企業の種類別、年末年始休暇の日数は?有給休暇との関係は?

企業の種類別、年末年始休暇の日数は?有給休暇との関係は?

企業を経営するうえで考えに含めなければならないものの一つに、従業員への待遇がよいものかどうかという点があります。そしてそのなかでも重要なウェイトを占めるのが、休日の設定。特に年末年始休暇や有給休暇の定め方です。

企業担当者なかには、ご自分の会社の年末年始休暇のあり方は適正かと疑問に思う、またこれから休暇を設定するにあたりどうしようか思案中という方もいらっしゃるでしょう。ぜひ本稿を参考にしてください。

年末年始休暇とは


まず、「休日」と「休暇」の違いについてご説明します。「休日」とは、労働する義務のない日のことを言います。従業員は当然休むことができ、もし休日に働いてもらうことになるならば、会社には賃金の支払い義務が生じます。それに対し「休暇」とは、労働義務を免除する日、となっています。

では、年末年始のお休みはどうなのでしょうか。年末年始「休暇」とあるように、法律上、1週間に1日あるいは4週に4日休日があれば、雇用者側は従業員に対して年末年始に休暇を与える義務はありません。

それでは、なぜ年末年始休暇を設ける企業が多いのでしょうか。仕事のスキルに自信のある人たちは、条件のよい会社に就職しようとするのが普通の流れでしょう。多くの人は、「年末年始は家族とゆっくり過ごしたい」と思っています。そのため、優秀な人材に「選ばれる企業」であるために、年末年始の休暇は魅力的な条件提示なのです。質の高い従業員を確保するために、企業が用意している制度の一つが年末年始休暇である、というわけです。

また、働いているのが女性の場合、年末には大掃除や買い物、料理となすべきことがたくさんあります。親族との顔合わせなどもあるでしょう。年末年始に仕事が入ってしまうと、これらのための時間が取れず、フラストレーションが溜まるかもしれません。そこで最初から年末年始休暇のある企業を選んで就職する、という人も少なくないのです。

こういった背景を踏まえて、年末年始の出勤の要請をするときには、時給を上げたり特別手当を出したりする企業もあるので、休むよりむしろ年末年始に働きたいという人もなかにはいるようです。しかし、多くの人はやるべきことの多さや親睦などのために年末年始は休みたいと考えています。よい人材を集めるために年末年始休暇を定めるのは得策の一つといえるでしょう。

参考:HRpro 休暇と休日の違いって何?
Toma 人事・労務ブログ 夏季休暇や年末年始休暇は与えなければならない?
マイナビパートTIMES 年末年始のパート勤務はどうしている?メリット・デメリットをパート経験者に調査

年末年始休暇の日数


あるアンケートでは、年末年始休暇の平均日数は約6日となっています。このアンケートに答えた人たちの理想の年末年始休暇は8日間でした。よって、休みたい日数より現実は2日少ないのが現実です。しかし公務員の場合、年末年始の休暇は12月29日から1月3日までの6日間ですから、6日というのは妥当な日数といえそうです。

またある統計によると、年末年始休暇の日数が多い業界は、1位から9位までをメーカーが占めていました。休暇日数の平均が多かった業界の1位は自動車/輸送機器メーカーで8.0日です。2位はゲーム/アミューズメント機器メーカー、設備関連/プラントメーカーが7.5日、電子/電気部品/半導体メーカーが7.1日、家電/AV機器メーカーが7.0日、化粧品メーカーが6.8日、機械/電気機器メーカーが6.7日、医療機器メーカーが6.4日、建築/建材関連メーカー、不動産仲介が6.3日いう結果になっています。

逆に年末年始の休暇日数が少ない業界は次のようになっています。

コンビニエンスストアが0.8日、量販店/ホームセンター/スーパーが0.9日、百貨店が2.4日、ホテル/旅館が2.5日、レジャー/アミューズメントが2.7日、専門店/小売店が3.2日、陸運/鉄道/海運/航空、信金/信組が3.4日、外食/レストランが3.5日、介護/福祉関連が3.6日でした。

参考:キャリコネニュース 年末年始の連休日数は? 平均6.1日、理想は8.2日 「大晦日も仕事」という人は8%
DODA 業種別の休日数ランキング -全80業種-

年末年始休暇と有給休暇


有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利です。入社してから6ヵ月が経過しており、所定労働日数の80%を超えて勤務している労働者が、働く義務のある日に賃金をもらいつつ休める休暇のことを指します。労働日数に応じて、アルバイトやパート勤務でも取得できます。

有給休暇は、労働者の望む日に理由を報告する義務もなく取得できる休暇です。繁忙期には会社側が有給を先送りできるという決まりもありますが、年間を通して有給を取らせない場合は違法になります。

日本の国民性で、仕事に差し支えるから有給休暇を取りづらいと思う働き手が多く、実際に有給休暇を消化しきれない労働者が多いのが実情です。こうした傾向に対するプランとして、有給休暇を5日以上付与されている労働者に対して、5日を超えた分の有給休暇を会社側が割り振って、労働者がしっかり休めるようにしているという企業もあります。この制度を『有給休暇の計画的付与』と呼びます。計画的付与には労働者の同意が必要なので、労使協定を結んだ場合に有効です。

誠意のある企業ですと、会社規定の休日に年末年始がある場合、その前後に有給休暇の計画的付与を割り振って、従業員に大型連休を与えるところもあります。
しかしその一方で、年末年始の休暇に有給休暇を充てるよう圧力をかける会社もあります。本来、年末年始を休日としている企業であれば、それを有給休暇にすることはできません。有給休暇とは、前述したように、働く義務のある日に賃金をもらいつつ労働を免除される日のことです。最初から年末年始が休日になっているなら、それは「働く義務のある日」ではないので、労働者の当然の権利として休めるはずだからです。
年末年始を休日としておきながら、そこに有給休暇を使うよう圧力を加えるのは、実際の休日を減らすこととなり、労働者の不利益になるため違法です。

つまり、年末年始休暇と有給休暇の兼ね合いを考えるポイントは、会社規定として、年末年始を休日としておくのか否かという点にあるといえるでしょう。年末年始を休日と定めるのであれば、その契約を守る必要があり、年末年始休暇に有給休暇を使うよう促すことはできません。

しかし、もし会社指定の休日に年末年始を含めていないのであれば、「年末年始に休みたいならば有給休暇を使ってください」と求めたとしても、なんら違法ではありません。

業種によっては、「1月1日が一番の稼ぎ時」という企業もあることでしょう。そうしたところに就職する人たちは初めから年末年始に休むことを期待してはいないはずです。しかし、「年末年始はお休みです」と公言するような職場に勤めている労働者が「年末年始に休みたければ有給休暇を使ってください」といわれたら、ひどく反感を持つかもしれません。会社の職種、業種によってケースバイケースですので、会社の決まりを作るときにその点をはっきりさせ、雇用契約を結ぶときにも労働者によく確認することが大切です。

参考:厚生労働省 年次有給休暇の計画的付与制度
総務の森 年末年始休暇の有給休暇使用について
労働問題弁護士ナビ 年次有給休暇とは|5分でわかる基本概要まとめ

まとめ

年末年始を休日に設定するメリットとして、よい人材を集めやすいという点があります。年末年始を「休日」としている場合は有給休暇を休みに充てさせることはできませんが、年末年始を休みではないと設定した場合は有給休暇を置き換えさせても違法ではありません。休暇・休日の設定は採用活動に関わることもあります。戦略的に計画を立てましょう。

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