リスクマネジメントとは、起こり得るリスクを把握し、損害を最小限に抑えるよう組織を管理する取り組みです。あらゆるリスクが発生する可能性があるため、企業の存続のためには事前に対策を講じておく必要があります。
とはいえ、リスクマネジメントについてよく分からない企業も少なくないでしょう。そのような企業には、リスクマネジメント研修の活用がおすすめです。
そこでこの記事では、リスクマネジメント研修の目的や内容、実施前の準備を紹介します。近年多発している災害へのリスクマネジメントにおすすめのサービスも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
目次
リスクマネジメント研修の目的
リスクマネジメント研修の目的は、企業に起こり得るリスクを事前に把握し、そのリスクの予防や直面した際の適切な対応方法を学ぶことです。
近年、企業は個人情報の漏洩や外部からの攻撃、新型コロナウイルスの感染拡大など、あらゆるリスクに直面しており、今後もさまざまなリスクが発生する可能性があります。企業が抱えるリスクは年々幅広くなってきているため、リスクマネジメント研修によって多様化する問題に備える必要があるでしょう。
リスクマネジメント研修の主な内容
リスクマネジメント研修の内容は、受講するセミナーによってさまざまです。たとえば、仕事に関連する法律関係を学べる「コンプライアンス研修」や、個人情報の扱い方を学習する「情報セキュリティ研修」などがあります。
なお、どのリスクマネジメント研修においても、重要なリスクの特定方法や評価手法をあわせて学ぶのが一般的です。具体的には、以下のような内容を学べます。
- リスクマネジメントについての基礎知識
- リスクマネジメントのプロセスに関する基礎知識
- リスクの特定・評価の手法
- リスク対応策
- リスクマネジメント体制の検証
リスクマネジメントの基礎から評価方法までを学べるため、研修終了後の事業に活用できます。
リスクマネジメント研修前にすべき4つのこと
リスクマネジメント研修は、セミナーによって学べる内容が異なることから、事前準備を行う必要があります。具体的には、以下の4つです。
- 企業に起こり得るリスクを洗い出す
- リスクマネジメントの優先順位を決める
- コントロール目標を決める
- 企業に合った研修を探す
それぞれについて解説します。
1.企業に起こり得るリスクを洗い出す
まず、企業に起こり得るリスクを洗い出します。
近年は新型コロナウイルスの蔓延など、企業が予想できないリスクも発生しています。些細なリスクも見逃さないために、洗い出しは多くの部署から人を集めて幅広い視点から検討することが大切です。あらゆる角度からリスクを検討することにより、漏れに気付きやすくなるでしょう。
2.リスクマネジメントの優先順位を決める
次に、洗い出したリスクに応じて優先順位を決めます。リスクには多くの種類があることから、1度にすべてのリスクマネジメントを行うのは困難です。そのため、優先順位の高いリスクから順番に管理していきます。
なお、優先順位の高いリスクとは、主に以下の条件に当てはまるものです。
- 発生する可能性が高い
- 発生したときの損害が大きい
- リスクにおける対策が何もなされていない
とくに、発生する可能性が高いものや与える損害が大きいものは、企業の存続にも影響するため優先的にリスクマネジメントを行います。
3.コントロール目標を決める
リスクマネジメントの優先順位が明らかになったら、リスクのコントロール目標を決めます。リスクの発生自体を予防すべきなのか、もしくはリスクが起きた際の企業への損害を最小限に抑える対策が必要なのかを検討しましょう。
たとえば、自然災害を予防するのは不可能であるため、発生した場合の対処方法を検討します。一方、個人情報の漏洩は発生してはいけないリスクであるため、予防策の検討を急ぐべきです。このようにリスクに応じたコントロール目標を決めておくと、企業が何を学ぶべきかが明確になるでしょう。
4.企業に合った研修を探す
コントロール目標までを決めたら、その目標を達成できる研修を探します。リスクマネジメント研修には、さまざまな種類があるため、洗い出した企業の課題を参考にしながら自社に合ったものを選びましょう。企業に必要なリスクマネジメント研修を受講することにより、事業が中断するリスクに備えられます。
リスクマネジメント研修を選ぶ際のポイント
リスクマネジメント研修を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
- 企業の課題に合った研修を選ぶ
- 潜在的なリスクを見逃さないように注意する
- 階層に合った研修を受ける
- 研修の実施方法を確認する
それぞれのポイントについて解説します。
企業の課題に合った研修を選ぶ
企業の課題に合ったリスクマネジメント研修を選択しましょう。
直面し得るリスクは企業によって異なります。そのため、先ほど紹介した事前準備で明らかになったリスクに応じて、研修サービスを選びましょう。自社に合った研修を受けられると、万が一のリスクに備えた対策が取れます。
潜在的なリスクを見逃さないように注意する
リスクマネジメント研修を受ける際は、潜在的なリスクを見逃さないように注意しましょう。「このリスクは自社に関係ない」「このようなリスクは発生しない」などといった先入観に影響されるケースがあります。また、潜在的なリスクは見落としやすく、発生してから気付く可能性も否定できません。
そのため、できるだけ多くの従業員で起こり得るリスクのリストアップを行い、各リスクの詳細をよく検討する必要があります。
階層に合った研修を受ける
階層に合ったリスクマネジメント研修を受けるのもポイントです。一口にリスクと言っても、その内容は多様であり、上層部が対処すべきものもあれば現場にいる従業員が対処すべきリスクもあります。階層に合った研修を受ければ、従業員それぞれが適切な対応を行えるようになるでしょう。
具体的には、経営に関するリスクは上層部が中心となって対応策を考えるべきです。一方、情報セキュリティに関するリスクは、現場で働く従業員も関係することから、従業員への研修が必要と判断できるでしょう。
研修の実施方法を確認する
リスクマネジメント研修を受講する際は、実施方法を確認しましょう。事業形態や従業員の状況に合わせた実施方法を検討すると、受講率の向上が見込めます。
たとえば、自社内でリスクマネジメント研修を実施できる環境が整っている場合は、対象従業員を集め自社内で研修を受講してもらえばよいでしょう。一方、リモート勤務などで出社しない社員が多い状況であれば、オンライン上で受講してもらう方が社員にとって都合がいいかもしれません。
自社内にリスクマネジメント研修を実施できるリソースがない場合は、外部セミナーを活用するのも有効です。自社内にはないノウハウを吸収できるほか、思いつかなかったリスクにも気付けるメリットがあります。金銭的なコストは発生するものの、自社内のリソースを確保できなくてもレベルの高いリスクマネジメント研修を実施できます。
リスクマネジメント研修におすすめの研修会社
ここからは、リスクマネジメント研修におすすめの研修会社を3つ紹介します。それぞれの特徴を参考に、自社に合った研修会社を選びましょう。
SMBCコンサルティング株式会社
SMBCコンサルティング株式会社では、企業におけるリスク管理の重要性を再確認したうえでリスクマネジメントを学べる研修を提供しています。講師派遣型の研修であるため、自社内での実施が可能です。
同研修では、自社の要望に応じたカスタマイズができるほか、職場における業務リスクやヒューマンリスクなども具体的に学べます。そのため、リスクマネジメントへの意識を高めやすいのも魅力です。また同社では、新入社員・新人研修や内定者研修、マーケティング研修などのあらゆる研修を実施しており、リスクマネジメント以外の研修も行いたい場合におすすめです。
(参考:SMBCコンサルティング教育サイト リスクマネジメント研修)
株式会社インソース
株式会社インソースは、年間70万人以上に教育サービスを提供している企業です。年間300以上の新規研修・動画を開発しており、多くの学べる場を提供しています。
リスクマネジメント研修においては、日々変化する情勢に対応できるように具体的な方法の実践を重視しています。研修後に現場で活かせるような学びを提供することにより、幅広いリスクに対応できるようにサポートしているのもポイントです。顕在化していないリスクも把握できるため、リスクの洗い出しに不安がある企業におすすめです。
(参考:リスクマネジメント研修:現場で使える研修ならインソース)
株式会社ノビテク
株式会社ノビテクは、企業の課題を解決する研修の実施・計画を行っています。階層別研修や課題別研修なども行っており、自社のニーズに合わせてカスタマイズできます。
リスクマネジメント研修では、普段から企業や従業員を守るためのポイントを事例を交えながら学習できるのがポイントです。商取引や法の抜け道を利用した詐欺犯罪や、重大過失事故などのリスクに備えられるため、これらのリスクマネジメントを考えている企業におすすめです。
さらに、リスクの発見方法やコントロール法を習得できるため、あらゆるリスクマネジメントに活かせるでしょう。
(参考:リスクマネジメント研修 | 株式会社ノビテク nobetech)
災害へのリスクマネジメントにはトヨクモ『安否確認サービス2』の導入がおすすめ
災害におけるリスクマネジメントを考えている企業には、トヨクモの『安否確認サービス2』がおすすめです。安否確認サービス2は、気象庁の情報と連動して安否確認の通知を自動で送るサービスです。一斉送信された安否確認は、事前登録したメールアドレスや専用アプリなどに通知されるため、通知の未達を防げます。
なお、安否確認サービス2は、さまざまな魅力がありますが、とくにおすすめしたいポイントは以下のとおりです。
- 自社の防災意識を自動で分析できる
- BCPに必須な機能を搭載している
それぞれについて解説します。
自社の防災意識を自動で分析できる
安否確認サービス2は、自社の防災意識を自動で分析できます。
トヨクモでは毎年9月1日に安否確認サービス2の全国一斉訓練を実施しています。システムに災害時に近い負荷をかけ、安定的に稼働できるかをチェックしているため安心して利用できるでしょう。また、全国一斉訓練は実施日と時間帯のみしか公開されていないため、企業は実際の災害時と同じような訓練を行えます。
なお、訓練終了後に送付される結果レポートは、自社の防災意識を見える化しているため、他社との比較や至らない点の把握に活かせます。近年は自然災害が増加していることから、自社の防災意識を高めつつ、災害へのリスクマネジメントを検討したい企業におすすめです。
BCPに必須な機能を搭載している
安否確認サービス2は、BCPに必須な機能を搭載しているのも魅力です。BCP(事業継続計画)とは、災害をはじめとするリスクに直面した際に企業の早期復旧を目指す計画のことです。リスクが生じたときは事業活動が一時的に低下し、収益が悪化することが懸念されます。事前にBCPを策定していれば、必要に応じた対処法を講じやすくなり、企業への損害を最小限に抑えられるでしょう。
なお、災害発生時は従業員の安否確認だけではなく、一部の従業員と今後についての議論をしたり、さまざまな情報の共有をしたりする必要があります。安否確認サービス2には以下の3つの機能が搭載されており、議論や情報共有を迅速に行えます。
概要 | 利用例 | |
---|---|---|
掲示板 | すべてのユーザーが書き込めるため、情報共有に活かせる | ・被災状況の伝達 ・災害時のマニュアル掲載 |
メッセージ | 宛先を指定したユーザーのみが閲覧・書き込みができる | ・一部の従業員との議論 ・部署単位での情報共有 |
一斉送信メール | 情報を一斉送信できる | ・被害状況の回答 ・災害時の対応 |
これらの機能は平時にも活用できるため、日頃から使い慣れておけば非常時の混乱を避けられるでしょう。
リスクマネジメント研修を受けて企業への損害を最小限に抑えよう
リスクマネジメント研修は、企業に起こり得るリスクを事前に把握し、必要な予防策を学べる場です。「自社に起こり得るリスクにはどのようなものがあるのか」や「リスク発生を予防するにはどうすればいいのか」などを事前に学んでおけば、リスクが起きたときの対応も迅速に行えます。事業を継続しやすい環境を整えられるため、企業の損害を最小限に抑えられるでしょう。
災害時のリスクマネジメントには、トヨクモの『安否確認サービス2』がおすすめです。すべてのプランで初期費用がかからないため、導入を検討している企業も試しやすいのも魅力です。また、30日間の無料お試し期間も設けられています。災害時のリスクマネジメントをお考えの方は、管理も運用も簡単な安否確認サービス2の導入をぜひ検討してください。