企業は情報漏洩や事故、リソース不足、地震をはじめとする自然災害など、あらゆるリスクを抱えながら事業を展開しています。そのため、あらかじめ起こり得るリスクを把握しておき、必要な対策を講じるリスクマネジメントを実施していなければ、企業への損害が大きくなるでしょう。
とはいえ、すべてのリスクを自社内でカバーするのは難しいです。損害賠償を請求されたときや資産をなくしたときなどは、金銭的な負担が大きくなり、その後の事業にも大きな影響を与える可能性があります。そのため、リスクマネジメントの手段として、保険を活用するのもいいでしょう。
そこでこの記事では、リスクマネジメントと保険の関係性を解説します。必要性の見極め方も解説しているので、あわせて参考にしてください。
目次
リスクマネジメントとは
リスクマネジメントとは、企業で起こり得るリスクを把握し、その影響を事前に回避したり損失を最小限に抑えたりする取り組みのことです。近年、AIが急速に発達したことや自然災害の頻発など、企業が抱えるリスクは多様化しています。
それらのリスクを放置したままにすると、リスクが発生したときに企業に多大な損害が生じる恐れがあります。最悪の場合は、企業の存続にも大きな影響を与えるでしょう。
これらの事態を回避するために行うのが、リスクマネジメントです。あらかじめ起こり得るリスクに応じた対策を行っておけば、企業の損害を最小限に抑えられます。
リスクマネジメントの具体的な方法
リスクマネジメントの具体的な方法は、発生前の備えである「リスクコントロール」と発生後の備えである「リスクファイナンシング」の2つに大別できます。具体的には、以下のとおりです。
手段 | 概要 | |
---|---|---|
リスクコントロール | 回避 | リスクを伴う活動自体を中止して、リスクを回避する |
損失防止 | 損失発生を回避して、リスクの発生頻度を減らす | |
損失削減 | 損失規模を抑えるための対策 | |
分離・分散 | リスクを1ヵ所に集中させず、分離・分散させる | |
リスクファイナンシング | 移転 | 第三者からの損失補填を受ける |
保有 | 自己負担によって損失をカバーする |
(参考:2016年版 中小企業白書)
リスクマネジメントは、必要に応じて上記の対策を組み合わせて実施します。すると、より効果的なリスクマネジメントを行えるでしょう。
リスクマネジメントにおける保険の活用方法
保険は、リスクマネジメントの有効な手段の一つです。保険は先ほど紹介したリスクファイナンシングの移転に該当し、企業にリスクが生じたときの補償となります。
たとえば、取引先の倒産や支払い遅延によって売掛金の回収ができない場合は、取引信用保険を活用すると補償を受けられます。売掛金が回収できないままだと企業の存続にも影響を与えるため、保険の活用は有効と言えるでしょう。
ほかにも、従業員が業務中に不慮の事故にあった場合の補償には、業務災害補償保険や労働災害総合保険などを活用できます。自社に起こり得るリスクに合った保険を選ぶといいでしょう。
保険の必要性を見極める手順
リスクマネジメントの手段として保険が有効とはいえ、すべての保険に加入することはできません。必要性を見極めたうえで、適切な保険に加入することが重要です。
保険の必要性を見極める際は、リスクマップを活用するのが効果的です。リスクマップとは、リスクの発生頻度や影響度を可視化できるフレームワークのことを指します。リストマップを活用すると、すべてのリスクを分析できるため、保険の必要性を見極めやすくなります。
リスクマップを活用する具体的な手順は、以下のとおりです。
- 起こり得るすべてのリスクを洗い出す
- 洗い出したリスクをリストマップに振り分ける
- 必要に応じた対策を考える
それぞれの手順について解説します。
1.起こり得るすべてのリスクを洗い出す
まず、企業に起こり得るリスクをすべて洗い出します。このとき、経営者や上層部だけで話し合うのではなく、現場で働く従業員やリスクマネジメントの担当者なども集めてリスクの洗い出しを行いましょう。あらゆる角度からリスクを見極めるため、漏れのない対策を実行できます。
なお、企業に起こり得る具体的なリスクは主に以下の2つに分類できます。
概要 | 例 | |
---|---|---|
純粋リスク | 企業に損失だけをもたらすリスク | ・地震や火災などの自然災害 ・テロ・ヒューマンエラー ・情報漏洩 ・事故 ・粉飾決算 |
投機的リスク | 企業に損失だけではなく利益ももたらすリスク | ・為替や金利の変動 ・新商品の開発 ・海外への進出 |
なお、自社に関係するリスクをできる限り洗い出すことにより、適切なリスクマネジメントができるでしょう。
2.洗い出したリスクをリストマップに振り分ける
洗い出したリスクをリストマップに振り分けましょう。
リストマップは、縦軸に損害規模、横軸に発生頻度を位置づけて、それぞれのリスクを当てはめていきます。洗い出したリスクは「損害大・高頻度」「損害大・低頻度」「損害小・高頻度」「損害小・低頻度」の4つに分類できます。
リスクがどこに分類されるかを可視化すれば、優先度がはっきりするため何から対策するべきか明確になるでしょう。
3.必要に応じた対策を考える
リストマップを見ながら保険の必要性を見極めましょう。基本的に「損害大・低頻度」に分類されるリスクに、保険の活用を検討するのがおすすめです。
リスクの発生頻度が少ない場合、リスク発生の防止にあまりコストをかけたくないと考えるはずです。しかし、発生した場合は企業への損害が大きく事業の存続にも影響しかねません。そのため、リスクが発生した際の損害をカバーする策として保険を活用するといいでしょう。
なお、そのほかに分類されたリスクは、以下のような対策が有効です。
有効な対策 | 具体例 | |
---|---|---|
高損害・高頻度 | リスクの回避 | ・台風の被害を受けやすい場所であれば、工場の移転を検討する |
低損害・高頻度 | リスクの防止・削減 | ・地震による倒壊を防ぐために、オフィスビルを補強する |
低損害・低頻度 | リスクの保有 | ・基本的には対策を講じない。万が一リスクが起きた場合は、社内でカバーする |
災害時のリスクマネジメントにはトヨクモ「安否確認サービス2」の導入がおすすめ
2021年に一般社団法人 日本損害保険協会によって行われた調査によると、企業が事業活動を行っていくうえで増えたリスクとして、もっとも多く挙げられたのは自然災害でした。
▲出典:中小企業のリスク意識・対策実態調査2021 調査結果報告書
あらゆる企業にとって災害時のリスクマネジメントは必須であり、その対策は急務と言えます。災害が発生したときは、初動の対応が重要です。すみやかに従業員の安否確認も行い、事業継続に必要な対応をする必要があります。
トヨクモの『安否確認サービス2』は、気象庁の情報と連動して自動で安否確認を行えるサービスのことです。従業員から集まった回答結果を自動で分析するため、安否確認にかかるコストを大幅に減少できます。そのため、災害時のリスクマネジメントの手段として、安否確認サービス2の導入がおすすめです。
なお、安否確認サービス2を導入すると、以下のようなメリットがあります。
- 自社の防災意識を高められる
- 初期費用が発生しない
- サービス品質保証基準を設定している
それぞれについて紹介します。
自社の防災意識を高められる
安否確認サービス2は、自社の防災意識を高めたい企業にもおすすめです。毎年防災の日である9月1日に全国一斉訓練を実施しており、その結果をレポートとして各企業に送付しています。社内の回答率や時間推移などをチェックできるため、企業の防災意識向上にも役立てられるでしょう。
なお、全国一斉訓練は実施日と時間帯のみを公開しており、詳細は管理者にさえ知らせていません。実際の災害が起きたときと同じ状況で訓練できるため、システムが問題なく稼働するかどうかもあわせてチェックできます。
初期費用が発生しない
初期費用が発生しないためお得に利用できます。安否確認サービス2は複数の料金プランが用意されていますが、すべてのプランで初期費用は発生しません。そのため、導入に迷っている場合や費用面が心配な場合でも試しやすいです。
なお、安否確認サービス2には以下のプランがあります。
ライト | プレミア | ファミリー | エンタープライズ | |
---|---|---|---|---|
50ユーザーまでの料金(月額・税抜)※ | 6,800円 | 8,800円 | 10,800円 | 14,800円 |
特徴 | 最低限の機能を搭載 | 豊富な機能を搭載 | 家族の安否確認にも対応 | グループ会社の利用も可能 |
※料金は利用するユーザー数によって異なるため、企業の規模に合わせて調整できます。
サービス品質保証基準を設定している
安否確認サービス2では、サービス品質保証基準を設けています。サービス品質保証基準とは、サービス提供者が提供しているサービスの品質について保証している一定基準の水準のことであり、この水準を下回った場合は、サービスの利用者に対して返金や適切な措置が行われます。
安否確認サービス2では、プレミアプラン以上を利用している企業には保証基準値に応じて水準を下回れば利用料の一部を返金する制度を採用しています。とはいえ、現在まで保証基準を下回ったことは1度もありません。確かな実績があるため、安心してサービスを利用できるでしょう。
リスクマネジメントと保険の関係性を理解しよう
企業はあらゆるリスクが懸念されるため、あらかじめ対策を講じておく必要があります。とくに「高損害・低頻度」に該当するリスクには、保険の活用も検討するといいでしょう。自社内では賄いきれないリスクが起きたときも、保険を活用すると損害をある程度カバーできます。
なお、災害時にはトヨクモの『安否確認サービス2』の活用がおすすめです。
SmartHRやfreee人事労務といった外部ツールを活用していれば、1クリックで簡単にユーザー情報を登録できるため導入もスムーズです。操作画面もシンプルなため、混乱状況下でも迷うことなく操作できるでしょう。災害時に迅速な初動を実現するためにも、ぜひ安否確認サービス2の活用をご検討ください。