
定価(税込)2,420円

(参考:オーム社

「世界一わかりやすい リスクマネジメント集中講座」のレビュー

講義形式で話を展開している点がわかりやすいと評価する声が多いです。以下は、実際に読んだ人のレビューです。

GWはリスクマネジメント(RM)の勉強。講義形式の会話調の記述で書かれていて、確かに「世界一わかりやすい」かも。それでいてRMに関して、初歩的な部分から比較的高度なところまで網羅されており、これまで実務で断片的に接していて、網羅的に勉強してこなかった自分には、非常に参考になった。

(引用:読書メーター

★5 会話形式でわかりやすく、それでいて体系的にリスクマネジメントについて教えてくれる本。これ以上を知りたい場合のリファレンスもあり、初心者にとってオススメの一冊。

(引用:読書メーター

図解ひとめでわかるリスクマネジメント 第2版

【こんな人におすすめ】リスクマネジメントの基礎概念や体制、実務といった知識を体系的に学習したい人BCPについても学習したい人

「図解ひとめでわかるリスクマネジメント」は、リスクマネジメントの基本を解説した本です。災害や企業不祥事などのリスクにどのように備えるべきかがわかります。リスクマネジメントの基礎概念や体制、実務といった幅広い内容に加えて、BCPについても説明しています。

著者の仁木一彦氏は、リスクマネジメント体制の診断や体制の構築・導入、リスク評価などのリスクマネジメントに関連する多くのプロジェクトを担当している公認会計士です。リスクマネジメントをテーマとしたセミナー講師もつとめています。

書籍名図解ひとめでわかるリスクマネジメント 第2版
著者仁木一彦
出版社東洋経済新報社
発売日2012年1月27日
定価(税込)1,980円

(参考:東洋経済STORE

「図解ひとめでわかるリスクマネジメント 第2版」のレビュー

説明がわかりやすい点が高く評価されています。しかし、図解が分かりにくいというレビューが複数あるため、図解目当てで読むと満足できない可能性があります。以下は、実際に読んだ人のレビューです。

買ってから気づいたけど、出版されてから古かったので、それはもったいなかった。最新のコロナ禍明けのリスクマネジメントであったらいいのにと思ってしまった。 ただ、事例や説明はわかりやすい。

(引用:読書メーター

リスクの定義、リスク担当組織の作り方、具体的な業務の進め方など、実務上一通りのことはまとまっており、これから新たにリスクマネジメント体制を作ろうという企業の方には、結構参考になるでしょう。ちなみに本書の「図解」、私にはほとんど意味なく感じられ、文章による解説だけでも良かったような気がしました。

(引用:読書メーター

リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル

【こんな人におすすめ】基礎知識を補うために、事例を交えて学習したい人基礎知識について学習してみたが、リアルにイメージできなかった人

「リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル」は、事故や不祥事、風評などのリスクを未然に防ぐ管理体制のあり方や、リスクを最小化する対応策について学習できる本です。50の事例を掲載し、事故の概要、経緯、対策の3ステップで読者がリアルにイメージできる構成となっています。

著者の白井邦芳氏は、保険会社の常務執行役員を経て、コンサルティング会社のエグゼクティブ・アドバイザーに就任した経歴を持ちます。危機管理やリスクマネジメント、内部統制、自業継続、企業再生といった幅広い分野で活躍しており、その知識を活かした内容が本に盛り込まれています。

書籍名リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル
著者白井邦芳
出版社東洋経済新報社
発売日2014年9月19日
定価(税込)2,200円

(参考:東洋経済STORE

「リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル」のレビュー

事例を中心に説明している本であることから、教科書というよりも参考書のようだと表現している声があります。以下は、実際に読んだ人のレビューです。

こういう本を一読していたか、いないかで、いざという時に差がつくのだろうなあ。教科書と言うよりは参考書かねえ。

(引用:読書メーター

リスクマネジメント 変化をとらえよ

【こんな人におすすめ】基本的なリスクマネジメントの知識がある人大企業のリスクマネジメントの担当者

「リスクマネジメント 変化をとらえよ」は、経済安全保障、人権問題、自然災害、サプライチェーンリスクなど、現代の重要な課題に対応するためのリスクマネジメントの基本的な考え方と具体的な取り組み方を解説している本です。

著者は法人であるデロイト・トーマツ・リスクアドバイザリーです。この法人は、監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、財務・法務という5つのサービス領域によって構成されているデロイト・トーマツ・グループの中核事業のひとつです。コーポレートガバナンス、財務、経理、レギュレーションなどのリスクや課題に応えています。

書籍名リスクマネジメント 変化をとらえよ
著者デロイト・トーマツ・リスクアドバイザリー
出版社日経BPマーケティング
発売日2022年12月12日
定価(税込)2,200円

(参考:日経BOOKPLUS

「リスクマネジメント 変化をとらえよ」のレビュー

リスクマネジメントでリターンを生むための戦略を解説している点を評価している声がある一方、ボリュームが多く、読むのに時間がかかったというレビューも見つかりました。以下は、実際に読んだ人のレビューです。

本書はリスクをリターンと関連付けた上でのコントロールをかなり体系立てて論じている。これは類書に例をみないのではないか。リスク・リターンコントロールのあるべき姿・全貌を把握した上で、自社が現在どの発展段階にあるか考えるにはうってつけのテキストである。それが特定できれば、次の打ち手は容易に本書の中から得ることができる。

(引用:Amazon

「The 教科書」という感じで約400ページを読むのにかなりのエネルギーと日数を要しました。楽しいものではないし、課題感があって手引きとして使いたいという人にとっては話の切り方が大きいので観点の整理にはなるけどそれ以上ではないし、と。
改めて考えれば、最後デロイトの紹介になっている通り、彼らの顧客層が読み手として想定されているので大企業前提ということですね。

(引用:Amazon

意思決定のためのリスクマネジメント

【おすすめの人の特徴】リスクマネジメントの基本を学習したい人意思決定を行う経営者

「意思決定のためのリスクマネジメント」では、リスクマネジメントの経営システム化から意思決定の質の改善までを一貫して取り上げた入門書です。リスク用語やリスクアセスメントの手法、統合リスクマネジメントと幅広い範囲をカバーしています。

著者である榎本徹氏は、上場企業のプロジェクト管理部門でゼネラルマネージャーをつとめた経歴を持ちます。また、情報誌で「企業の社会的責任」をテーマに連載を持っていた経験もあります。

書籍名意思決定のためのリスクマネジメント
著者榎本徹
出版社オーム社
発売日2011年9月23日
定価(税込)2,750円

(参考:オーム社

「意思決定のためのリスクマネジメント」のレビュー

以下は、実際に読んだ人のレビューです。リスクマネジメントの基本がわかりやすくまとめられている点が高く評価されています。また、入門書であるものの、実務にも役立つという口コミも見つかりました。

良くまとまっている教科書です。外資系コンサルが書いた書籍よりも分かりやすいです。上から目線の記述がほとんど無く、初級者でも腑に落ちる内容です。

(引用:Amazon

あとがきにあるように「入門書」としての位置付けであるが、考えるヒントが随所に盛り込まれており、実務に役立つ指針が得られたように思う。また、品質・環境・労働安全衛生の管理システムとリスクマネジメントの統合に向けた示唆は非常に参考になった。

(引用:Amazon

リスクマネジメントの学習に活用する本の選び方

リスクマネジメントの学習に活用する本を選ぶ際、自分の現在の知識レベルと学習目的を明確にすることが重要です。初心者は、リスクマネジメントの基本概念をわかりやすく説明した入門書から読み始めれば、基礎知識をしっかりと理解できるでしょう。

一方、すでに基礎知識を有している場合や、具体的な業務に生かすスキルを身につけたい場合は、実務に特化した書籍や、豊富な事例を掲載した書籍を選ぶことがおすすめです。実際の事例を参考に、自社のリスクマネジメント方法を検討しましょう。

さらに、書籍を選ぶ際は、著者の実績も重要な要素です。実績のある著者による書籍は、内容の正確性や専門性の高さを期待できます。書籍選びの際には著者の経歴も確認しておきましょう。

リスクマネジメントを本で学習するメリット・デメリット

リスクマネジメントを学ぶ手段は数ありますが、なかでも本で学ぶメリットとデメリットを紹介します。いい面と懸念点の両方を理解したうえで、本で学習するのが適切なのか判断しましょう。

メリット

本ではリスクマネジメントの知識が体系的に説明されており、初学者がリスクマネジメントの基本から応用まで段階的に学習できます。何から学習すればよいのかわかりやすく、効率的に知識を身につけることが可能です。

また、情報の正確性が高い点も本で学習するメリットのひとつです。インターネットにある情報は必ずしも正しいとは限らず、とくに初学者が正しい内容なのか判断することは困難となっています。しかし、本は出版前に編集者や校正者の厳しいチェックを経ているため、情報の信頼性が高く、安心して学習を進められます。

デメリット

リスクマネジメントを本で学習するデメリットのひとつは、読むのに時間がかかることです。インターネットの検索と比較して、本を読むことは時間がかかり、特定の情報を探す際に非効率となることがあります。

また、選んだ本の内容が自分の現在の理解度に合っていない場合、読み進めることが困難となる点もデメリットといえます。内容が難しすぎると、モチベーションが下がり、最終的に読むのを諦めてしまうこともあるでしょう。

そのため、本を選ぶ際は、事前に目次やレビューを確認し、知りたい情報が載っているか、自分の理解度に合っているかを判断する必要があります。

リスクマネジメントの知識を身につけるポイント

リスクマネジメントの知識を身につけるには、しっかりとリスクマネジメントの基本原則を理解し、実践することが重要です。知識を身につけて、リスクに適切に対処するために、継続的に学習しながら実践に移りましょう。

リスクマネジメントの身につける方法には、本を読むこと以外にも、ワークショップやセミナーに参加する方法も挙げられます。最新のリスクマネジメントの情報を得られるだけではなく、ほかの参加者と情報交換を行える点も魅力です。併用しながら、リスクマネジメントの学習を進めてください。

リスクマネジメントについて体系的に学習するなら本を読むのがおすすめ

本にはリスクマネジメントの知識が体系的に説明されており、初心者でも基本から学習しやすくなっています。内容について、編集者や校正者が厳しくチェックしており、情報の信頼性が高いことから、安心して学習を進めることが可能です。

ただし、選んだ本の内容が自分の現在の理解度に合っていない場合、読み進めることは困難となります。目次やレビューを確認し、自分の理解度に合っているものを選ぶことが重要です。

なお、近年地震が頻発化しており、BCPにも注目が集まっています。災害が発生した際に事業を早期に復旧できるように、BCPを策定しておきましょう。

BCP策定支援サービス(ライト版)では最短1ヶ月で策定可能

トヨクモでは安価でBCPを策定できる『BCP策定支援サービス(ライト版)』というサービスを提供しています。BCP策定のコンサルティングサービスの相場は数十万〜数百万円程度であり、BCP策定支援サービス(ライト版)を利用することにより大幅にコストを削減できます。

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編集者:坂田健太(さかた けんた)

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループに所属。防災士。
2021年、トヨクモ株式会社に入社し、災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案やサポートに従事。現在は、BCP関連のセミナー講師やトヨクモが運営するメディア『みんなのBCP』運営を通して、BCPの重要性や災害対策、企業防災を啓蒙する。