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初期消火は火災発生から2分間がカギ!すべての社員が覚えるべき消火方法

もし会社で火災が発生してしまったら、どう対処すればいいか、把握できていますか?

119番通報をして消防隊を呼ぶということが、真っ先に思い浮かぶでしょう。しかし、実はそれだけでは、火災の被害を最小限に抑えられません。なぜなら、火災時の対応で大事なのが、発生から2分以内の初期消火だからです。消防隊が到着するのが、通報から平均7〜8分。火災をそれほど放置していると、全焼のリスクが増大します。

つまり、火災の被害からオフィスを守るためには、自分たちで初期消火活動を行わなければならないのです。今回は適切に初期消火を行うために、知っておきたい消火の方法をご紹介します。

タバコにコンロ…オフィス火災の原因


オフィスで火災が発生する原因は何があるのでしょうか。通常の住宅の場合、火災が起きる原因は主に、タバコ、ストーブ、コンロ、電気器具。これらの原因はオフィスでも同じです。

例えば、喫煙所はほとんどの会社にありますし、タバコの吸い殻から発火するリスクは大いにあります。給湯室などが設置され、コンロで調理するスペースがある場合は、住宅同様の注意が必要でしょう。

また、実際にオフィスで起きた火災で、原因が変わっているものがGoogleの日本オフィスで2015年に起きたボヤ騒ぎです。あわや一大事となりかねないこの騒ぎは、窓際に置いていた水晶玉に太陽光が集まったことによる収斂(しゅうれん)火災が原因と警察は発表しています。Googleは水晶玉は置いていないと否定していましたが、例えば、水が入ったペットボトルでも収斂火災は起こる可能性があり、窓際に置く物に対して意識を向けた方がいいでしょう。

知っておきたい、火災の広がり方


火災が発生した際、火災の拡大を防ぐためには、火災発生の段階で火元を消す初期消火を行うことが重要になってきます。一般的に、建物内で火災が発生してから3分以内に天井に火が燃え移ります。そうなると、もう初期消火は不可能です。もし、天井まで広がる状態になった場合、すみやかに避難し消防隊の到着を待ちましょう。

このことから、初期消火が可能なのは出火から1〜2分程度だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。そして、消防隊が到着するまで、通報から平均して6〜7分ほどかかるため、初期消火には間に合いません。そのため、自分たちで消火活動を行わなければ、火災による被害の拡大は避けられないのです。では早速、初期消火の方法をご紹介していきます。

火災を食い止めるカギとなる「初期消火」とは?

まだ出火して間もない段階で、火が小さいあいだに鎮火を目指す消火作業を「初期消火」と呼びます。初期消火の際には、素早く3つのアクションで対応できるか否かが重要です。

初期消火に必要な3つのアクション
火事を知らせる 社内の非常ベルを鳴らし、119番(消防署)に通報する
消火活動をする 大きな火災になるまえに、消火器・多量の水を使って消火する
現場から逃げる 天井が燃え移れば初期消火は困難なので、早急に避難する

一連の初期消火活動は、2分をタイムリミットとして行いましょう。それ以上の消火活動は個人では難しく、現場に残り続ければ人命に危険が及ぶからです。

これらを踏まえて、具体的にどのような対処が望ましいのか解説していきます。

火災から2分以内に行う「初期消火の方法」


初期消火活動の方法ですが、最も確実なのが消火器の使用です。しかし、いざというとき、躊躇いなく消火器を使えるでしょうか? 使い方がわかっていなければ、それは難しいでしょう。まずは消火器の種類と使い方を知っておきましょう。

前述した「3つのアクション」をもとに、どういった手順で消火活動にあたれば良いのか確認していきます。

初期消火と同時に119番の通報を

火災の発生を発見したら即座に初期消火活動を行う必要がありますが、同時に消防隊への通報を行いましょう。初期消火により鎮火する可能性はあるものの、消防法には下記のような文言があるため、火種の大小に関係なく速やかに通報する義務があります。

第二十四条 火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指定した場所に通報しなければならない。
② すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。

出所:「消防法 第23条~第25条の13

なお、消防法には「通報が最も迅速に到達するように」と記述されていることから、通報は消火活動を行う人以外人に任せた方がいいでしょう。

いざ火災が発生したとき、とっさの判断でスムーズに対応することは困難であるため、予め発災時の役割担当を定めて、防災訓練で動きの確認をしておいてください。

初期消火の方法1:消火器の種類

消火器には粉末系消火器水系消火器ガス系消火器の3種類があり、それぞれ消せる火災の種類が異なります。火災の種類は、木材、紙、繊維などが燃える普通火災、石油類その他の油類などが燃える油火災、電気設備などが燃える電気火災の3種類。

粉末系消火器はどの種類の火災にも万能です。これと比べ、水系消火器の中でも泡で消すタイプのものは、電気火災の消火には使えず、ガス系消火器は普通火災の消火に向かないという特徴があります。

一般的に普及している消火器は、万能に使える粉末系消火器です。粉末消火器は消火剤の成分に、火の燃焼を抑制する抑制効果作用が備わっているため、素早く火を消すことができるのです。

消火器本体に、対応している火災のタイプが記載しているので、オフィスに設置している消火器の種類を確認しておきましょう。

初期消火の方法2:消火器の使い方


消火器の使い方自体は簡単です。次の3つのステップを行うだけ。

①安全ピンを上に引き抜く
②ホースの先端を火元に向ける
③レバーを握る

粉末系消火器は使用できる時間が短く、10秒から20秒ほど。そのため、しっかりと火に向けることが大切です。

また、消火器を使って消火しても、火種が残っている場合があります。そのため、温度が下がったあとに水をかけて完全に消火するようにしましょう。ただし、揚げものの油が発火した場合は、水をかけると火が燃え上がるので、絶対にNG。油の場合は消火したあと、ガスの元栓を締め、温度を下げることが大切です。

もし、消火器が設置されていないオフィスの場合、まずは設置することを検討すべきです。消火器に勝る消火方法はないからです。

とはいえ、消火器以外の消火方法を知っておくことは、火災被害のリスクを抑える上で十分に意味のあることでしょう。さらに、この方法は消火器による消火を補助することもできるのです。では次の項では、消火器を使わない消火方法をご紹介します。

初期消火の方法3:消火器がない場合の火の消し方

濡らしたタオルやシーツで覆う

濡らしたタオルやシーツで覆うことで、火を広げる原因となる「空気」を遮断して消火します。油鍋やストーブが発火した際に有効です。

特に、油鍋から発火している場合は、水道に近いため水で消火しがちですが、前述の通り油に水をかければ炎が大きくなります。必ず、空気を遮るように濡れタオルで全体を覆ってください。
ただし、これだけでは火種までは消えない可能性があるので、消火したあとは水をかけましょう。

小さな火種には水をかける

火が小さい場合は有効です。それ以外にも、消火器や濡らしたタオルなどで消火したあとに、火種を完全に消すためにも効果的です。

例えば、喫煙所のタバコの吸い殻入れが発火した場合などには、水をかけるといいでしょう。ただし、火が大きくなってしまった場合、水だけでは消火できないため、濡らしたタオルをかけるなどして消火したあとに、水をかけて完全に消火します。

ただし、電気器具から発火した場合は、水をかけると感電の恐れがあるため、水をかける場合はプラグを抜くか、ブレーカーを落とした上で消火してください。

カーテンが燃えた場合、引きちぎって消火する

カーテンに火が燃え移ると、天井へと広がる恐れがあります。前述した通り、天井に火が回れば初期消火では対応できず、鎮火の可能性は極めて低くなります。

そのため、カーテンが燃えた場合は速やかにカーテンを引きちぎり、燃えている箇所を切り離してから、消火器を使ったり、濡れたシーツをかけて水をかけたりといった消火活動を行いましょう。

初期消火の方法を身に付けよう!

もし火災が発生したとき、オフィスの全焼を避けるためにできる唯一のことは、最初の2分間に初期消火活動を行うことです。その最善の方法は消火器を使うことであり、それを補うために使うのが、濡らしたタオルやシーツ、水をかけるといった方法なのです。

これらの消火方法は知識として知っておくだけではなく、実際に防災訓練を通して、動きを体で覚える必要があります。いつ起こってもおかしくない火災に対して、忘れずに備えを行いましょう。

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