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自治会主体の安否確認訓練が地域住民を救う!重要性と方法を解説

近年、国内では地震や水害など大規模な災害が増加しており、いざという時、迅速な安否確認や適切な初動対応を行うためには、日頃から地域住民が互いに連携を取れる環境づくりをしておくことが大切といわれています。

そんな中注目を集めているのが、全国各地で自治会(本記事では町内会や自主防災組織、まちづくり協議会など地縁的なコミュニティによる組織だった活動を指します。)ごとに行われている安否確認訓練です。

今回は、各自治会における訓練が重要とされる理由や訓練の具体的な方法、おすすめのシステムなどについて解説します。

自治会で安否確認訓練を行うべき理由

大規模な災害が発生した場合、通常は消防や警察、自衛隊などによって救助作業が行われます。

しかし一方で、たとえ一刻を争う状況であっても、混乱状態にある被災下で優先的に救助してもらえるという保証はどこにもありません。

また、万が一何らかの原因で道路や交通手段が断絶してしまえば、助けが来るまでにかなり時間がかかってしまい、救える命が救えないといった状況に陥る可能性もあります。

そんな時に頼りになるのが、近隣住民同士の協力体制です。

過去に行なわれた調査では、阪神・淡路大震災が発生した際、地震により建物から救出され生き延びた人のうち、約8割が家族や近隣住民に助けられ、救助隊に救出されたのはわずか約2割というデータが出ています。

そのことからも、日頃から近隣住民とのつながりを密にしておくことが、万が一の際に生存率を高めることにつながるということが分かるでしょう。

とはいえ、ただ近所の人たちと仲良くしておけば安心というわけではありません。

いざという時にどのようにお互いの安否を確認するのか、連絡を取り合うのかといった具体的な内容について、訓練を通して確認し合い、共通認識を持っておくことが大切です。

自治会で安否確認訓練を行う方法

有事の際に助け合うためには、日頃から自治会ごとに安否確認訓練を実施しておくことが非常に大切です。

とはいえ、何の前触れもなく訓練の告知を行ったところで、地域住民の協力を得るのは難しいものです。

まずは、住民の方たちに積極的に安否確認訓練に参加してもらうための重要なポイントを押さえておきましょう。

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近隣住民で声を掛け合える関係性づくり

当然のことながら、近所の人たちとほとんど面識がないといった状況では、有事の際にお互い協力したり、安否確認をしたりするのは難しくなります。

これは訓練にしても同様で、自治会が行う安否確認訓練に近隣住民に参加してもらうには、いざという時にお互い声を掛け合える程度の関係性を日頃から構築しておくことが大切です。

中には、いきなり「訓練」と聞くと難しさや面倒臭さを感じてしまう方もいるため、日頃から気軽に参加できるようお祭りやワークショップなどを開催し、住民同士が顔見知りになれる工夫をしている自治会も多くあります。

近年は近所付き合いが減少傾向にありますが、災害が起きた際、スムーズに状況を把握し合うためにも、最低限両隣の家とは声を掛け合える関係を作っておくことが望ましいでしょう。

自治会は情報の収集・発信経路を構築しておく

有事の際には、自治会が主体となって迅速に安否確認できる仕組みを確立しておくことが理想です。

まずは地域やグループの安否確認担当者を決め、災害時には担当者が誰に報告するのか、最終的に誰が情報を集約し、次の指示を出すのかということを決めておきましょう。

また自治会は、災害発生時に行政と地域住民をつなぐ窓口の役割も担います。

被災下において、行政や他の地域からの情報を迅速に地域住民に伝えるためにも、平時からSNSや掲示板、後にご紹介する安否確認システムなどを活用し、状況に応じて柔軟に情報を発信できる仕組みを構築しておくことが非常に重要です。

各自治会に合ったツールを活用し、災害発生時の情報収集、近隣住民への確実な情報発信ができる仕組みをしっかりと構築した上で安否確認訓練を実施すると、地域の人たちもより安心して過ごせるはずです。

災害に対する危機感を住民に持ってもらう

災害に対して危機感を持ってもらうことも、安否確認訓練を成功させるポイントの1つです。

自治会側がどれほど立派な安否確認システムや防災の仕組みを構築したとしても、地域住民がその意味や重要性を理解していなければ、安否確認訓練に参加してもらうことは難しく、当然有事の際にもうまく機能させることはできません。

災害発生時、安否確認を怠るとどのような状況に陥るのか、一方で安否確認を徹底することでどのような効果があるのか、といったことをしっかりと理解してもらい、いつ起こるか分からない災害に対し、常に危機意識を持ってもらうことで、地域住民も積極的に安否確認訓練に参加してくれるようになります。

自治会側で安否確認のルールを決め周知する

自治会主体で防災活動を行う際は、地域住民の意見を聞きながら、自治会側でしっかりとルールを策定することが大切です。

いざという時に適切な対応をするためには、地域住民全員がルールを理解しておく必要があるため、必ず事前に共有しておきましょう。

ルールの例としては、住民をいくつかのグループに分け、災害が発生した際はそれぞれ決められた防災担当者が自治会長あるいは避難場所へ報告に行くというような流れを決めておくと、いざという時にも混乱せず動けるようになります。

また、あらかじめ決めておいたツールで各自状況を報告、確認するという方法も非常に有効です。

併せて、避難場所や避難経路などについて明確にし、地域住民に周知しておきましょう。

自治会が安否確認の重要性を説くための取り組み

先にお伝えした通り、どれほど確実な安否確認の仕組みを構築したとしても、地域住民が安否確認の重要性をしっかりと理解しておらず、訓練に際しても「なんとなく参加する」という状況では全く意味がありません。

こちらでは、近隣住民に安否確認の重要性を理解してもらうために、自治会が取り組むべき課題についてご紹介します。

自治会からの定期的な情報提供

近隣住民に安否確認の重要性を正しく理解してもらうためには、自治会側が定期的に防災情報などを発信すると効果的です。

災害発生の有無にかかわらず、日常的にハザードマップの周知やSNSでの情報発信といった形で情報提供をし続けることで、住民に「災害とはいつ起きてもおかしくないもの」という意識が芽生えるのです。

実際に住民参加型の安否確認訓練を行うことも大切ですが、半年や1年に一度では「恒例イベント」のような意識となってしまい、マンネリ化する可能性もあります。

いざという時に地域住民1人ひとりが自覚をもって行動できるよう、訓練と日頃からの情報発信を組み合わせて意識付けしていきましょう。

自治会による訓練やワークショップの実施

防災に関する情報発信と並行し、実際の災害を想定した訓練やワークショップを定期的に実施することが、住民たちの「対応力」を養うことにつながります。

前述の通り、毎回同じ条件や内容だとマンネリ化してしまう可能性があるため、自治会側は常に新しい情報を取り入れ、いかに住民たちの興味を引くよう工夫できるかがポイントとなります。

自治体に相談すれば、防災士などの専門家を派遣してくれることもあるので、相談してみるのもおすすめです。

安否確認グッズを配布する

安否確認グッズを住民たちに配布するというのも有効な手段です。

災害発生時、救助を必要とする家をいち早く見つけるために、さまざまな防災グッズが販売されています。

それらをいち早く取り入れた神奈川県では、掲示することで無事が確認できる「安否タオル」や、一目で在宅者や確認事項が把握できる「安否確認ステッカー」などを使った防災訓練や安否確認訓練が自治会単位で行われており、被災下でも近隣住民がお互いの無事を知らせることができる仕組みができています。

実際に使用できるグッズを配布、活用することで、安否確認の必要性がより身近に感じられ、災害を「自分たちの身にも起こりうるもの」として認識できるようになるのです。

自治会の安否確認を助ける安否確認システム

安否確認の重要性を理解してもらうための取り組みをいくつかご紹介しましたが、何より大切なのは「迅速な情報収集と発信」です。

速やかに人命救助を行うためには、いち早く近隣住民の安否を確認し、適切な指示を出すという仕組みが欠かせません。

そこで有効なのが「安否確認システム」です。

安否確認システムとは、災害発生時に家族や知人、社員などの安否状況を確認する目的で開発されたツールで、災害発生と同時に登録者には安否確認メールが自動発報され、回答者は数回タップするだけで安否確認作業が完了します。

集められた情報はリアルタイムで確認可能で、管理者側は瞬時に次の指示を出すことができるため、自治会側にとっても地域住民にとっても安心・安全なシステムといえます。こちらでは、そんな安否確認システムを導入するメリットについてご紹介します。

自治会に属する人々の安否確認連絡がスムーズに行える

災害発生時には防災担当者から連絡が来る仕組みがあれば安心と考えがちですが、実際は本人が被災してしまい、対応ができないという可能性も大いにあります。

しかし安否確認システムであれば、災害発生に伴い自動的に安否確認メールが送られるため、確実に登録者の安否確認を行うことが可能です。

通信回線やインターネットが機能しないときにも連絡が取れる

過去の災害でも大きな問題として取り上げられている課題ですが、災害が発生すると、電話やキャリアメールは断線やサーバーのパンクなどによりつながりにくくなり、通常通りのやり取りはほぼ不可能と考えておいて間違いありません。

一方で、複数拠点にサーバーを置く安否確認システムは、回線トラブルが生じる可能性が極めて低いことが特徴です。

そのため、被災下であっても普段と変わらず連絡手段として活用できるというメリットがあります。

自治会からの情報発信も容易

電話やメール、SNSなどそれぞれ連絡手段が異なる場合、自治会側がどれだけ大変な状況にあったとしても、個々に合わせてプラットフォーム別に連絡をしなければならず、非常に時間と手間がかかってしまいます。

しかし、安否確認システムであれば、事前に各自が連絡先を登録しておくことで、一括での連絡が可能です。

同時に掲示板機能やメッセージ機能を活用することで、タイムリーに情報を共有できるため、安否確認をした後の対応もスムーズにこなせるようになります。

自治会の取り組みと安否確認システムでより安心、安全な暮らしを

自治会における安否確認訓練の重要性や訓練の方法、地域住民の理解を得る工夫などについて詳しくご紹介しました。

有事の際に少しでも多くの命を救うためには近隣住民の協力が必要不可欠ですが、実際に災害が発生した時にそれぞれが適切な行動を取るためには、住民1人ひとりに防災意識を持ってもらうことが大切です。

自治会は常に情報収集、発信ができる環境を整え、地域住民が互いに声を掛け合うことができる関係性が作れるようさまざまな取り組みで工夫しましょう。

また有事の際、時間や手間なく確実に安否確認を行うためには、安否確認システムの導入がおすすめです。

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