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もはや伝説の領域!東日本大震災で7万人を救ったディズニーの防災訓練

2011年3月11日。未曾有の大地震が東北地方の人々を中心に襲いかかりました。日常が一瞬で暗転した東日本大震災「3.11」は、家族や友人、大切な人との時間を東京ディズニーリゾートで楽しむ人々の元にも訪れました。

当時、7万人と言われるディズニーリゾートの来場者を救ったのは、魔法でもなく、ましてや人気のキャラクターでもなく、「キャスト」と呼ばれる現場で働く従業員たちでした。そしてその際の奇跡の防災対応は、今なお、伝説として語りつがれています。

ディズニーでは日常的に防災訓練が行われています。想定外のことが起きる災害だからこそ、日々の訓練と現場の判断が結果を左右する防災。今回はそんなディズニーのマニュアルを超えた防災対応についてご紹介します。

想定の範囲“内”だった「3.11」

災害時において、重要なのはその場で起こったこと対する「とっさの判断力」です。ここには想像だけでなく、実際に体験してみないとわからないことが多く存在します。

特に大規模な災害は日常的に起きることではないため、数回程度訓練したくらいでは、実際に災害に遭遇した際に思ったように行動できるとは限りません。

ディズニーでは「震度6、来場者10万人」を想定とした防災訓練をなんと年間180回も行われています。3.11規模の災害を想定“内”として防災訓練を行うことによって、その対応のノウハウを蓄積しているのです。

ディズニーの行動基準「SCSE」

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ディズニーでは「SCSE」と呼ばれるキャストの行動基準が設定されています。これはSafety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)の頭文字を取った略称で、ディズニーの高いサービスと接客技術の基盤となっています。この行動基準の存在により、イレギュラーな対応も現場の判断で行うことが可能になっています。

マニュアルを超えたキャストの対応

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一般的に、防災訓練は「災害に対してどう対応し、どう避難するか」という点でのみで考えられがちです。しかしディズニーの防災はそれだけにとどまりません。被災したお客様たちの安全を守るのはもちろんのこと、精神面に対しても十分な配慮がなされています。

実際にあった例をいくつかご紹介しましょう。

ぬいぐるみを防災頭巾としてゲストへ配布

あるキャストは防災頭巾代わりに、人気のキャラクター「ダッフィー」と「シェリーメイ」のぬいぐるみをゲストに配りました。本来、売り物であるぬいぐるみを現場のスタッフの判断で来場者に配ることができたのはなぜでしょうか。それは普段の防災訓練から「店内のものは緊急時に防災目的に使用してもよい」という指導をされていたためです。

不安を取り除くために自ら「安全の妖精」に

また別のキャストは、地震で不安になっていると思われるゲストに向けて、「安全の妖精」を演じました。自分たちも被災者でありながら、そのキャストは決して恐怖を表に出すことはありませんでした。余震が続く中、危険なシャンデリアからゲストを遠ざけ、自らがシャンデリアの下でシャンデリアの妖精を演じたのです。これほどの対応は付け焼き刃の防災意識では到底できないことは容易に想像がつくでしょう。

防災食として、販売している「お土産」を配布

また電車も止まり、時間が経つにつれて、夜が近づいてきます。防災食の代わりに、お土産を配るキャストもいました。空腹になるのはキャストもゲストも同じ。しかし自分が空腹を感じるならゲストも同じだろうと考え、実際に空腹の訴えを受ける前から、対応に奔走したのです。ゲストの不安や必要なことを感じる力が鍛えられているからこその対応ではないでしょうか。

ゲストの安全のためなら「夢の国の裏側」も公開

現場だけではありません。ディズニーリゾートではこの時の安全確認が先に終わったディズニーシーへ避難民を誘導する必要がありました。しかしディズニーリゾートがある浦安市は当時、液状化が起こったことでも知られています。

表の歩道の安全が確認できない状態で対策本部が出した答えは「夢の国の裏側を避難通路にする」ことでした。ディズニーには「夢の国」として現実とは一線を画した様々な演出が施されています。そのため本来はバックヤードのような裏方が使う姿は一切表に出てきません。

しかし、そのようなポリシーであってもゲストの安全には変えられないというブレない信念がその決断を引き出し、無事にゲストを避難させることができたのです。

帰宅困難者を約5万人と想定した非常食

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また、ディズニーリゾートの災害対策は対キャストだけのものではありません。災害時に何が必要で、どう動くべきか、その点を考慮した対策を日常的に取っています。実際に行われる避難訓練では、キャストの家族を加えて行う訓練があります。これはキャストだけでは見落としがちな「内情を知らないゲスト」が災害にあった時を確認することができる非常に有益な訓練です。

また、日頃から備蓄についても最悪の事態を想定しています。ディズニーリゾートの災害備蓄は5万人の帰宅困難者を想定して用意されており、白米、大豆ひじきご飯、五目ご飯といった必要な非常食、ブランケットなどの防寒具、水が用意されています。

まとめ

企業が防災を考える際、防災訓練のマニュアルの作成や、段取りに応じた訓練をすることも大切です。しかし、それ以上に重要なのは企業が持つ防災についての考え方を確立し、それを末端まで日頃の意識として行きわたらせることではないでしょうか。それができて初めて、マニュアル以上の、生きた防災訓練となることをディズニーの伝説は私たちに教えてくれています。

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