近年、企業の安否確認が注目されており、緊急事態時の体制を整えたいと考える企業が増えています。災害をはじめとする緊急事態時は混乱が予想されるため、スムーズに安否確認ができる体制を構築しておかなければいけません。
その際に役立つのがフローチャートです。フローチャートとは行動のプロセスを図にして可視化したもので、全体の流れを把握したいときに役立ちます。緊急時の安否確認の流れをフローチャートにしておけば、次の行動が分かりやすくなりスムーズに安否確認を行えるでしょう。
そこでこの記事では、安否確認のフローチャートを作成する方法を紹介します。作成する際のポイントや必要性も解説していますので、あわせて参考にしてください。
目次
安否確認におけるフローチャートの目的
緊急時に備えフローチャートを作成しておくと、すみやかに従業員の安否確認を行えます。安否確認が必要となる場面は、地震や津波などの災害時である可能性が高いです。通常と異なる状況下では冷静な判断を下しにくいため、混乱する従業員が増えることが想定されます。
あらかじめフローチャートを作成していれば、次に何をすればよいのかを各従業員が瞬時に判断でき、混乱状況下でも必要な対策を実行しやすいです。結果的に迅速な初動が可能となり、事業の早期復旧も期待できるでしょう。
安否確認のフローチャート作成方法
安否確認のフローチャートを作成する際の手順は、以下のとおりです。
- 作成者や担当部署を決める
- 安否確認の手順を再確認する
- 安否確認の流れをフローチャートにまとめる
- 社内で共有する
それぞれについて解説します。
1.作成者や担当部署を決める
まず、フローチャートを作成する担当者・担当部署を決めましょう。
緊急事態が発生したときにスムーズに動けるよう、フローチャートは常にブラッシュアップし続ける必要があります。そのため、従業員からの不明点や指摘などがあれば作成者や担当部署が定期的に調整しなければいけません。また、安否確認には従業員の個人情報を扱うことから、責任者を明確にしておく必要もあるでしょう。
なお、フローチャートの作成が1人の担当者に属人化してしまうと、その人がいなければ修正や調整ができない事態となります。どのような場合でも迅速な対応ができるように複数の作成者を選定したり、担当部署を設置したりするのがおすすめです。
2.安否確認の手順を再確認する
担当者が決まったら、安否確認の手順を確認しましょう。
「フローチャートに含むべき行動は何か」を踏まえ、安否確認の手順をパターンごとに記載します。たとえば、従業員との連絡がついた場合とつかない場合とでは、次の行動が変わってくるでしょう。そのため、どちらのパターンも想定してフローチャートの作成を進めます。1つひとつの手順をよく確認しておくと安心です。
3.安否確認の流れが分かるようにフローチャートにまとめる
安否確認の手順を再確認したら、全体的な流れが分かるようにフローチャートにまとめていきましょう。
フローチャートは、図や矢印を使って全体の流れを可視化するものです。分岐点の数が多すぎると次の行動を予想しにくくなるため、大まかな流れを作るのがおすすめです。「次は何をすべきか」や「今判断しなければいけないことは何か」が分かるようなフローチャートを作成してください。
4.社内で共有する
フローチャートが完成したら、社内で共有します。「どのような場合に安否確認を実施するか」や「自分が担当する行動や対策はあるか」などを確認し合い、必要があればフローチャートを調整します。いつ緊急事態が起こってもいいよう、常に最善の状態にしておくことが重要です。
なお、作成したフローチャートは従業員へ周知し、いつでも確認できるようにします。掲示板に貼り付ける、印刷して配布する、PDFファイルとして共有するなど誰でも見られる状態にしておきましょう。
安否確認のフローチャートのサンプル
- 災害発生
- 従業員へ一斉メール送信
- 本人と家族の安否確認
- リストへの安否状況の入力・集計
- 重要書類の保護
- 従業員の帰宅支援
- 被害状況の把握・点検
- 周辺地域の状況把握
- 地域支援のニーズ確認
- 取引先の被害状況把握
地震や津波、大雨や大型台風のような風水害など自然災害の場合、上記のようなフローチャートをもとに、自社のフローチャートを作成するといいでしょう。
安否確認のフローチャートを作成する際のポイント
安否確認のフローチャートを作成する際のポイントは、以下のとおりです。
- シンプルで見やすいものを作成する
- 勤務中と勤務時間外に分けて作成する
- 従業員の連絡先をまとめておく
- フローチャートを活用した訓練を定期的に行う
- 想定外の出来事への対処法を考えておく
それぞれのポイントを解説します。
シンプルで見やすいものを作成する
安否確認のフローチャートは、シンプルで見やすいものを作成しましょう。先ほど紹介したとおり、フローチャートは分岐点が多すぎると、次にすべき行動を判断しづらいです。緊急事態の対応のためのフローチャートなので、瞬時にやるべきことがわかるようにシンプルかつ分かりやすい内容にまとめておくべきです。
迅速な安否確認を行うため何をするのか、必要最低限の項目に絞った上でフローチャートを作成するのがおすすめです。すると結果的に迅速な初動が可能となり、事業の早期復旧も期待できます。
勤務中と勤務時間外に分けて作成する
安否確認のフローチャートは、勤務中と勤務時間外に分けて作成するのがおすすめです。
勤務中と勤務時間外は従業員のいる場所も異なり、安否確認の行動に差がみられるからです。たとえば、夜間に大きな地震が発生した場合、従業員の安否確認はすぐに行う必要があるものの、すぐさま企業に集める必要はないでしょう。暗闇の中では経路の安全確認が難しいため、翌朝に出社できる従業員を集め現場の復旧に取り組むのが一般的です。
反対に、勤務時間内であればすぐさま災害対策本部を設置して、動ける従業員を集めることもできます。このように、災害が発生するタイミングによって対応方法が変わる場合は、それぞれに合わせたフローチャートを作成すると混乱を最小限に抑えられます。
従業員の連絡先リストを作成しておく
安否確認のフローチャートを作成する場合は、従業員の連絡先をまとめておきましょう。
メールアドレスや電話番号、SNSなど従業員の連絡先が分からなければ、安否確認を行うのは困難です。勤務時間外の連絡も予想されるため、プライベートの連絡先も把握しておきます。
また、連絡先は1つではなく、複数把握しておくと通知の未到達を防げます。とくに災害発生時は通信回線の混雑や電波障害が予想されるため、アクセス集中が起きても連絡できる手段が望ましいです。
なお、従業員の連絡先は個人情報に含まれるため、取り扱いには十分注意しましょう。従業員に安否確認の重要性を説明し、その上で適切な方法で管理することが大切です。
フローチャートを活用した訓練を定期的に行う
災害をはじめとする緊急事態が発生したときにフローチャートを最大限活用できるよう、定期的に訓練を実施するのがおすすめです。
フローチャートを作成した際は完璧に思えても、実際に運用してみると使いにくさを感じるケースもあります。訓練を通して改善点が見つかったらフローチャートに反映し、よりいいものに改善していきましょう。
また、定期的に訓練を行っていれば、緊急事態が発生したときも混乱することなく従業員の一人ひとりが冷静な行動を取りやすくなります。
想定外の出来事への対処法を考えておく
緊急事態時は、何が起こるか予想できません。そのため、想定外の出来事が起こったときの対処法をあらかじめ考えておくことも重要です。
たとえば、大規模地震によって安否確認の担当者や担当部署の従業員と連絡が取れないケースも想定されます。このような出来事が起こった場合に対応できる代理人をあらかじめ用意していれば、スムーズに安否確認を行えるでしょう。
起こり得る出来事だけではなく、想定外のことが発生したケースも考えておけば、柔軟な対応が可能となります。
安否確認をスムーズに行いたい人にはトヨクモの『安否確認サービス2』の活用がおすすめ
安否確認をよりスムーズに行いたい場合には、トヨクモが提供している『安否確認サービス2』の利用がおすすめです。
安否確認サービス2とは、気象庁の災害情報と連動して安否確認通知を自動で行えるサービスです。一斉送信された安否確認連絡は、事前登録されたメールアドレスや専用アプリなどに通知されるため「通知が届かない」といったトラブルを未然に防げます。また、従業員からの回答結果を自動で集計・分析してくれるため、安否確認にかかる作業コストを大幅に削減できるでしょう。
安否確認サービス2は多くの魅力がありますが、とくにおすすめしたい特徴は以下の4つです。
- 操作性が高い
- 全国一斉訓練を実施している
- BCPに必須の機能が搭載されている
- 目的や課題に合わせたプランを選べる
それぞれについて解説します。
操作性が高い
安否確認サービス2は操作性が高く、すべての従業員に受け入れてもらいやすいです。安否確認メールに記載されたURLをクリックするだけで簡単にログインできるため、災害時の混乱状況下であってもスムーズに回答できるでしょう。シンプルな操作画面は、直感的に操作しやすく誰でも戸惑うことなく活用できます。
さらに、安否確認サービス2はパソコンやスマートフォン、タブレットだけではなく、フィーチャーフォン(ガラケー)にも対応しています。より多くの端末から利用できるため、制限を設けることなく活用できるでしょう。
全国一斉訓練を実施している
安否確認サービス2は、防災の日である9月1日に全国一斉訓練を実施しています。災害発生時に近い負荷をかけることによって、システムを安定的に稼働できるかどうかをチェックしています。全国一斉訓練は実施日と時間帯のみを公開しており、詳細については担当者にすら知らせていません。
そのため、実際の災害が起きたときと同様に通知が届いてから事態を把握できるため「フローチャートに不備がないか」「よりよい安否確認方法はないか」などを確認する際にも役立てられます。訓練終了後には各企業に結果レポートを送付しており、自社の防災意識の見直しにも活かせるでしょう。
BCPに必須の機能を搭載している
安否確認サービス2は、BCPに必須の機能を搭載しているのも魅力です。BCP(事業継続計画)とは、企業の損害を最小限に抑えながら事業の早期復旧を可能にする計画のことです。
企業は災害をはじめとする重大なアクシデントに直面すると、事業の継続が困難となり収益が一時的に減少します。この状態が長期化すれば企業の存続にも大きな影響を与えるため、できる限り早期復旧を目指さなければいけません。
BCPを策定していれば、事業復旧への道筋が分かりやすくなり、次の一手を打ちやすいです。その結果、事業の早期復旧が期待でき、企業の損害も最小限に抑えられるでしょう。
安否確認サービス2には、すべてのユーザーが書き込める「掲示板」や特定のユーザーのみでやり取りを行える「メッセージ」といった機能が搭載されています。これらの機能を利用し従業員全員への連絡事項を伝え、一部の社員で議論をして災害時の対応をリアルタイムで議論できるため、スムーズにBCPを実行できます。
BCPの策定がまだの人は、トヨクモが提供している『BCP策定支援サービス(ライト版)』をご活用ください。通常、BCPコンサルティングは数十〜数百万円ほどしますが、BCP策定支援サービス(ライト版)であれば1ヵ月15万円(税抜)で利用できます。最短1ヵ月で策定できるため「すぐにでもBCPを策定したい」または「費用を抑えながら策定したい」とお考えの方におすすめです。
BCP策定支援サービス(ライト版)の資料をダウンロードする
※BCP策定支援サービス(ライト版)は株式会社大塚商会が代理店として販売しています。
目的や課題に合わせたプランを選べる
安否確認サービス2は、目的や課題に合わせて以下のプランから選べます。
ライト | プレミア | ファミリー | エンタープライズ | |
---|---|---|---|---|
特徴 | 機能限定で手軽に始められる | スタンダードなプランで一番人気 | 従業員の家族も安否確認できる | グループ会社の安否確認もできる |
月額利用料(※税別) | 6,800円 | 8,800円 | 10,800円 | 14,800円 |
※50ユーザーまでが利用した場合の月額利用料。ユーザー数によって利用料は変動する。
プランによって利用できる機能に違いがあるため、導入前に安否確認サービス2を活用する目的や自社の課題を明確にしておきましょう。なお、どのプランを選択しても、初期費用・解約費用は無料です。30日間のお試し期間も設けられていますので、導入を迷っている場合も試しやすいでしょう。
安否確認におけるフローチャートを作成しよう
安否確認のフローチャートを作成しておくと次の行動を予想しやすくなるため、迅速な安否確認を行えます。その結果、安否確認にかかるコストを削減でき、事業の早期復旧に力を注げるでしょう。ただし、安否確認のフローチャートは作成したまま放置していたら意味がありません。フローチャートを活用し定期的な訓練を行い、全従業員に浸透させることが重要です。
トヨクモの『安否確認サービス2』は、気象庁の災害情報と連動して自動で安否確認通知を送信できます。従業員から得られた回答結果も自動で集計・分析できるため、安否確認にかかる手間を大幅に削減できるのが特徴です。また、毎年9月1日に行われる全国一斉訓練を活用すれば、フローチャートを使いながら安否確認サービス2で安否確認をする流れが訓練できます。スムーズに緊急時の対応を行いたい方は、ぜひトヨクモの『安否確認サービス2』をご活用ください。