ネット炎上からブランドを守る。企業のソーシャルメディアポリシー4選

ネット炎上からブランドを守る。企業のソーシャルメディアポリシー4選

従業員によるモラルなきSNS利用が原因で起こる「ネット炎上」。「ネットの騒ぎくらいで……」と思っていても、会社のブランドを大きく毀損したり、最悪の場合、倒産へと至るリスクすらはらんでいます。今では、そのリスクは多くの企業にとって認知されているはず。

しかし、具体的にどんな対策を取ればいいのかわからない、という担当者は多いのではないでしょうか。そんなときは、実際に万全の対策を取っている企業を参考にしましょう。

今回は万全の対策を実施している4つの企業のソーシャルメディアポリシーを紹介します。自社のガイドライン作成の参考にしてみてください。

企業がネット炎上する3つのパターン

企業のネット炎上は、従業員個人のSNSが原因で炎上するパターン、公式SNSが運用者のミスで炎上するパターン、広告やCMが原因で炎上するパターンの主に3種類があります。

とりわけ、1つめの従業員のSNS利用が原因で炎上するパターンは、従業員のプライベートな領域が関わってくるため、対策が困難です。例えば、バイトテロと呼ばれる、アルバイトがモラルのない言動をSNSに投稿したことで起こる炎上などが該当し、深刻な場合は店舗の閉店や会社の倒産にまで繋がることも。

本メディアでも以前に、バイトテロ対策の記事や、ネット炎上の記事で紹介しました。

今回はこの、従業員個人のSNSが原因が炎上するパターンの対策として各企業が策定している、ソーシャルメディアポリシーを紹介します。

「ブランドを守る」ために|コカ・コーラ


コカ・コーラ|ソーシャルメディアガイドライン
コカ・コーラのソーシャルメディアポリシーでは、従業員のガイドラインまで公開されていて、「基本理念」「ソーシャルメディアに関するコカ・コーラからのコミットメント」「社員及び協力会社によるソーシャルメディアの利用について」の3つの項目から作られています。「基本理念」の項目では、コカ・コーラ社員がソーシャルメディアコミュニティにおいて必ず念頭に置かなければならない基本的な姿勢として、「自分たちがマーケティング企業の一員であること」、「自分たちの役割は、ブランドを構築すること」が掲げられています。

そして、このソーシャルメディアでの基本姿勢を実行していくための行動指針として、次の7つの「基本理念」が定められています。

リーダーシップ:より良い未来を築くため、勇気を持って積極的に行動する
コラボレーション:一人一人の知恵と才能を結集し、最大限に活用する
誠実さ:常に正直である
アカウンタビリティ:自分の行動には必ず責任が生じることを認識する
情熱: 強い信念と責任を示す
多様性:当社のブランドと同様、多様性を尊重する
品質:自分たちのアクションについては、確実に良いものを生み出すことを保証する

この価値観はソーシャルメディアに限らず、コカ・コーラ社員があらゆる場面において、行動する際の指針として掲げられているものです。

そして、この「基本理念」に加えて、ソーシャルメディアに関して、コカ・コーラが全従業員に求めるコミットメントとして、次の5項目が掲げられています。

1.透明性の担保
2.消費者のプライバシーの保護
3.第三者の権利の尊重
4.技術利用に対する責任
5.傾聴と事例の活用

「透明性の担保」では、コカ・コーラがソーシャルメディア上でのステマや釣りは行わないということを宣言しています。これは、信頼性を担保する上で非常に重要な項目です。

そして、「消費者のプライバシーの保護」「第三者の権利の尊重」では、情報発信において不可欠な権利を侵害することなく情報を扱うことに関しての内容となっています。

この「基本理念」と「コカ・コーラが全従業員に求めるコミットメント」を理解した上で、従業員が個人でソーシャルメディアを利用する際に遵守することを掲げています。

1.事業運営規範など、該当する方針等の厳守
2.ブランド価値を守る”番人”としての役割を担う
3.否定的な投稿に対する対応は、専門家に任せて、自分の判断では行わない
4.仕事に纏わる記載をする場合は、特に配慮をする

この4つの項目に共通しているのは、コカ・コーラブランドを守るための行動をするということです。2では、業務に関わりがなくても、ネット上でコカ・コーラのブランドや企業としての評判に重要と思われる投稿を見つけた場合には、「ソーシャルメディア担当者に速やかに報告する」ことを求めています。

3では、コカ・コーラのブランドについての否定的・中傷的な投稿を目にした場合、自分の判断で反論や議論を展開してはいけないとしています。ソーシャルメディア上でこうした議論に参加することは、コカ・コーラを代表することになるからです。議論に参加できるのは、「専門のトレーニングを受けて資格を得た人のみ」で、そうでない従業員は、ソーシャルメディア担当者に報告することが求められているのです。

「ブランドを守る」ということを、これほど厳格に行動指針として落とし込んでいる同社は、多くのBtoC企業にとって見習う点があるのではないでしょうか。

「速やかなお詫びと訂正」で炎上を防ぐ|資生堂


資生堂|ソーシャルメディアポリシー
資生堂のソーシャルメディアポリシーでは、原則部分が公開されています。その中で、ソーシャルメディア参加に当たっての心構えとして、7項目を掲げています。

1. 所属する組織や雇用の形態にかかわらず、資生堂グループ社員は、国ならびに地域の法令の遵守はもちろんのこと、資生堂グループ社員の行動基準である「Our Way」、「就業規則」ならびに、「ポリシー」等の社内規則を遵守します。

2. お客さまの声に耳を傾け、参加されているお客さまに少しでも有益な体験をしていただけるよう、積極的な情報提供を行います。

3. 発信する情報の内容や発信の仕方に注意し、誤った情報を流したり、お客さまに誤解を与えたりすることのないよう心がけます。

4. 誤った情報を発信したり、誤解を与える表現を行ったりした場合は、速やかにお詫びと訂正を行います。

5. 身分を偽ることなく、良識ある者として情報発信と対話を行います。

6. 第三者が開設・運営する各ソーシャルメディアの規定を守り、各ソーシャルメディアの文化・マナーを尊重します。

7. 第三者の知的財産権、プライバシー権等の権利を尊重し、名誉を毀損しないよう配慮します。

特に重要なのは、まず、誤った情報を流さないようにすること、誤った情報を流した場合は速やかにお詫びと訂正をすることです。

ソーシャルメディアの個人利用で炎上が起こってしまうのは、まさにこの2点です。炎上するようなことを投稿しないのはもちろんですが、仮に投稿してしまった場合でも、余計な言い訳や嘘を付いてしまうのは逆効果。炎上に燃料を投下することとなってしまいます。速やかなお詫びと訂正が最善の対策なのです。

資生堂のソーシャルメディア・ポリシーは、まさにこの対応を誤れば致命的になる部分について、注意を促しています。

誠実かつ正直な態度で行動する|インテル


インテル|ソーシャルメディアガイドライン
インテルのソーシャルメディアポリシーでは、コカ・コーラ同様に、従業員の行動指針まで公開されています。大きく3つに分けられていて、1つめの「情報開示」についてでは、「誠実な態度で行動する」ことを求めています。

1. 率直な態度で挑む
2. 正直に
3. 自分らしく
4. 最新情報を提供する

「率直な態度で挑む」では、実名を使い、インテルの仕事と役割を明確にすることを定めており、「自分らしく」では専門分野についてのみ書き込むことを求めており、「誤った情報」を流してしまうことを防止するという意図が分かります。

2つめの「保護」についての項目では、「シェアは慎重に」という記載があり、SNSで誤った情報をシェアしてしまうことに対しての注意という、具体的な対策が掲げられています。

3つめの「常識判断」の項目で掲げられているのは、「イメージがすべて」ということです。従業員が情報を発信する際に、「インテル社員が語っている」ことを忘れない、という当たり前ですが重要なことを、示されているのです。例えば、感情的にならず冷静さを保ちましょう、間違ったら誤りを認め、訂正しましょう、ということです。

ガイドラインはあくまで「マナー」、個人のリテラシーを尊重する|シックス・アパート


シックス・アパート|ソーシャルメディア利用ガイドライン

シックス・アパートのソーシャルメディアポリシーでは、社員が守るべきガイドラインが公開されています。まず、「投稿に関するガイドライン」として次の5項目が掲げられています。

個人情報や秘密情報を公開しないこと
会社の不利益になるような発言は避けること
サポート外の専門的な投稿をする場合には、個人としての投稿であることを明記すること
製品名や社名について記述する場合は、できるだけ正式な表現とすること
違法性のあるコンテンツ、極端な誹謗・中傷を含む発言を行わないようにすること

ここで特徴的なのは、同社の製品に関するテクニカルな情報や専門的な話題を投稿する際、「個人としての投稿であり、会社としての見解やサポートではない旨を分かるようにする」という点です。なぜなら、同社では有償の技術サポートを提供しており、そのサポートとは違う点を明確に区分する必要があるからです。これは、テクニカルサポートを行う会社にとって、参考になる項目ではないでしょうか。

次に、個人所有のアカウントについてですが、「アカウントの説明やプロフィールにシックス・アパート関係者である事を明記する」かどうかはは個人の判断に委ねているようです。もし明記する場合のガイドラインとして、次の3つの項目で提示されています。

シックス・アパートに属していることを正しく伝えること
会社としての正式な見解や回答では無いことを明示する
常に良識ある発言・投稿を心がける

例えば、投稿ごとに、「会社としての正式な発言や見解、回答では無いことを示しておく」ことは「良いアイデア」としていて、推奨しています。

シックス・アパートではソーシャルメディアのガイドラインを、強制するのではなく、あくまでマナーとして掲げ、従業員個人のリテラシーを信頼するような姿勢が見られます。

「企業の一員であることを忘れない」ことでネット炎上は防げる!

ネット炎上を防ぐためには、社員一人ひとりが「企業の一員」であることを忘れないという意識を持つことが不可欠です。当たり前のことではありますが、こうした意識を作っていくことが一番の対策となるはず。そのために、ソーシャルメディアポリシーとして文面化することは効果的なのです。

とはいえ、それだけでは即効性のある対策とはいえません。個人のSNS利用に関するリスクを「起こるもの」として想定しておくことも大切です。そして、これもソーシャルメディアポリシーの中に盛り込むことで対策になるはずです。本記事が、ソーシャルメディアポリシー作成の際に役立てば幸いです。

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