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地震が及ぼす二次災害とは?6つの可能性や対策をご紹介!

地震は恐ろしい天災です。発生すると建物の倒壊や物の落下などが起こり、甚大な被害を受けることも珍しくありません。また、地震の場合は直接的な被害はもちろん、二次災害にも注意が必要です。会社や従業員を守るためにも、企業経営者や防災担当者の方は、地震で起きる二次災害の種類と対策について知っておきましょう。

二次災害とは

二次災害とは、最初に発生した災害を導線に別の災害が発生することを指します。たとえば、豪雨が発生すると地盤が緩くなるため、それに起因して土砂崩れが起こりやすくなります。これが二次災害です。

海や山などで遭難したときは救助が必要となり、救助隊が出動することがあります。こうしたケースで、救助にあたった側の人員が被災してしまうことがあります。雪山での活動中に隊員が雪崩に遭遇した、海で遭難者を救出しようとして溺れた、などの事例もあります。これらも二次災害といえるでしょう。

このように、さまざまな災害において二次災害は発生します。もちろん地震でもこうしたことが起きます。では、具体的にどのような二次災害があるのでしょうか。

参考:
ARVO「【災害別】二次災害を防ぐために気を付けたい11の備えと対策」

地震による二次災害にはどのようなものがあるか

津波

地震による二次災害として、津波が挙げられます。津波は海底の断層がずれて盛り上がり、海水が押し上げられることで発生します。それが巨大な波となり、陸に押し寄せてきます。地震のマグニチュードが大きくなるほど断層のずれも大きくなる傾向にあり、津波のエネルギーも比例して大きくなります。

津波が発生すると、企業ではオフィスや工場などが浸水する恐れがあります。建物が被害を受けるのはもちろん、設備機器がダメージを受けたり、重要な書類などが失われることもあります。東日本大震災のように巨大な波が襲ってきた場合だと、建物が丸ごと飲み込まれる、流されるといった甚大な被害も考えられるでしょう。

従業員も被害に遭います。浸水して足場が悪くなったオフィスで転倒してケガをする、溺れるといった被害も起こりえるでしょう。また、建物内に水が大量に侵入したことでパニックになり、逃げようとして逆に被害に遭うといったことも考えられます。

火災

火災も地震が起きたときに発生する確率の高い二次災害です。実際、これまで地震に起因した火災によって大勢の命が失われたこともありました。代表的なものとして、1923年に発生した関東大震災が挙げられます。地震発生当時、関東地方には台風による強風が吹いており、広範囲にわたって火災が広がりました。その結果、多くの方が焼死することになったのです。

また、1995年に起きた阪神・淡路大震災でも同様に、地震発生直後に大規模な火災が起き、多くの命が奪われたのです。

地震で火災が起きる原因としては、火の不始末や電気配線のショートなどが挙げられます。また、ストーブなど暖房機器が倒れて延焼することもあります。灯油やガソリンなどを使用する工場では、はずみで引火して爆発、火災となることが考えられます。

地割れ

地割れが起きることもあります。地震による強い揺れが原因で地表に亀裂が入ることをいいます。地盤が弱いところや傾斜地で起こりやすく、地形そのものが変わってしまうこともあります。地割れが起きると、そこに足や体をとられてしまいケガをするリスクがあります。大きな地割れだと体やクルマごとはまる可能性もあって命に関わります。

ライフラインの遮断

ライフラインが遮断されるのも二次災害の一種といえます。断水や停電、ガスが止まるといったことが考えられます。

水が止まってしまうと飲み水やトイレの水を確保できません。断水については、地震発生から時間差で生じる場合もあるようですので、水が出る場合はバケツや浴槽、ペットボトルなど可能な限り水を溜めるようにしましょう。

電気がストップすると、夜ならもちろん真っ暗に。暗闇でも安全を確保するため、懐中電灯は準備しておくといいでしょう。また、災害時は安否確認や情報収拾に携帯電話が手放せません。充電ができないと、救助を呼べない可能性もあります。モバイルバッテリーがあると安心です。

エコノミークラス症候群

車中泊や狭いところで寝ることで生じるエコノミークラス症候群も二次災害の1つといえます。自宅が倒壊した、もしくはその危険があるときには車の中で寝泊まりを強いられることもあります。業務中に被災した場合だと、自宅に戻れずに駐車場に停めてあるマイカーの中で数日を過ごさなくてはならないことも考えられます。

同じ姿勢のまま長時間いると、静脈に血栓が生まれ肺の血管に詰まることがあります。これがエコノミークラス症候群です。代表的な症状としては、呼吸困難や胸痛、不安感、冷や汗、発熱などが挙げられます。最悪の場合死にいたることもあるため、侮ってはいけません。

液状化現象

液状化現象も二次災害です。地盤が緩いところで起きやすく、地面の水分が増えて地盤が弱くなることで発生します。液状化現象が起きると建物が地面に沈んだり、道路のマンホールが浮きあがったりします。
地盤の緩い埋め立て地に工場や倉庫を建てている場合だと、液状化現象の被害を受けやすいかもしれません。建物が沈み従業員が外に出られなくなる、避難中に浮かび上がったマンホールにぶつかってケガをする、といったことも考えられるでしょう。

このように、地震による二次災害は多岐にわたります。地震はいつ発生するか分からないため、完全に回避することはできません。しかし、適切な対策を施しておけば、二次的な被害を最小限に留めることは可能です。では、具体的にどのような対策があるのでしょうか。

参考:
オクレンジャー「地震による二次災害」
大地震に備えよう「よく聞く「二次災害」ってなんだろう?」
ジャパンホームシールド株式会社「地震による一次災害や二次災害とは?地震が起きたときの正しい対応」
日経電子版NIKKEI STYLE「津波って、どんなしくみで起こるの?」
国立循環器病研究センター「急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の話」

地震による二次災害への対策

地震による二次災害が起きると、通常の業務ができなくなる可能性があります。そうなると、利益の確保が難しくなるばかりか、取引先との関係性にも影響が出てしまうかもしれません。従業員を雇用し続けることが難しくなることも考えられ、最悪の場合、事業継続ができなくなるかもしれません。

こうした事態を回避するためにも、地震による二次災害への対策を適切に進める必要があります。

事前の対策

避難ルートや避難場所を確保

まず、予防策として避難ルートや避難場所を確保しなくてはなりません。また、実際に災害が発生したときにパニックにならないよう、安全な避難方法についても日ごろから社内に周知しておく必要があります。

行動計画表の作成

二次災害の種類は多岐にわたるため、種類に応じた行動計画表も作成しましょう。火災が起きたときはこう行動する、津波のときはこのようにするなど、あらかじめ決めておきます。こうしておけば、いざ災害が起きたときも従業員は自分たちがどう行動すればいいのか分かります。

また、いざという時に迅速に状況を把握し、指示を出すためのシステムが必要です。

トヨクモの安否確認サービスは、管理者からの「一斉送信」だけでなく、相互にやり取りが可能なチャット機能も充実しています。災害時、情報収拾から指示を担うシステムがない企業の担当者は、ぜひ一度確認してみてください。

定期的な避難訓練

行動計画表を作成・共有して頭では理解できていても、いざ災害が発生するとその通りに行動できない可能性が高いのです。いざというときにもスムーズに動けるように、実際の災害をできる限り想定した訓練を繰り返し行って、避難行動を体に沁み込ませましょう。

災害が起きたときには、近隣の住民や企業とも助けあう必要があります。そのため、日ごろから近隣の企業や住民と交流し、万が一のときには協力しあえるような体制を整えておくことが大切です。

事後の対策

火災

実際に地震が発生したとき、火災対策として、まずは使用している電気機器の電源を落としてください。ブレーカーも速やかに落としましょう。電気機器や配線がショートすると火災に発展する恐れがあるからです。また、火を使っていたのならすぐに消しましょう。

津波

津波が発生する恐れがある場合は、できるだけ高い場所に避難します。就業中に津波が起きたときの避難場所が決められているのなら、それに従って行動します。津波が迫るスピードは速いため、落ち着いて迅速に行動しなくてはなりません。

参考:
オクレンジャー「地震による二次災害」
大地震に備えよう「よく聞く「二次災害」ってなんだろう?」
ジャパンホームシールド株式会社「地震による一次災害や二次災害とは?地震が起きたときの正しい対応」
Square「自然災害に強いビジネスに変わるための「企業防災」のポイント」

まとめ

地震の二次災害が原因で事業を継続できなくなる、業績を大きく落としてしまうことは十分に考えられます。こうした事態を招かないためにも、地震の二次災害にしっかり備えておかねばなりません。企業の経営者、防災担当者の方は、会社はもちろん従業員の安全を守るためにも、二次災害対策にきちんと向き合うことが大切です。

 

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