火を使わなくても火災は起こる!?オフィスの火災対策グッズ8選

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みんなのBCP編集部

冬は、湿度が低下し空気が乾燥するため、火災の危険性が高まる季節です。そのため、家事の可能性を少しでも防ぐために家を出るときは必ず火元を確認するなど、いつも以上に火の取り扱いに気を配ることが大切です。 しかし、家の安全確認はしても、疎かになりがちなのがオフィスの火災対策。実は、オフィスにあるコンセントやシュレッダーは、さまざまな原因から発火することがあります。もしもオフィスで火災が起きたら、重要な書類やパソコンなどへ燃え広がり、大切なデータの損失につながることも…。それだけでなく、従業員の命に関わる事態に陥ってしまうこともあるかもしれません。 そこで今回は、オフィスの火災を事前に防ぐためのグッズや、万が一火災になってしまったときに命を守ってくれるグッズをご紹介します。従業員の命を守るべく、可能な限りリスクを減らしましょう。

オフィスの火災対策の必要性

東京消防庁の資料によれば、オフィスにおける発火原因で一番多いのは電気関係です。その内訳は、蛍光灯や分電盤などの「電気機器」の経年劣化による割合が一番高く、次いで高いのはコードや配線プラグなどの「配線器具」となっています。 参考:東京消防庁 電子図書館 令和3年版火災の実態 これらの発火原因を見ると、たき火やストーブ、ガスなど直接「火」を扱っているわけではありません。目に見えない「電気」が原因で火災が起きているのです。そこで、次章では、オフィスの発火原因から見る、防災対策を考えます。

オフィスの3大発火原因

ほとんどのオフィスにあるであろう、コンセント、タコ足配線、そしてシュレッダー。これらの3つが発火原因となってしまうことをご存知でしょうか。ここでは、なぜ火災が起きるのか、そのカラクリを簡単にご説明します。

①トラッキング現象による発火

あなたの会社では、コンセントや電源タップに、長期間電源やプラグを差し込んでいませんか。プラグとコンセントの隙間にほこりが溜まると、空気中の湿気をそのほこりが吸収して漏電し、発火してしまうことがあります。この現象を、「トラッキング現象」といいます。 トラッキング現象が起こりやすい場所は、以下の3箇所です。
【トラッキング現象が起こりやすい場所】
1.冷蔵庫やテレビ、洗濯機の裏側など、ほこりが溜まりやすい場所にあるコンセント 2.洗面台、キッチン、給湯室など、湿気の多い場所で使用するコンセント 3.加湿器や水槽など、水気のある場所で使用しているコンセント この現象を防止するには、定期的に電源プラグを抜き、乾いた布で拭くなど、掃除をすることが必要です。

②タコ足配線の使用による、電流の容量オーバーによる発火

コンセントや電源タップには電流容量の限界があることをご存知でしょうか。電気機器を多く扱うオフィスでは、ひとつのコンセントに複数の電源コードを挿す、タコ足配線にすることがあるでしょう。このタコ足配線自体は問題ではないのですが、消費電力が容量オーバーしてしまうと、ブレーカーが落ちたり、発熱・焼損したりする危険があります。 コンセントは、通常15Aという定格容量です。 ※中には異なるものもあるため、詳しくはよく確認してから、正しくお使いください。 タコ足配線を使用すると、つい 電気製品を何個もつないでしまうことはありませんか。なお、コンセントへの差込数が少ない場合でも、容量を超えてしまうことは危険です。容量を超えないよう、同時使用するときは15Aを超えないように、電気製品の消費電力を確認して整備することをお勧めします。 また、ほこりが蓄積されやすいため、定期的に掃除をして、トラッキング現象の対策をすることも必要です。

③シュレッダーの紙詰まりによる発火

シュレッダーは、紙くずなど、細かなゴミが出るため、掃除が面倒。紙が詰まってしまうと、故障の原因になってしまうため、こまめな掃除が欠かせません。 しかし、掃除をする際、やってはいけないことがあります。それは、エアダスターを使用することです。 エアダスターとは、一般にパソコンなどのOA機器のほこりを除去するために使うスプレー缶です。ノズルから気体を出し、指などが届かない溝などに入り込んだ細かい異物を飛ばします。たとえばシュレッダーに使用すると、噴出した気体がシュレッダー内に充満し、モーター始動時の火花が引火して発火してしまうことがあるのです。 平成22年の東京消防庁の報道発表資料には、エアダスターに起因する火災の特徴が記載されています。 【エアダスターに起因する火災の特徴】 1.細断等の作業時に火災になることから、ケガ人の発生する確率が高い 2.シュレッダー等のほこりを除去する際に火災に至っている 3.エアダスターに使用されているほとんどのガスが可燃性ガスである 4.使用されているガスは空気よりも重く、シュレッダーの箱内に滞留しやすい では、これら3つの発火原因を防ぐために、どんなグッズを使うべきなのでしょうか。オフィスの火災対策グッズとしておすすめの商品を8つ紹介します。

火災対策グッズおすすめ商品8選

1.コンセントキャップ

使用していないコンセントは、プラグの穴が塞がってないので、ほこりが溜まりやすくなっています。一度プラグの穴にほこりが入り込んでしまうと、穴が小さいため取り除くことが困難に…。そのまま、ほこりを放置したプラグにコンセントを差し込んでしまうと、トラッキング現象による発火につながってしまいます。 そこで、使っていないコンセントに、コンセントキャップを差し込みましょう。ほこりがプラグに侵入することを防ぐことができます。
エレコム AVD-TVCAP01WH 価格:680円(税抜) カラー:ホワイト 入り数:5個入り 仕様:フリップの開閉で、2P・3Pどちらのタップでも使用可能

2.プラグ安全カバー

コンセントの差し込み刃とプラグをほこりから守り、トラッキング現象を防ぐグッズが発売されています。それがプラグ安全カバーです。このグッズは電源プラグの差し込み部分をすべて覆うため、ほこりや水分をシャットアウトすることができます。 価格もお手頃なため、最初のオフィス火災 対策グッズとしていかがでしょうか。
サンワサプライ株式会社 プラグ安全カバー TAP-PSC2N 価格:850円(税抜) 対応プラグ:2PプラグL型、スイングプラグ 材質:シリコンゴム サイズ:W36.6×D10.9×H25mm 入数:4個

3.プレトラックコンセント

より強固なトラッキング現象の対策として、「プレトラックコンセント」をおすすめします。 休日や夜間に火災が発生した場合、発見が遅れてしまい、想定外の被害になることがあります。プレトラックコンセントには、発火するとブラーが鳴るアラーム機能と、トラッキング現象の原因となる微小な放流電流を検知し、回路をしゃ断する遮断機能を搭載。それにより、普段は目につかないコンセントの発火に気づくことが可能になるのです。
河村電器産業株式会社 プレトラックコンセント 価格:5,900円(税抜) トラッキングを検出し、回路をしゃ断し、ブザーとランプで警告してくれます。

4.節電タップ 個別スイッチ付 省エネタップ

タコ足配線は使用していない電子機器にも電気を送ってしまうため、定められた容量を超えてしまうことがあります。しかし、節電タップを使用することで、差し込み口一つひとつに電源スイッチがあるため、使用していない電子機器への送電を抑えることができます。 節電タップは火災への対策になるだけでなく、オフィスの電気代の節約にもなるため、経理的な面でも役に立ち、一石二鳥のグッズです。
個別スイッチ付 省エネタップ T-E5A-2430WH 価格:2,640円(税抜) 長さ:1.0m 4個口

5.ケーブルボックス

ケーブルボックスにコードを収納しておくことで、ゴミやほこりからまもり、束ねる必要もなくなります。タップ自体を収納できるものも販売されているので、紹介してきた節電タップやコンセントキャップと併用することで、ほこりや湿気をより一層防ぐことができます。 見た目もスッキリするので、オフィスが快適になること間違いなしです。
BUFFALO ケーブルボックス 価格:2,660 円(税別) カラー:ホワイト サイズ:Sサイズ

6.シュレッダーオイル シュレッダー専用オイル(フェローズ)

シュレッダーのメンテナンスにはシュレッダーオイルを使うことで、紙の詰まりを最低限に留めることができます。 紙の詰まりを少なくすると、一回一回のメンテナンスが簡単になります。メンテナンスの頻度としては、一般的に合計使用時間30分に1回程度のペースが推奨されています。
フェローズ シュレッダー専用オイル 価格:1,440円(税別) 主原料:植物油 容量:350ml サイズ:W89×D38×H203mm

7.消火器マスク

発火した際、火が大きくなる前に火元を断つための消化器。特に、延床面積300平方メートル以上のオフィスには、消化器を設置する義務があります。 義務がなくとも、いざというときのために設置しておきたいのですが、「オフィスの景観を乱すから……」といった理由で、あまり表立って設置しにくい場合があるかもしれません。 そこでおすすめするのが消化器マスクです。このマスクがあれば、消火器の存在を主張しつつ、スマートに見せることができます。万一のときに命を守る大切な防火設備。改めて、消化器の設置について、検討してみてはいかがでしょうか。
消火器マスク 販売価格:1,648円(税別) 製品サイズ:H54×W25×D13cm(組立後の消火器挿入時) 本体重量:110g 付属品:「消火器」ステッカー(W24×H8cm)、取扱説明書

8.投てき消火用具(ファイテック株式会社)

火災が発生したときに被害を最小限に抑えることができる方法は、火が大きくならないうちに消してしまうこと。しかし、いざ火災が起こった際、消火器を正しく使えるのか、あるいは使い方は理解したとしてもパニック状態に陥ってしまうなど、迅速な消化活動ができないことが想定されます。
・消火器は日常的に使わないため、いざ使うときに使い方がわからない ・パニック状態になって操作を誤ってしまう ・火が強すぎて近づけない
そこでおすすめしたいのが、この投てき消化用具。火元に投げ入れるだけでいいので、比較的簡単に消火活動ができるはずです。 また、投てき消火用具は片手で持つことができるコンパクトなサイズで、保管にもスペースをとらないため、オフィス内に多く設置することができることも魅力のひとつといえるでしょう。
ファイテック投てき用消火用具 価格:5,695円(税別) 対応火災:普通火災(A)・油火災(B)・電気火災(C) 容量:600ml 重量:736g 消火剤臭気:ほぼなし 環境への配慮:食品添加物レベルの安全基準クリア、RoHS規制適合品

まとめ

オフィスは家と違って、あまり火元を使わないので、火災の恐怖を忘れてしまいがちです。しかし、今回ご紹介したように、オフィスでも火災が起こる可能性は十分に考えられます。 だからこそ、少しでも従業員の火災に対する意識を高めるために、オフィスの中に火災対策グッズを取り入れてみてはいかがでしょうか。火災に対する危機感を従業員ひとりひとりが持つことが一番のオフィス火災対策になるのです。

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