大地震などの災害が発生した場合、電車はストップしてしまい、多くの社員が帰宅できないという事態に直面します。東日本大震災の際も東京では、こうした光景が多く見られました。「帰宅困難者」となってしまった社員は、しばらくの間、オフィスに滞在することになるでしょう。
そうした避難生活を送る事態になった場合、最低3日間の生活を想定した備蓄が必要だといわれています。食料品・飲水はもちろんですが、薬や衛生用品といった健康の維持に関わってくるものの常備が必須です。あなたのオフィスは、避難生活を想定した準備はできていますか?
今回は会社で備蓄しておきたい、薬・衛生用品12選を紹介します。
目次
会社に備蓄しておきたい薬3選
病院などで受診できない可能性のある災害時、薬の備蓄をしておくことは、病気にかかった社員が悪化してしまうのを防ぐために、必ず備えておきたいものです。
胃腸薬
大地震で水が止まったりしたときに、腹を下してしまうと、便の処理ができず不衛生となる恐れがありますし、感染症のリスクなども生じます。そんな事態が起きたときのために、胃腸薬は常備しておきたいところです。正露丸が代表的です。
薬の保存で注意したいのが、使用期限です。備蓄している薬ごとに、使用期限をメモしておき、リスト化して管理しておきましょう。
解熱剤
停電でエアコンが効かなくなったオフィスで多くの社員が過ごすことになる環境で、熱が出てしまうと非常に苦しい事態となるでしょう。病院に連れて行くのが一番ですが、診察していなかったり、患者が殺到していることも考えられますので、解熱剤はあった方がいいでしょう。バファリンやイブなどが代表的です。
持病の処方薬
もし、持病持ちで常用している薬がある社員がいる場合、常日頃から多く持つように呼びかけた方がいいでしょう。薬を飲まないことで命に関わる病気を持っている人の場合、特に注意が必要です。例えば、糖尿病、喘息、うつ病などの病気がある社員に対しては、日頃からアナウンスしておきたいところです。
会社に備蓄しておきたい衛生用品9選
オフィスの衛生環境を維持するためと、感染症が拡がるのを防ぐためにも、最低限の衛生用品を備蓄しておくことは必須です。
非常用トイレ
被災時は断水されることが想定されるため、非常用トイレの常備は必須です。オススメはトイレの便器に直接設置するタイプのもの。オフィスのトイレをそのまま使えるので、避難生活でもさほど不自由なく、用を足すことができるはず。
トイレットペーパー・ティッシュペーパー
どちらも必須ですが、特にトイレットペーパーは3日分以上のストックは用意しておきましょう。トイレットペーパーは使用済みのものを、しっかりと処理することも、衛生を保つ上で重要です。
ウェットティッシュ
オフィスに3日間いることを考えると、体の汚れは落としたいところ。そのためにもウェットティッシュは常備しておきましょう。体を拭くだけでもすっきりするので、衛生面だけでなくメンタル面でも効果的です。
救急セット(包帯・ガーゼ・絆創膏・消毒液など)
地震発生時に想定されるのが、棚やキャビンの転倒などによる怪我です。簡単な怪我の場合、負傷部位を治療できる救急セットは必ず準備しておきましょう。包帯やガーゼを切るための、ハサミも必要です。怪我を放置することで、命に及ぶ危険を避けることができます。
マスク
もしインフルエンザなどにかかっている社員がいた場合、集団で避難生活をすることになるため蔓延してしまうリスクがあります。それを避けるためにも、マスクは常備しておきたいところです。
歯ブラシ
ウェットティッシュと同様に準備しておきたいのが歯ブラシです。震災時とはいえ、口臭がするのは嫌ですよね。社員一人ひとりの衛生面を保持するためにも、ぜひ準備しておきましょう。
タオル
シャワーは浴びないとはいえ、顔を洗ったり、手を洗ったりはしたいですよね。そんなときのためにタオルはあった方がいいでしょう。また、夏場であれば汗をかくので、汗を拭く際にも使えます。
毛布・ひざ掛け
冬はもちろん、春や秋でも夜は冷えるため、毛布やひざ掛けは用意しておきましょう。寒さに耐えながら避難することは、体力が奪われ、体調を崩す原因となります。
生理用ナプキン
女性にとって生理用品がない状態で、生理を迎えるのは非常に不快感を感じるはずです。もしものときに備えて、準備しておきましょう。
高層ビルの高層階に入居しているオフィスは注意!
幸いにもオフィスが無事で、避難所として十分に利用できるという場合でも、震災直後には電気が止まることが十分に想定できます。そうなったとき、もし会社のオフィスが、高層ビルの高層階に入居している場合、エレベーターが使えなくなってしまいます。その場合、階段を使う必要があるため、地上まで降りるのに非常に労力を使うこととなります。
そのため、高層ビルの高層階にいる人たちは、支援物資などを受け取りにくくなり、半ば孤立した状態になってしまいます。この状態を「高層難民」といい、東京でオフィスを構える企業にとっては、避けては通れない問題です。
これを対策するためには、階を区切って、食料品や衛生用品を備蓄しておくことが必須です。
被災してからでは遅い!今から備蓄の準備を
近くに住宅が少ないビジネス街にオフィスを構える会社では、大地震が起きた際、社員の多くが帰宅困難者となります。オフィスで避難生活を送ることになった場合、備蓄品がなければ、直接的な被害だけでなく、ストレスの蓄積による秩序の崩壊といった事態も起きかねません。
それを避け、社員の安心と安全を守るためにも、今から被災に備えた、食料・飲水、薬・衛生用品の備蓄を行っておきましょう。