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【初動対応計画】事業継続を本気で考える人のためのキホンのキ

初動対応計画と聞いて何を思い浮かべますか。「初動対応計画ってそもそも何?」と思われる方もいるかもしれません。

初動対応計画とは、ずばり「人命保護最優先の活動計画」のこと。発災直後の安全確保や応急救護、また社員の安否確認など、企業が事業を継続させる上で必要なことばかりです。

いざ自然災害やテロ攻撃に巻き込まれたときに慌てないように、ここでは初動対応計画の重要性と具体的にどのように対応するべきか、また、BCP(事業継続計画、Business Continuity Plan)との関連性も詳しく説明します。

初動対応計画の考え方

初動対応計画とは「人命保護最優先の活動計画」のこと。緊急対応計画とも呼ばれ、一時避難場所における身の安全の確保、および社内に戻るまでの発災後1時間前後の対応計画になります。

その対応は大きく以下のふたつに分けられます。
1、発生した自然災害や事故などに対し、被害を最小にとどめるための防災対策
2、その後の仮復旧へつなげていくための準備作業

ひとつめの項目には発災直後の安全確保、応急救護、救助活動、安否確認、被害拡大防止などが含まれ、ふたつめの項目には緊急連絡、情報収集、被害状況の確認、重要書類の保存などが含まれます。

どちらも重要なのは従業員や各現場が自ら判断し、対応できるように準備しておくこと。非常時に組織的な対応ができるように心がけましょう。

初動対応計画とBCPの関係

初動対応計画が「人命保護最優先の活動計画」であるのに対し、BCPの目的はそのまま「事業の継続」。両者は異なるものとして受け取られがちですが、実際は表裏一体の関係性にあります。

事業継続を実現させるためにも何よりも人命保護を優先し、人的資源の確保をするのは大前提。さらに、従業員の生活(人命)を守るためには企業が事業を継続させなければなりません。

なにより迅速な初動対応による人命保護があってこそ、はじめて事業継続が成り立つもの。したがって、BCPの実効性を保つためにも、初動対応計画は重要なのです。

また、実際に発災したとき、「初動対応計画」と「BCP」は誰が指揮をとるのかについてもあらかじめ考えておきましょう。

◆初動対応計画
初動対応要員として、発災時に立ち上げる災害対策本部や代替本部で活動する社員、またその指示に従い活動する社員

◆BCP
BCP対応要員として、事業を継続させるために必要な生産・営業部門に所属する社員

初動対応の方法と、計画策定にあたっての注意点

ここからは、初動対応の具体的な項目と、具体的にどのようなことに注意するべきかを考えてみましょう。

1、発災直後の安全確保
発災当時の来客や社員への的確な指示により、身の安全を確保します。必要に応じて屋外の避難所への避難誘導も行うことになるでしょう。

それにあたり必要な情報は以下のふたつ。
・建物および建物を取り囲むビルの耐震度
・避難場所までの距離

これらの情報が揃ってからはじめて、現場の社員が待避すべきかとどまるべきか、判断ができるようになります。事前に確認しておいて、緊急時の対応方針を明確にした上で社員に伝えておくことが重要です。

初動対応を考える上で中小企業庁の中小企業BCP策定運用指針における「避難計画シート」が参考になります。

2、災害対応
災害対応とは、死傷者の応急処置や医療施設への搬送、また関係者への連絡などの対応や、建物の影に閉じ込められてしまった者への対応を指します。

たとえば倒れてしまった棚や歪んでしまって開かないドアを破るため、フロアごとに災害救助用の道具一式を用意しておくといいでしょう。

また、負傷者の手当てのために「救急セット」と「応急手当」の知識が重要。救急箱を用意する際には、誰でも対応できるように簡易的なマニュアルもあるといいでしょう。

消防署や役場では、心肺蘇生の方法と AEDの使い方が無料で体験できる救命救急講座があります。人数が多ければ出張講座も可能なため、防災対策の一貫として実施しておくことも有効です。

3、安否確認
安否確認にまず大事なのは「迅速かつ正確」であること。

安否確認の仕組みを構築する際、インターネット回線、NTTが提供する災害用伝言ダイアル(171)など、複数の通信手段を併用することが重要です。

また、安否確認の担当者自身が被災者となってしまった場合、出社に時間がかかったり会社のデスクトップPCが利用不可能という状況もありえます。その場合にも備えて、安否状況の登録と閲覧方法を、モバイルPCやスマートフォン、携帯電話など複数の端末で操作できるようにしておきましょう。

例えば、トヨクモの「安否確認サービス2」は、インターネットに接続できれば端末に制限なくアクセスが可能です。通知先として4つのメールアドレス、スマートフォン専用アプリ、Twitterとの連携があり、通知にはログインIDやパスワードを内包したURLが送られるため、「いざという時にパスワードを忘れてアクセスできない!」といった状態を防ぎます。

30日間の無料トライアルは機能制限なく、何度でもお試し可能です。

 

また見落としがちなのは安否確認に含まれる範囲。社員の安否だけでなく、社員の家族、そして来客者の安否確認をどうするかについても、対応を決めておくことが大切です。

社員の家族の安否確認については、後に解説する帰宅困難者の問題でもあります。統計*では、社員が「自分の家族の安否を確認できた場合」と「できない場合」で比較した際、前者は「最大25%ほど帰宅困難者の数が減少する」と予測されています。

*内閣府 「帰宅行動シミュレーション結果について/平成20年4月」より

みんなのBCPでは、28の安否確認システムの比較記事も公開しています。未導入の方はこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

4、被害の把握

建物のひび割れや窓、空調、通路、壁、什器など、施設内の各設備の被害状況をすばやく把握しましょう。

後に行うBCP運用にあたり、企業の中核となる事業の継続、または復旧を検討する上での重要な判断材料となるためです。以下の2点について確認しましょう。
・建屋(設備や作業場を中に入れる建物)、生産機械、通信機器、情報システムの損傷状況を把握する
地域の実情について把握する。火災が燃え広がったり、有毒ガスが漏れるなど、直ちに避難が必要な状況かを確認。また、建物の下敷きになった方の救出など地域貢献活動が必要な状況かどうかを把握する

5、社員招集、帰宅指示
社員を招集するか、もしくは帰宅指示を出すか。災害発生の時間によって対応が変わります。

もし災害発生が夜間の場合は、社員を招集します。ですが、勤務時間内であれば状況をみつつ、しばらく留まるように指示を行うか、帰宅するよう指示をしましょう。

招集方法と帰宅計画はいずれも事前に定めておくことで迅速に対応することができます。とくに一斉帰宅によるパニックを回避するため、普段から「災害時の社員の帰宅方針」を定めておきましょう。

6、対策本部の立ち上げ
災害復旧における対策本部を立ち上げる際の、設置基準、設置場所、構成・役割、必要な資機材などをあらかじめ定めておきましょう。

通常業務における上司などのトップが現場にいるとは限らないため、指揮命令者および代行者も決めておくことをおすすめします。時間外や休日に本部を設置する場合も想定し、徒歩や自転車で本部に到着できる社員を含めておくことも大事です。

7、重要書類の保護
BCPにスムーズに移行するためには、発災時に契約書や預貯金関係の書類、また有価証券などの重要書類を保護することが大切です。

重要書類が損傷するおそれがある場合、事業所内の安全な場所に移動するか、事業所外へ持ち出します。さまざまな事態に備え、重要書類はコピーをとり、事業所とは別の場所に保管しておくことと、事業所内では重要書類を耐火性の金庫などに保管することも望まれます。

8、周辺滞留者への対応
周辺滞留者への対応として、施設開放や備蓄品の提供が挙げられます。基本的な生活用品と毛布など、従業員以外の分も必要となります。

大規模な自然災害などの場合、地域住民や周辺自治体との協調は不可欠。この協調こそが信頼(ブランド力)にもつながり、事業継続の源となります。

フェーズごとの初動対応の方法

初動対応は、災害発生からの経過時間により、「発災期」、「展開期」、「安定期」の3つのフェーズに区分されます。そしてフェーズごとに、初動対応のあり方と、社員の果たすべき役割が異なります。それぞれのフェーズで何を行うのか確認していきましょう。

このとき、初動対応と事業継続は平行して進めていきましょう。

◆発災期(発災当日):
初動対応要員は、本部立ち上げ、安否確認、帰宅抑制・解除、被災状況把握、二次災害防止を行います。並行して、事業継続対応要員はBCP体制を立ち上げ、事業関係先の安否確認や被災状況把握を開始します。

◆展開期(発災3日後):
初動対応要員は、引き続き安否確認、帰宅抑制・解除に加え、応急復旧、被災社員の把握に努めます。並行して、事業継続対応要員は、収集した情報に基づきBCP戦略の修正、BCP発動要件確認を行ったうえで、BCPを発動します。

◆安定期(回復目標):
一般社員も出社対応し、通常業務への復帰をするころ、本格復旧段階に入ります。一般社員の復帰に伴い、初動対応要員の役割は徐々に縮小。事業継続対応要員はBCP阻害事項の把握、対応などを行います。

初動対応とBCPの同時整備とリンクづけ

初動対応要員と事業継続対応要員は並行して活動を行うものの、その役割は異なります。前者についてはマニュアルを、後者についてはBCPをそれぞれ整備したうえで、役割を明確にしておくことが望ましいでしょう。

しかしながら、初動対応要員と事業継続対応要員とでは、各フェーズにおける活動は関連するところが大きく、特に人的リソースの点では共通性を持ちます。すなわち、「安否確認」、「帰宅困難者」については、初動対応と事業継続対応とでばらばらに行動するのではなく、連携し情報共有を図ることが合理的です。

まとめ

災害直後は、一瞬の判断や行動の遅れが「命取り」となります。

また、初動対応とBCPの発動準備は各フェーズにおいて並行して進められるもの。たとえ万全のBCPを策定していても、初動対応が不十分であれば、事業継続の足を引っ張る要因となります。しかし安否確認をはじめ適切な初動対応をとるためには、社内全体の協力が不可欠。その文化や風土の構築は一朝一夕にできるものではありません。あらかじめルール、原則を作成し、従業員に周知しておくことが必要です。

言い換えれば、いきあたりばったりで初動対応するのではなく、いざという時に備え、日頃からの訓練に基づいて「初動対応」についての意識を高めておくことが迅速な対応につながるのです。

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